○松本(和)
委員 自民党の松本でございます。
午後のトップを賜って
質問をさせていただきたいと思います。若干売れ行きが悪いので残念ですけれども、一生懸命にさせていただきたいと思います。
午前中、各党から
質問がございました。特に、今、
経済が
日本はデフレ基調の中でもって低迷をいたしておりますけれども、
都市の
再生というのもまさに
経済の
再生と整合性を求められているわけであります。私は、今のグローバルスタンダード時代というのは、
経済もそうでありますけれども、組み合わせとスピード、この競争が
世界的に今広がっているわけですから、このIT時代、インフォメーションテクノロジーの時代でありますから、インフラが集積している
都市に重点的にいろいろな政策を進めていくこと、これはまさに時宜を得た政策だというふうに考えておりますし、今回の提案というのは本当に高く評価する次第であります。
従来、申すまでもなく、
日本の
都市というのは、まちづくりというのは、
都市計画制度、これは官による制度でありますけれども、それと現実のまちづくり、これは
民間によるまちづくり、官も寄与しますけれども、この不整合性といいますか、余りそれほどうまくはいってなかったんじゃないかという気がします。
一方で、民の力を引き出そうとしますと、どうしても官の方の
法律、どちらかというと形式的なものが多いんですけれども、そういったものに阻まれてしまって、思うように
民間の力を発揮できない。ですから、今回のこの
法案というのは、
経済再生、
都市再生、そのためにはスピードを持ってひとつ対処していかなければならない、今、時代の要請にぴたりと当てはまるものだというふうに考えております。
先ほどからの
質問で、
大臣も、人が生まれてから死ぬまでの生活の場として、安らぎのある空間という形で
都市を改造していこう、
再生していこうということを盛んに申しておりました。
ちなみに、ヨーロッパ型の
都市の
再生というのは、盛んに今の時代に合ったような形で進められております。この中心になるのは、人間の生活の場、それが持続性を持っている、サステーナブルという言い方をしておりますけれども、持続性を持って続いていく、こういったまちづくりを進め、非常に、エコロジーといいますか、環境や自然、そういったものを大事にしながら、人間本来の持っている力というもの、生活感、こういったものを大事にして進めている。
一方、
我が国、またアメリカもそうでありますけれども、どちらかといいますと、従来、特に
日本は、市場
経済、こういったものをひとつ効率よくやっていこうという形の中での
都市再生というものが政策的にもつくり上げてこられたんじゃないかという気がいたします。
その結果、今いろいろな面で反省を問われているのは、午前中の民主党さんの発言にもございましたように、個性のない
都市、よく言われておりますけれども、画一的な、どこの町へ行っても同じだというような、そういう
都市というのはこれから人がだんだん離れていきますし、人間生活の方が非常にライフスタイルが確立されてきておりますから、まちづくりもそれに合った個性のあるものでなければ、だんだん町に居ついてもらえないし、またビジターにも訪れてもらえない、そういうことだろうと思います。
そういう形の中で、効率は、スピードは大事なのでありますが、組み合わせ、もう一つの、一方の、人間の生活の場としてのヨーロッパ的な考え方というものもこれから非常に大事になっていく、これが今回の
基本になるんだろうと思います。
一つ例を申し上げれば、ちょうど今、二十
世紀が終わりました。二十
世紀は、どちらかというとデジタル化社会です。コンピューター、また自動車、そして今デジタル化の中でもってどっぷり我々
経済行為をしているわけでありますけれども、一方で、やはりそういったものを動かすのは人間であります、アナログでありますから。このアナログの力といいますか、大事さ、こういったものがまちづくりの中で効率とともに基幹にならなければ、個性のある、あるいはゆとりのあるといいますか、落ちついたまちづくりというものの中に効率のよさというものは追求できないんじゃないかという気がいたします。
私は、たまたま千葉県七区の選挙区でありますが、そこに今、
国土交通省のいろいろな施策の中の第二常磐線があります。あと三年ぐらいで完成するわけでありますが、実は、地元の市にずっと提案してきました。
どういった提案かといいますと、個性という面で、第二常磐線ができる
市街地の駅、この駅前を、従来型の個性のない、どこの駅でもあるような駅前はやめようじゃないかと。では何をつくるかといいますと、里山が残っております、非常に自然が、公園が残っていて、オオタカというような保護されているタカもすんでいるというような場所でありますから、この駅前を、少し形の変わった個性的なものにしたらいいんじゃないかと。
実は、この線が開通しますと、三十分で秋葉原に乗り入れる。そして、後ろ、バックが柏市で、たった十分ぐらいで行けてしまいます。それぞれが
大都市で、商業集積をたっぷり持っておりますし、特に柏市は、渋谷になぞらえたような形でもって、今非常に駅前を初め町全体が活気を帯びる形で商業集積が行われているわけであります。
同じ形のものが、三十分で
東京、後ろは、バックは柏市、これでは何のためにまちづくりをするか、駅前をつくるかというと、ただそこを通過する、通勤のためのまちづくり、駅前づくりになってしまうんじゃないか、だから、本来、人が飽きない、どこにもあるような形のものではなくて、個性のある
市街地づくりをするために里山を十二分に使ったらいいだろうと言いましたら、まずそれじゃ
事業採算が合わないんじゃないか、特に地主の理解を得られないんじゃないかというような話があちこちで出ました。
しかし、
日本の
土地というのは、御承知のようにどんどん今下がっておりまして、そういう中で、やはりもう
土地にすがりついて、
土地を資産として考える時代じゃありません。もう資源として有効に使わなきゃならぬということが、個人から企業、そしてまた国の運営についてもそういうことが言えるわけでありますから、今までどおりのような
土地の考え方で、高層、容積率を上げてビルをつくって駅前再
開発をしましても、それほどの価値あるものとは思わぬし、
東京に逃げてしまう、柏に逃げてしまうわけでありますから、それならば、個性のある形の駅前というものを、里山を売る、若干駅前に田んぼがあるというのはおかしいかもしれませんけれども、そういった中にあっていいんじゃないか。それも木造の、ログハウスのような形の木造の駅前でもあっていいんじゃないか。ですから、低層で、自然もあふれる、そういう形にすれば、これは全国から駅前に、
市街地の中に、あるいはトンボをとりに来る駅前かもしれませんし、そういったものが本当はあってしかるべきであり、それが個性だろうというふうに思うわけでありますが、そういった形をひとつお考えになったらということで市当局や何かにさんざん言っているんですが、やはり採算、採算のとり方の考え方が全然違うわけですね、官と民では。
ですから、この辺は、やはりどうしても、考え方というものを、国が、いろいろな
意味でもって、ただ政策をつくるだけではなくて、これだけ個性ということを言っているわけですから、やはりきちっとした形でもって
地方自治体を指導していく必要があるんじゃないか。
確かに、
地方分権に向かっていろいろな道具、私が
国会に出ましてからでも、
国土交通省、
建設省時代からすばらしいくらい道具はつくりました。そして
地方におろしてきました。残念ながら、おろした道具は地元でもって自治体が使うことができないのです。使ったことがないですから。また、使ったことがあっても、いろいろやっていきますと、この道具を使う人手の
不足、人というよりも人材ですね、人じゃなくて人材、今度はそれを動かすだけの人材がいない。これが大変ネックになっているわけであります。
そういう中で、やはり一方で組み合わせ、そういったデジタルとアナログ、あるいは里山と旧
市街地とか、いろいろな形でもってまちづくりを進めるという一方において、やはりスピードということが非常に要求されてくる時代です。
経済もそうでありますけれども、まちづくりもスピードなんです。
ところが、なかなかこのスピード感というのは、先ほど、午前中、民主党の
古賀先生からお話がございましたけれども、上海の浦東の
開発問題がありました。非常にスピード感を持ってやっておられる。私も何回か見ましたけれども、そのとおりだと思います。しかし、これには国の事情が違う。
まず、我々
日本は民主主義。一人でも反対があれば何もできないというような美濃部都政からのそういう時代のあれを踏んできた。ですから、その根には、民主主義というあるいは多数決という、そういった原理の中で、制度の中でまちづくりをしてきた国と、共産あるいは社会主義という形の中で、号令一発どうにでもなる、その社会主義の中に資本主義を組み入れている
経済ですから、これは何をやったって速い、スピードが。
ですから、このスピード、これを上げるために、ではどうしたらいいかといいますと、やはり、戦後五十年間、いわゆる
日本の
都市づくりの中には私の利益と公の利益、これの
調整を
日本はほとんどやってこなかった。ですからこの弊害がずっと出てきた。一口で言いますと、これは、民主主義の国だから、反対があったならば、なるべく、これはやらないよ、先送りをするよ、そういう形で、道路にしろ空港にしろそうなんです。私どもの県にある成田空港なんて最たるものですね。ですから、収用法ができて収用をかけられるんですけれども、収用
委員会がもう十三年間やって、できない。先般、収用法を成立させていただきましたけれども、それでもなかなかできない。
では、こういった形の中で、もしまちづくりをするためには何をしたらいいかというと、やはりイギリスで行われているような緩やかな私権の制限、それぞれ持っている権限、これを少し制限しなけりゃ、特にこの
東京、大阪なんという
大都市はなかなか
再生ができないんじゃないか。いろいろな
法律はできます。容積率、あるいはいろいろな形のものが今回の政策の中でも披露されておりますけれども、緩やかな私権制限というものをきちっととらえられないとなかなか難しいのではないかというような気がいたします。
そこで、第一点目、副
大臣にお伺いしたいのは、こういった、今までは官が予算主義でもって一年間、単年度予算で組んだ予算の中で、どちらかというと、ゆっくりではないのでしょうけれども、ペース的にはそれほどスピードはかからなくてもやってこられたのですが、今後はきちっとそういったスピードのある、私権制限まで踏み込むような形、憲法に抵触するかもしれませんけれども、そういった形のものに持っていかないとだめだろう。先ほど
扇大臣が、
国民の意思、その考え方も大事だということをおっしゃっておりましたけれども、そういった考え方に立ってひとつ御
質問したいと思いますので、いかがなものでしょうか。