○今川
委員 もう余り時間がなくなってまいりましたので、一言だけその点に関しては申し上げておきたいと思うんです。
この問題は、
日本国憲法とのかかわり、あるいは創設以来、
自衛隊の専守防衛という基本的な原則があると思うんですね。そこをあえて、
テロ撲滅という大義名分を立てて踏み込んでいった以上は、やはり明確な撤収の基準、まさしく小泉首相がおっしゃるとおり、
アメリカがどうであれ、他国がどうであれ、
日本自体の総合的な
情勢判断に基づいて、主体的に、撤退するときには撤退するというものがはっきりしていなければ、国民を納得させることはできないと思いますよ。
さて、もうあと何分かしかありませんので、もう少しお伺いしておきたいと思います。
実は、
インド洋方面から佐世保には数隻の
自衛艦がもう戻ってまいりました。やっと隊員たちも解放されまして、そうした生の声をできるだけ聞きたいということで、私もいろいろと声を聞いてみましたが、そのすべてをきょうちょっと
紹介できませんけれども、こういうところがあるんですね。
インド洋では、当初
補給港がムンバイだったので比較的安全だった。しかし、インドと
日本には地位協定がないので、自由に上陸や外出はできなかった。
外務省の手配で観光見物ができたのが唯一の慰めだった。そういうことを言っている隊員もおりますし、次いで、バーレーンに
補給拠点を移したが、同じく地位協定がないので、停泊中の上陸はできても外出はできない。まあ、それでも遊びに行くやつはいたけどね。それから、遠洋航海や練習航海では、洋上にいるのは通常長くても一週間程度なんだけれども、今回は実に長
期間で、しかも長期の航海をするように
護衛艦はできていない。もともと専守防衛だったんじゃないのか。そういう設計になっているはずだよ。それでも
自分たちはよく頑張ったと思う。また行きたいとは思わない。いろいろな声が聞こえてくるのであります。
そこで、
中谷長官、これはどちらになるんですかな。例えばパキスタンのカラチであるとかインドのムンバイであるとかアラブ首長国連邦のドバイであるとか、いわゆる
インド洋の沿岸諸国に立ち寄るときに、当然地位協定などは結んでいませんので、例えば
派遣された隊員の側からしますと、食料とか燃料の
補給、あるいは、やはりたまには上陸をして飲み食いしたいと思うけれども、
治安状況によっては、そこの当事国の警察が守ってくれるわけでもない。非常に不安定な中で
派遣をされているというふうに私は聞こえてくるわけですね。そこら辺を
政府としては、今回の
派遣に当たってどの程度のことを考えておられたのか、
説明ください。