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樋高委員 自由党の
樋高剛でございます。
きょうも
質疑の時間をいただきまして、ありがとうございました。きょうは、ライフワークであります食の安全の問題につきまして議論をさせていただきたいと思います。
まず、昨今の
食品の
安全性をめぐっては、信頼を根底から崩壊させる事件が相次いでおります。
安全性に対する不信感が高まっているどころか、
食品行政への国民の信頼はもはや地に落ちていると言っても過言ではないと思います。
食品の偽装表示、無認可の添加物使用など、連日のようにテレビ、新聞等で報道がされております。
厚生労働省の責任は重いというふうに申し上げたい。一刻も早く信頼を取り戻して、食の安全を確立しなくてはいけない、緊急事態であるというふうに思います。
つい先日、十七日でありますけれ
ども、農水省さんから発表されましたが、
中国産の
冷凍ホウレンソウ、
食品衛生法の
基準値〇・〇一ppmの百八十倍に達する、十八倍じゃなくて百八十倍です、に達する
残留農薬のクロルピリホスが検出された、
中国産の
冷凍ホウレンソウに高濃度の
残留農薬が検出される
ケースは、今春以降たった二、三カ月で六十一件に及んだと。この六十一件というのは大変な数字なんです。わかっているだけで六十一件、
検査漏れなどを
考えますと
実態はその何倍あるかわからない、とても怖いことに今直面している、数え上げたら切りがないというふうに思います。
また、厚労省では、この件に関してコメントを出しております、長期間にわたり継続的に摂取しなければ健康に影響はないんだと。こんないいかげんなことを言っているからだめなんです。逆に、長期間にわたって継続的に食べていらっしゃった方も私は中にはいらっしゃるんじゃないかと思うんです。例えば、家庭の主婦が、子供たちの健やかな成長を願って、やはり
ホウレンソウ、いろいろないい成分も含まれていますから、スーパーで買ってきてお弁当に毎日おかずの
一つとして入れる、それを長期間続けてこられたお母さんも私は中にいらっしゃると思います。また、私自身も、ポパイのように強くなりたいという思いがあるものですから、
ホウレンソウはよく食べていますよ。たくさん食べてしまいましたよ。そういった気持ちをどう思うのか。やはりそういったことをしっかり
考えていかなくちゃいけないというふうに思います。
やはり今、
行政に緊張感が足りない、とても感じられないと断言申し上げたい。こんなことでいいのかと思わざるを得ないのが正直なところであります。消費者重視への
行政の転換、これはもう昔から言われている話ですけれ
ども、一向になされていない。
それと同時に、今回さまざま
考えさせられましたのは、業界のモラルの荒廃の問題も
指摘をしておきたいと思います。いわゆる値段と見た目が優先で、安くて形がよければよいというものではなくて、やはり安全で安心して食べられる
食品を供給する責務が企業にもある、いわゆる効率や利益の追求主義から、いわゆる安全第一主義へと転換をしていかなくてはならない。また、そういった企業を指導するのも実は
役所なんですよ。だから、
役所にも責任がある、大変な重要な問題であると私は思うんです。
また、
役所自身の体質も問題である。いわゆるお上の体質を一掃しなくてはいけない、いわゆる政官業の癒着体質、長年の業界と政官のもたれ合い構造にくさびを打たなくてはならないと
考えます。今後、新しい基本法をつくったり、いろいろな新しい
行政機関をつくったり、そういうことだけ聞けば何かすばらしいことをするような感じがしますけれ
ども、この
役所の体質が変わらない限り、どんな形をつくったって、どんな
法律をつくったって、
意味ないんですよ。やはり中身が問題であるというふうに申し上げたいと思います。
大臣にまず冒頭総論としてお伺いいたしたいのでありますけれ
ども、やはり
行政のていたらくを示す例、次々起こっています。例えば、塩の固結防止剤として使われながら
国内では
食品衛生法で認められていないいわゆる添加物、フェロシアン化合物を含むいわゆる
輸入加工食品が大量に流通している可能性が高いことが十一日わかった。これは、小売店、いわゆる店先に、たくさんの、大半の
食品にはこれが混入されているということで、これを
厚生労働省は、後手後手の施策、後追いで指定添加物として急遽認可をする、今まで認められていなかったものが、もう既に市場に出回っているからという理由で後からそれを認可する、そんなのおかしいじゃないか。いわゆる超法規的
措置をとることによって、いわゆる
食品衛生法の不備をみずから認めたことにほかならないんじゃないか。
また、いわゆる協和香料化学、もしくはいわゆるダスキンさんの、ミスタードーナツさんの問題がありますけれ
ども、これは、
食品衛生法に基づいて、
違反だということで
厚生労働省は取り締まる方、規制をする方の立場であるにもかかわらず、こういったことをすることによって
行政のいわゆる強制力にも影響を及ぼすんではないかというふうに思うわけであります。いわゆるパニックを起こすという理由で
厚生労働省がこんな後手後手のいいかげんな対応をとることによって、ますます社会は混乱をしているんではないか、まさしく
国内の規制が
意味をなさないということをみずから認めてしまっているということにつながっていくんではないかというふうに私は思います。そもそも、これまでの流れを無視して特定の化合物の認可をしなければならなくなるまで事態を把握できなかった厚労省の責任は重いというふうに思います。
また、国際的にも
安全性が確認されているにもかかわらず
国内では使えない約三十の添加物があると言われておりますけれ
ども、これを、また、これも既に流通しているかもしれないというおそれ、これからパニックが起こるかもしれないということを
考えて急遽認可をする、いわゆるこういったなし崩し体質が問題であるというふうに思います。
それから、同じような
事例で、体質の問題、カドミウム米の問題です。いわゆる米に含まれておりますカドミウムの影響を
調査した厚労省の研究班が、低濃度、〇・四ppm未満のカドミウム米でも腎臓に悪影響を及ぼす可能性があるというデータがあるにもかかわらず、害がある証拠はないという結論をつけてこれにふたをしてしまっているんです。カドミウム以外の元素が
原因である可能性を排除できないという理由なんだそうであります。いわゆる
専門家からは、カドミウムの影響を示すデータを曲解していると批判もありますけれ
ども、害を及ぼしているという確証が得られないということでそのままに放置をしている体質が問題である、まことに情けない隠ぺい体質であるというふうに私は冒頭申し上げておきたいと思います。
ここまで来てしまいますと、消費者にとってみれば、
食品の安全に関してまだほかにも何か隠していることがあるんではないかと疑ってしまうどころか、まだまだほかにもたくさんあるんだろうなと大部分の方は思ってしまう、それも不思議ではないんではないでしょうか。
大臣、いかが思いますか。