○土肥
委員 民主党の土肥隆一でございます。
きょうは、
血液事業に絞って質問したいと思っております。
昭和三十一年、一九五六年六月決められました
採血及び
供血あつ
せん業取締法というのができたわけでございまして、すさまじい名前だというふうに思うのであります。当時の世相をあらわしているのでございましょう。売血が横行している中でさまざまな
血液が利用される、そういう
状況を勘案して、
政府も、
献血の
推進でありますとか、特に一九七五年はWHOの
血液及び
血液製剤に関する決議がありまして、いよいよ検討を迫られるという
状況でございました。
そして、いろいろとございますけれども、
平成元年になりまして、一九八九年九月でありますけれども、新
血液事業
推進検討
委員会が第一次報告を出しております。少し時間がかかり過ぎたんじゃないかなと。その間にエイズの問題もございました、薬害エイズの問題もございました。そして、さまざまな、厚生省、今で言う
厚生労働省絡みのヤコブ病でありますとか、そういうものも出てまいりました。
歴史は変わりまして、二〇〇〇年になりまして、中央薬事審議会が制度
改正特別部会をつくりまして、
報告書を出しました。それに基づいて今回の大幅なこの
血液事業に関する
法律の
改正が行われたわけでございます。
この
法案を見てまいりますと、なかなか画期的な
法案だと私も思います。それはそれで評価しながら、いろいろと問題点が残っているのではないかというふうに考えまして、きょうはその点について申し上げたいと思うのであります。
今回の
薬事法及び
採血及び
供血あつ
せん業取締法の一部を
改正する
法律案は、要するに、
血液にかかわるもの、
血液製剤も含めて、
国内自給を図ろうということでございまして、この
国内自給という四文字が光っております。
しかし、果たしてできるのかなという、このことを考えますときに、例えば、第三条で、
血液製剤の
献血による
国内自給の
達成ということになっております。
献血による
国内自給の
達成。
献血であります。
採血でもなければ売血でもない、
献血。ということは、
国民が本当に心からいい仕事だと、特に
血液の問題については
国民全体で維持していこうという、大変これは崇高な動機がなければできないわけでございます。そこで、四条では、
献血による
国内自給の
達成をしっかりと
基本理念にのっとってやると。あるいは、九条では、
基本理念として
献血による
国内自給を
達成するんだということでございまして、意気込みは大変結構でございます。
じゃ、この
献血を一手に引き受ける事業者はだれであるかというと、日本赤十字社でございます。この一社にすべて寄りかかってやらざるを得ない
基本理念であり、目的であり、国の責務であるわけであります。
一体、日本の
献血状態がどうなっているかということを少しデータで見ますと、
厚生労働省がつくってくれました「
献血者数及び
献血量の推移」というのを見てまいりますと、昭和六十年をピークにいたしまして、どんどん減っているわけですね。ピーク時で、これは千単位ですから二百万ですか、リッターを超えていたんですけれども、今では百五十万リッターまで落ちております。しかも、二百ミリリッター
献血者数から四百ミリに切りかえましたから、四百ミリ依存が非常にふえておりますね。それから、
成分採血というのもいたしまして、これは
供血側、
国民の側は比較的楽な分でございますから、
成分採血も相当ふえております。
最も興味を引くのは、過去五年にわたって
献血の経験のある人は、六十四歳から六十九歳まで
採血してよろしいということになったわけですね。私も
採血しなきゃいけない、こう思っておりますが。
とにかく、いろいろな手を使ってやらなきゃいけないこの
献血、
採血事業というのは、これはなかなか大変なことだなというふうに思うのであります。国の理想はいいです。それを追っかけるこの
採血側の苦労を少し考えないと、とてもじゃないけれども完全
国内自給というのは難しいんじゃないかというのが、私の基本的な視点でございます。
そういうことを考えてまいりますと、なるべく我々はもう国がかりでやらなきゃいけないこの
採血事業でありますから、私ども、この
採血事業者であります日赤をどう認識するかということだろうというふうに思っております。
そうした中で、今回
法改正が行われたわけでありますけれども、その崇高な
国内自給の目的と、それから、現実の
採血事業者との間の問題点、あるいはその詰めといいましょうか、これを
達成するにはどうしたらいいかというふうな事業者とのいわば合意というものがどの程度できているのか、まずお聞きしたいと思います。