○
坂口国務大臣 抜本改革につきましては、何をどう
改革していくかというと、さまざまな
問題点があるというふうに私は思っております。
昨年の末から、与党内でもいろいろと御
議論をいただきまして決定をしていただきましたのは、一つは、五千を超えます保険者をこのままにしておいていいのか。非常に
財政的に厳しくなりました。本当に小さな保険者も多いわけでございますし、そしてまた、市町村におきましては、非常に人口の少ない、そして高齢化をしたところもあるわけでございますので、そうした問題を
解決いたしますために、この保険の統合、一元化、なかなか一元化までいきますのには時間がかかると思いますけれども、まず、いわゆる統合化というものを
方向性を示していかなければならないだろうというふうに思っております。それが一つ。
そしてもう一つは、何と申しましても、
医療の中心でございます
診療報酬のあり方、この
診療報酬のあり方が現在の日本の
医療の姿を決定していると言っても過言ではないというふうに私は思っております。
この
診療報酬の中身、これはもう本当に細かく決められておりますから、もう東京都の電話帳ぐらい厚さがあるわけでございますので、我々、これを見ましても、なぜこれが高いのか、なぜこれが低いのかということがなかなかわからない。したがいまして、この
診療報酬のあり方につきましては、何が基準になってこれが成り立っているのか、その基準をやはりもう少し明確にして、どの人から見ていただいても、なるほど、これはそういう基準で高くなっているのか、低くなっているのかということがわかるようにしていかなければいけないと私は思っております。
そういう意味で、基準を幾つか、それが二つなのか三つなのかわかりませんけれども、基準を明確化していきまして、そうして専門家の
皆さん方にも、あるいはまた
国民の
皆さん方からも御
理解を得られやすいような
診療報酬体系にすべきだというふうに思っております。
この
診療報酬体系を上げたり下げたりすることによって
医療の内容を調整していく、すなわち
医療財政を調整していくというのは、これは私は、余りここではやってはいけないことではないか。上げたり下げたり、点数の調整によって
医療の中身を調整していく、
医療財政を調整していくというのは、少し私は問題がある。それよりも、ここはもうだれから見られても明確な
制度にしていく、物差しにしていく、そうしたことが必要であって、そこのところを、
皆さん方の御
意見も
伺いながら、これは
議論を重ねて、そして今年中に決着をつけなければならないと思っているところでございます。
先ほどお触れになりました一番大きい問題は、
高齢者の
医療制度をどうするかということだと思いますが、この点につきましては、もうかなり
議論は尽くされているというふうに思っております。あとは、どれを選択するかという、その決断の問題ではないかというふうに思います。
自社さ政権のときにも非常に具体的にいろいろの検討をしていただいておりますことを私は拝見をいたしております。それ以後もいろいろの検討をしていただいておりますしいたしますから、
議論は、かなりここは尽くされている。あとはどう選択するかの問題であり、そしてこれは、税制上あるいは
財政上の問題等も絡めてどう決断をするかということにかかってきていると思っておりまして、そうした今までの
議論を踏まえながら、どう決断をするかということを、早くレールに乗せなければならないと思っているところでございます。
これら三つの基本的な大きな柱を中心にいたしまして、そのほか、
厚生労働省のかかわりのところで、例えば年金、
医療、
介護、雇用といったところの保険の徴収の一元化をどう進めていくか、あるいはまた、保険の徴収だけではなくて、
社会保険病院やあるいは
社会保険庁のあり方、そうしたことにつきましても、ここで
国民の
皆さん方から、厚生省
自身もやはり血を流しながらやっているなということがわかっていただけるようにしなければならないと思っているわけでございまして、こうした問題は、ことしの八月をめどにいたしまして、これは先に決着をつけたい、そんなふうに思っている次第でございます。
そうしたところを中心にいたしまして、御
議論をいただきたいと思っているところでございます。