○
鍵田委員 大変現場に足をつけた、非常に具体的な
介護の問題の質問に聞きほれておりましたけれども、一転して、雇用問題についての御議論をさせていただきたいと思っております。きょうは一般
質疑でございますので、話題がころっと変わりますこと、お許しをいただきたいと思います。
本年度のいわゆる春闘と言われる闘争、私も、昭和三十年にこの春闘という言葉ができまして以来、これに参加をしてまいりました。好不況いろいろありましたけれども、ことしほど厳しい内容の春闘というものは経験したことがございません。大変厳しい環境下でございますが、こういう形になりましたのも、現在の大変厳しい雇用
状況がそういうふうにさせておるのではなかろうかと思っております。そして、今もまだ未解決のままで、この大型連休を越して五月までなだれ込もうというようなところもたくさんあるわけでございます。
ただ、二月の失業率が若干
改善されたというふうな数字の発表がございました。五・三%ということ。三月危機も乗り越えた、そして五・三%と失業率も若干
改善されたという見方もできるわけでありますが、中身を見ますと、そんなに甘くないのではないかなというふうに今思っておるわけでございます。
中身を見ますと、自発的失業というのがやはり減ってきておりまして、いわゆる求職者が減ってきておる。そしてその反面、非自発的失業というのは相変わらずやはり対前年比、大幅に伸びておるということは、もう仕事を探そうとしてもない、だからもう仕事を探すのはあきらめようという人が随分ふえてきた、しかし企業のリストラなどによりまして失業するという人は随分ふえてきておる、こういう
状況が相変わらず続いておるわけであります。また、非常に経済の
状況が悪い地域、従来から失業率の非常に高い地域では、やはり同じような推移を現在も続けておる、こういう
状況でございまして、雇用者数そのものが連続して減少をしてきておる、こういう
状況でございます。
実は、私が住んでおります奈良県奈良市という中核的な都市があるわけでございますが、大体その市の
人口に匹敵するぐらいの人が毎月失業者の群に入ってくる。そういう
状況にあるわけでありますから、大変これは深刻でございまして、そういう中でも、世帯を持ってその一家の
生活を支えておる人たちというものが非常に多いわけでありますし、失業そのものも長期化しておる、こういう
状況が続いておるわけでございます。
しかし、そこで質問なんですけれども、
政府の方針、特に小泉内閣になりましてからは、骨太の方針というものが出てまいりました。本当は骨太なんというのは、形容詞は第三者がつけるので、自分から言うのはちょっと私はおかしいんではないかという気もしないでもないんですが、どうも小泉内閣では、骨太、こう言っておるんですが、これの中に、サービス分野での雇用機会の創出ということで、五百三十万人の雇用の創出ということを言われておるわけでございます。
しかし、この中心は、ほとんどがサービスということで、例えば、個人向け・家庭向けサービスの増で百九十五万人とか、
社会人向け教育サービスが二十万人とか、企業・
団体向けサービスが九十万人、中古住宅関連サービスが五十五万人、こういうものをずっと足してきますと五百三十万人ということになっておるわけでございます。
政府としましては、五年後にこれだけの雇用が創出されるという推定をされておるんですが、単なる推定や願望のような気がしてならないわけでございます。
過去にも、緊急の雇用創出ということで、百万人とか百二十万人とかという目標を何回か立てられたことがあったわけでありますけれども、終わってみますと、ほとんど効果が上がらないままで、いや、さらに深刻な失業
状況が出てきたから、それは結果として達成されなかったということなのかわかりませんけれども、
現実には、余り、それの検証というものが十分されておらなかった、こういうことがあるわけでございます。
この五百三十万人の雇用創出ということになりますと、やはり、自発的な能力開発の支援でありますとか、派遣や有期雇用、裁量労働、フレックス就業などの多様な就労形態を選択するとか、キャリアカウンセリングの
充実や職業
紹介の円滑化、性別や年齢にかかわらず働ける環境の整備というふうなことが列挙されておるわけでございますけれども、ぱらぱらといろいろなことは言われておりますけれども、では、五百三十万人の雇用をつくるんだ、そういう具体的な方針がどうも
厚生労働省の方からも見えてこないし、また、こういうことをやっていこうとすると、
厚生労働省だけではなかなかできない部分があるわけでありまして、他の省庁のいろいろな協力がなければいけないわけでございます。
それを
厚生労働省がまた取りまとめて、そして五百三十万人の雇用をつくっていくんだという取り組みが必要なわけでございますけれども、実際に、そういう取り組みをどのようにされておるのか、そして五年間でこれだけの人数の雇用が本当にできるのかどうか、その辺につきまして、
大臣の方からひとつお答えをいただければというふうに思っております。
〔
委員長退席、
鴨下委員長代理着席〕