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金子(哲)
分科員 ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。
それでは、早速本題に入りたいと思いますけれども、今
厚生労働省の中でも、パートタイム労働者の問題について研究会も持たれて、そして最終報告も出たというふうに伺っております。全般的にパートの労働者がふえ、この問題が重要な検討課題になっているということは、私もそういうこと、国会の中にも議員懇談会ができまして、私もそのメンバーの一人になっておりますけれども、きょうは、そのパート労働者の中でも、
大学の非常勤講師の問題について、特に絞りましてお伺いをさせていただきたいと思います。
ちょっと
大学の非常勤講師の
実態について少し最初にお話をさせていただきたいと思いますけれども、非常勤講師というのは大体一年の契約ということになっているということを聞いておりますし、授業のみを何こまか担当するパートの
大学の教員というふうに考えていいというふうに言われておりますが、今何こまという話をしましたけれども、一こまは、週一回行われる授業で大体九十分間の担当をするということになっているようであります。
大学非常勤講師といってもさまざまな形態がありまして、第一には、
大学の専任教員が自分の
大学以外で非常勤講師をするような場合、それから弁護士さんとか公認
会計士、医者、マスコミの
関係者などが非常勤講師をする場合、それから専任の教員であった人が退職後にかつての本務校で非常勤講師をする場合、そしてもう一つ、きょうこれからお話をしたいのは、実際には本務校というかきちっとした学校を持たずに、主として生活の糧を非常勤講師としての収入から得ているような場合。つまり、この四番、今最後に言いました、本務校はなくて主として講師のみで生活の糧としていらっしゃる方、こういう人たちを専業非常勤講師、こういうことで呼んでいるというふうに言われております。
実情はどうかといいますと、きょうは
文部科学省の方もお見えになっておりますけれども、九八年の調査によりますと、
大学の非常勤講師の総数は十三万三千八百六十九人、全教員に対して四七・八%という比率になる。そのうち、私が今言いました
大学の専業非常勤講師の総数は四万五千六十七人、これは
文部科学省の調査によっての数字と聞いておりますけれども、こういうことになっております。
ただ、非常勤講師といいましても、先ほど言いましたように、一つの学校に特定をして勤めているということでありませんから、複数の
大学をかけ持ちしているということが言われますから、これは実数を、もし把握されていればまた後ほどお教えいただきたいと思いますが、実際には把握できていなくて、ほぼ予想的に言えば、そういう非常勤講師をやられている人たちの中で言われているのは、実数二万人前後の人が専業非常勤講師として働いていらっしゃるのではないかというふうに言われております。
しかも、規模の大きい
私立大学では、授業の二四%ないし三四%が非常勤講師によって担当されていると。ある首都圏の
私立大学では、非常勤講師の数が専任教員の数を大きく上回って、授業の五〇%以上をこのような非常勤講師が担当している
大学も最近は珍しくなくなっているという
状況にあるというふうに言われております。
ところが、こういう
大学教育の中で、非常勤講師と今申し上げましたように、非常に重要な役割を果たしておりますけれども、そのいわば労働条件といいますか、そのようなものはどうかというと、非常に劣悪な待遇の中で働かされているという
状況があると思います。
一こま当たり、先ほど言いました、週一回やりまして、月に大体四週とすれば、四回出まして月額で大体どれぐらいかというと二万五千円、まあ九十分ということを考えれば高いか安いか、いろいろあると思いますけれども、年額にして三十万円前後だと。ですから、専任教師は週に五こまぐらいやられているようですから、それだけもし働いたとしても年に百五十万円前後という条件になっているということです。大体、専任教員の年収は八百万から一千三百万円ということですから、非常勤講師の待遇は専任教員の七分の一の待遇の
実態にあるということでありますし、それから、重要なことは、
雇用保険等にかかわる問題について、この非常勤講師というのは全く今その待遇が行われていないということであります。
もちろん、
大学の講師の場合には、ほとんどの場合、専任教師用の研究費、図書費、出張費等々もありますけれども、非常勤講師の場合には、その専任教員の大体十分の一ぐらいという、極めて差別的な待遇で働いているということであります。
特に、先ほど申し上げましたように、
大学の専業非常勤の講師が、本来はパート労働者でも保障されている共済組合とかそれから社会
保険への加入がほとんど認められていないというか、
実態上、そういう
実態になっていないということになっております。
ですから、そういうこと、場合によれば、これは
大学ではありませんが、中学校、高校の非常勤講師の場合はもっとたくさんのこま数を持って担当をしているというようなこともありますし、そういうことの
状況の中で、先ほど言いましたように、パートの労働者の問題として今研究会も行われておりますが、これからこの専業の非常勤講師の、特に年金問題などについて具体的に少しお伺いをしたいというふうに思います。
まず、わかればお教えをいただきたいと思いますけれども、専業の非常勤講師が、これは私学共済は
厚生労働省の直接の担当ではなくて
文部科学省の担当ということになりますけれども、それからまたは、例えば厚生年金などの社会
保険、こういったものに加入を認めている
大学、つまりは、
事業主が
負担をしなきゃいけないという問題もありますから、そういった講師の数とかをどれぐらいというふうに、調査とかそういうことがもしおわかりであれば、
厚生労働省でも結構ですし
文部科学省でも結構ですけれども、お答えをいただければと思います。