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西村分科員 ぜひ今まで行ってきた経緯と北朝鮮の姿勢を点検して、今後そのような同じことをまた漫然と繰り返すのかどうかを御判断いただきたい。私の判断では、拉致された日本人の御家族の心痛を思いますならば、漫然と同じやり方を繰り返すことは、政府の不作為による拉致された家族の苦痛の増大にしかなり得ないというふうに
認識しております。
さて、次の
質問に移りますが、小泉総理は朝銀、朝鮮銀行信用組合ですね、朝銀の問題は日本の金融機関の問題であって日朝問題とは別だという
認識を語られたことがございます。しかし、これは日本国内だけの思い込みであって、相手がいるわけですから、相手はどう考えているかということをこれから私調べた範囲で御
説明しながら、政府の見解をお伺いしたいと思います。
産経新聞四月四日付は、一面トップで、金融庁が公的資金を投入する破綻した朝銀の受け皿銀行は、朝鮮総連との
関係が切断されたものであるという前提が実は翻されているという事実を報道したわけでございます。すなわち、ハナ信用組合、未来信用組合、兵庫ひまわり信用組合、京滋信用組合の理
事長らが、朝鮮
労働党の指示のもと、日本国内で非公然活動を展開する学習組の構成員であったということを報道いたしました。
それから一九九九年の四月二十日、金正日氏は、徐萬述総連第一副議長、現議長でございますね、秘密指示を与えた、このように伝わっております。どういう指示かといいますと、総連は父なる首領様の貴重な革命遺産である、我々はどのような方法と手段を使っても総連を無条件に死守し存続をさせなければなりません、このように徐萬述現総連議長に指示したと伝わっておるわけでございます。
それで、写しを配付させていただいておりますが、朝鮮商工新聞と称する書面、一面と最終面は日本語でございますが、肝心な中の部分はハングルで書かれております。このハングルで書かれておる部分が、今から御
説明申し上げることでございます。
御承知のとおり、受け皿銀行四つが三月末に設立されまして、三月二十六日、東京・上野にある朝鮮商工会館で在日朝鮮人商工連合会理事会拡大会議が開催されました。朝鮮語で書かれておるのは、まさにその理事会における事業報告でございます。この会議は、今申し上げた徐萬述総連議長、梁守政副議長等の総連
最高幹部が出席した上でなされている会議でございます。
これを四月二日付朝鮮商工新聞が報道しておりますが、まさに金融庁が我が日本国民に対して
説明している
内容に対する全面的挑戦の方針が堂々と語られているわけでございます。斜線の部分を日本語に訳して朗読いたしますと、こういう
内容でございます。
我々の愛国的同胞商工人たちは、状態が
幾ら困難で複雑であっても、敬愛する将軍様のもとに全人民がかたく団結する祖国があり、総連組織に一心団結して闘争すれば必ず勝つというかたい信念と意志のもとにあらゆる障害と難関を克服していきました。 その結果、日本における民族金融機関をなくしてしまおうという内外反動の悪らつな企図を粉砕し、三月十七日に大阪、和歌山、奈良の「未来」、「兵庫ひまわり」、京都、滋賀の「京滋」信用組合が、翌日には関東信越の一都八県を網羅する「ハナ信用組合」がついに創立総会を迎え、新しい出発をすることになりました。 今、日本当局は、我々の信用組合と総連の間にくさびを打ち込もうとして干渉し圧力を加えてきています。新組合の「定款付記」は、言うまでもなくその産物です。組合に対する日本当局の不当な「要求」について、同胞と商工人の中で反発する声が高まっています。同胞社会の
実態、そして商工団体が歩んできた半世紀の歴史を冷静に見れば、総連組織と切り離して考えることはできず、総連組織のもとに団結して初めて同胞社会を守ることができ、商工団体を強化発展させ
企業権も固守していけるということは明確です。新信用組合も、総連の大衆的地盤と同胞商工人の愛国的情熱にかたく依拠して初めて発展できるのです
概略このような要点が記された会議録でございます。
つまり、もうおわかりのとおり、日本国政府が日本国民に
説明している
内容と、公的資金を既に受け取って、かつこれから受け取ろうとする団体が
認識している
内容は、全然違うわけでございます。したがって、私が今読んだ
内容からするならば、朝銀は日本の金融機関の問題であり、日朝
関係とは
関係ないという前提が崩れるわけでございます。
政府はこれでも朝銀に公的資金を投入できるのかどうか、これをお伺いするわけですが、もう一つ材料がございます。今会議録を読みました商工連副理
事長朴忠佑がハナ信用組合設立発起人代表になっております。この事実もまたつけ加えさせていただきます。常に金を受け取る相手は、朝鮮語で書いておりますけれ
ども、朝鮮総連と朝銀、新しくできた朝銀も
関係が切断されているということは全く考えていない。
商工新聞の日本語で書いている最後のページの「ふらち」という取材余話を見ますと、商工連会長梁守政、先ほど挙げましたお名前の方ですが、会長です。日本当局があれこれ言っているが、理解しがたい点がある。これは日本語で書いてある。題名は「ふらち」。日本当局が新しい受け皿銀行と総連の
関係があっては公的資金投入はできませんよと言っていることがふらちだと言って、コラムに書いておるわけですね。
さて、私が明確な御
答弁を期待しておるのは、日本の政府当局が国民に
説明している
内容と、朝鮮総連が新しい受け皿銀行に対して持っている
関係は天地の開きがある、これでも投入できるのかということでございます。