○
柳澤国務大臣 特別検査は、昨年の十月末に着手をいたしまして、本年の三月三十一日を
決算日とする
決算にその結果を反映させようということで
検査をしてきたわけでございます。
そして、それが四月の十二日でございましたか、その結果を私
ども発表をさせていただきましたが、そのときに、今
委員が仰せのとおり、私
どもは、この
特別検査によって生まれた
不良債権、
破綻懸念先以下の
債権については、鋭意このスケジュールをより明確にする。つまり、
最初の年には五割を見当にこの
処理をしてもらいたい、それから次の年にはその大宗を終えてもらいたい、めどとしては、いろいろ難しいものがあったとしても三割はやっていただきたい、二年たったら合計八割以上はやってもらいたい、こんなことを申し上げて、
大手行が
対象ですけれ
ども、これを要請いたすということを発表させていただいて、現にそのとおりにやらせていただいておる、こういうことでございます。
そういうことで、私
どもとしては、
不良債権のいわば
最終処理と申しましょうか、バランスシートから外すということの
作業日程を立てて、これを
銀行にやってもらうということでございまして、これについてはそのとおり行われることを期待しておる、こういうことでございます。
その上で、
委員が今おっしゃられたのは、
不良債権処理の全体像はどうか、こういうことでございますが、こういう
破綻懸念先以下まで落ちた
不良債権については、第一次的には、もちろん
引き当てをしっかりやって、
オフバランス化をするときに新たに巨額な損が
発生しないようにしておくということが第一ですが、同時に、
不良債権の中で比較的、
破綻懸念先以下まで行っていないのを、私
ども要
管理先ということでこれを開示しているわけでございますが、これについても従前に比べてより充実した
引き当てを行うというようなことで、いずれにしても、その
処理をきちっと的確に進めるということをいたしておるわけでございます。
その結果と言うのもなんでございますけれ
ども、今回そういうことにかかる
費用として、七・七兆円というような、そういうかなり大きな損が
発生をし、これを計上した、こういうことでございます。損が多ければ
処理が進んでいるという言い方もちょっと変ですけれ
ども、
現実にはそういうことで
処理をすればその
費用がかかるという
意味では、これが大きいということは
不良債権の
処理が進捗しておるということを示していると申し上げてよかろうか、このように考えるところでございます。
新規の
発生についてはどんなふうな感じを持っているのか、こういうお尋ねが第三にあったかと思いますけれ
ども、これは、
特別検査による
不良債権のかなり大きな
金額での新たな
発生、それからまた要
管理先と区分しているカテゴリーの
不良債権もこれまた相当増嵩いたしておりますが、率直に言って、要
管理先のことについては、どちらかというと、
認識の基準をかなり厳格にしたという面があることも否定できないところでございます。しかし、総じて申しますと、やはり
経済環境の
悪化と景況の
悪化、それが
貸し出し企業の業況の
悪化というようなものにつながっておりまして、そういうことの結果、そのような要
管理先債権あるいは
破綻懸念先債権の増加につながっているということは言えようかと思うわけでございます。
ただ、ここで申さなければならないのは、一般には、
不良債権というのは
発生しないのが正常かというと、そうではありません。これは生きた
経済を相手にして
金融が行われている限り、計画がうまくいくだろうと思って貸したものでもなかなか計画どおりにいかないということもありますし、また、一般的な
経済の
悪化の影響を受けて、なかなか事業が経営者が考えるように順調にいかないというようなことで、ある程度
発生するということはもう当然の前提として考えなければいけない。ただ、その規模というか、そういうものを
一定のレベルに抑えられるような
状況を実現しなければいけないというのが、私
どもが
目的としているところでございます。
そういう
意味で、最近において、今申したような景況
悪化を背景にして少し
不良債権の増嵩がありますが、これはいずれ、
内閣府が発表している「改革と展望」が想定するような
経済の道行きをたどるならば、我々はこれを正常化していくことは可能である、このように考えているというところでございます。