○塩田
委員 私は小泉総理に対しても申し上げたんですが、入学あるいは卒業式で、校長と教頭がその式場に国旗を掲げる、何人かの教
職員が行ってそれを取り外す、生徒児童のいる前でそれを繰り返したというんですね。こんなことをしておって、いい教育ができるはずないですね。そのことを申し上げたんですが、そういう事例もある。
また、ある校長先生から聞いたんですが、もうやめられた方ですけれども、自分は国旗掲揚、国歌斉唱について何とか頑張って実施し
ようと思って、五年間、教頭と校長のときに頑張って実行したと言うんです。ところが、最後の定年退職する卒業式のときに、市の教育
委員会の指導課長なる者がやってきて、その校長さんに、あなた、最後だからこの国旗はおろしなさい、そして、三脚があるからどこかその辺に立てなさいと。本当に残念で仕方なかったけれども、教育
委員会の指導課長が来て言うんだから従わざるを得なかった、本当にそれがもう悔しくてなりませんということを言っておられました。直に私は聞いております。
それから、中には、国旗掲揚といいながら、生徒児童が講堂、式場に入る前は国旗を掲揚しないで、そして式場に全部入った段階で校庭に国旗を揚げる、そしてまた出てきたときも、その出てしまう前におろす、こういうことをやっておる例もあるということですね。そんな形のものが、一〇〇%実施という
ようなことで行われている。国歌斉唱にしましても、歌わないでピアノだけだとか、あるいは生徒児童が入る前にピアノの演奏をしてそれで終わりといったケースもあると聞いております。
そういった、学校、そして教育
委員会、文部科学省との間において、本当に実態がそのまま報告されていない。言うなら、うそを報告しているわけですね、学校の先生が。うそを言っちゃいけないということを教えながら、みずからはうそをついてそれを通してしまっているという実態があります。
それから、これはもう
大臣も既に御存じだと思いますが、東京都内のある区におきまして、余りにも先生が反米の
思想を生徒児童に教えるものだから、父兄がちょっとひど過ぎるじゃないですかと言ったところ、その先生が、その母親に対して誹謗中傷するビラをまいて、子供にも持って帰らせたということがあって、これがまた裁判になって判決が出ましたね。結局母親の方が勝ったわけですけれども、わずかとはいえ十何万かの損害賠償ということで終わった
ようですが、その先生は、いまだに自分が正しいんだ、憲法に従ってやっているんだから何が悪いんだと言って、裁判に負けてもその考え方は捨てていないで、堂々とその後も別のところに転勤してやっておられるという。その児童は学校におれなくなって転校せざるを得ない。こんな
事件も起こったことは御承知のとおりだと思うのです。
この種のものは各地に起こっております。余りにも偏向教育が行われているということで批判する父兄に対して非常な各種団体からの圧力がかかる、そういう例も聞いております。そして、学校崩壊と言われる
ような事態、悲しむべき事態が各地で起こっているということ。その象徴的なものは、校長先生を取り囲んで生徒が校長に土下座をさせる、こんなこともあったと聞きますし、それを学校の先生がとめもしないでというか、なぜそういうことを教えられる生徒がするのか、そこまでいっておるかということですね。
私
自身の
経験からいいましても、父兄会がありまして、子供の小学校のときですが、校長先生がいろいろな自分の考え方を述べておられたんですね。そうしますと、周りに学校の先生が、担任の先生を含めまして、父兄の座席のところに座っていまして、だれに言うともなく校長先生の悪口を盛んに言うんですね、校長先生がしゃべっておられるその間に。学校の先生がそういうことを父兄の前で、発言中にやっている。私は、これは非常にショックを受けました。
学校の教師と教えられる生徒児童というものは、これは本当に麗しい
関係で、一生忘れない
関係であって、そして、いわゆる学校の先生というのは聖職だと思うんですよね。物をつくるだけでもとうといことですけれども、物でなしに人をつくる、人格をつくる、子供たちの一生をつくる、それに大きな影響を与える。その先生が、校長先生に対して反抗することを教え、そして生徒児童の前で校長、教頭と一般の先生が争い合う。こういったことを目の前に見せて、いい教育ができるはずがない、子供と先生の間に心の通ったいい教育ができるはずがないと思うのです。
そういったことにつきまして、どういうふうに認識しておられるか。私は、決してこれが全部だとはもちろん言いません。大
部分の先生方は一生懸命、文部科学省の指導要領に従って、あるいは県教育
委員会、市の教育
委員会の指示に従って一生懸命まじめにやっておられる方は非常に多いということもよく知っておるわけです。本当に聖なる
仕事に打ち込んでおられる方が多いということはわかっておるのでございますが、一部に見られるそういった
状況、これは
日本の教育の危機というよりも、次代を担う
日本国民がどの
ような
人間に育っていくかということを考えますと、本当に重大なことだと思うのです。
これらについてどの
ように把握し、また
改革、正常化し
ようとしておられるか、お伺いいたします。