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小林(守)
委員 大丈夫ですか。ありがとうございました。そのつもりでいたものですから、配分がちょっと狂ってきまして。
リサイクルの義務化三品目についていろいろ今までも
議論がありました。それで、なぜ三品目なのかということをお聞きしたいと思うんですが、時間の配分も考えて、ちょっとまた逃してしまわないように。
フロンの回収・破壊について、特に
自動車の途上国への輸出車、これについては、
フロン回収・破壊の義務なんというのは、これは輸出しちゃえばどうにもならぬわけですよ。しかも、途上国は、CFC、クロロフルオロカーボンという、オゾン層破壊の強力な物質、なおかつ温暖化係数が、CFC12では一万六百倍ぐらいあるんですね。炭酸ガスに比べて一万六百倍も効果のある
フロンガスなんですよね、CFC12というのは。これを途上国ではまだつくっていいんですよ。国際協定でつくっていいんですよ。そういう状態にある。
日本でつくる
フロンガスと途上国でつくる
フロンガスは、温暖化の効果は全く同じですよね。
ということになると、やはりこれは
地球環境という
観点から考えるならば、温暖化防止という
地球環境的に考えるならば、それじゃこのまま輸出して、CFCをどんどん途上国で使って、
日本がかつてやってきたように、大気中への放出も当たり前にやらせておいていいのかという疑問がちょっとあります。
しかし、今日の世界経済システムからいって、これはどうにもならぬ。輸出国へ行って
フロンを回収してこなければ輸出できませんなんということはできませんよね、そんなことは。
しかし、幸いなことにというか、ようやく温暖化防止の京都議定書の中で京都メカニズムというのが導入されました。それで、途上国において、クリーン開発メカニズム、CDMですね、これを活用することによって、先進国の温暖化ガスの削減にカウントできるという
制度が取り入れられてきているわけなんですね。
要は、では、途上国へ輸出した車のCFCを、冷媒
フロンを
日本がそこで回収すれば
日本の温室効果ガスの削減としてカウントできるという、それは上限があるかもしれません、これからの話なんだと思いますが。一定程度、
日本の温室効果ガスの削減としてカウントできる。炭酸ガス一グラムを削減するよりも、
フロンガス一グラムを削減すると一万六百倍なんですよ。これだけ強烈な効果があると言ったら語弊がありますが、非常に効果の高い、また、これは大変なオゾン層の破壊物質でもあるんですね。
ただ、今度の温暖化京都議定書では、残念ながら、それは世界各国に
製造禁止、回収するのが当たり前だったので、もう既に当たり前になっているものだから、一生懸命、今、
フロン回収・破壊法をしてやっても、温暖化削減としてはカウントされないんです、CFCは。しかし、その代替
フロンであるHFCはカウントされます。
HFCは、大体、温暖化係数が千三百倍ぐらいと言われています。炭酸ガス一グラムに対してHFCの温暖化は千三百倍ぐらいありますから、これも、代替物質として、
日本もこれからどんどん使うということになってきているわけですし、途上国においても当然使われるということ。しかし途上国では、残念ながら、それは回収・破壊するなどというよりは、どんどん放出しちゃっているのが実態ではないかと思うんですよ。
それについて、
日本の温暖化対策の中で、
フロン回収・破壊対策を、海外にまで足を伸ばしていくというような形で、
日本の温暖化ガス削減にカウントできるような方策を、私は、
日本の何らかの
制度資金を活用しながら、例えば、余剰金でやれないのかなといったらちょっと無理ですね、とても無理な額のような感じなんですが、例えばODA、これを活用して、あるいは、
自工会なら
自工会の削減のカウントみたいにするような形で
自工会が
資金を出してやるとか、その方策はいろいろあると思うんですよ。
国が
排出権取引でCO2を買ってくるよりは、私は、そこへ金を投資して
フロンを回収・破壊した方がはるかに効率的だ、こんなふうに思えるのですけれ
ども、その辺についてどう検討されているか、状況についてお聞きしたいと思います。