○林(義)
委員 もう
一つ私は問題があると思いますのは、欧州で制裁金を、アメリカで刑事罰を科すような事件でありましても、
我が国では警告にとどまっています。こうしたような問題をどういうふうにこれからやっていくのか。
例えば、同じ事件が、
日本で商売をしてやったら警告だ、アメリカへ行ったら
罰金だ、ヨーロッパへ行って同じような商売をやったら、これは課徴金だ、そうすると、商売している人からするとおかしなことになってくる。特にヨーロッパの
企業が
日本に入ってきてやるような話になったら、簡単にできるから、これは
日本は楽だなという話になってくる。私は、国際的に、こういったような
ルールというのはやはり一緒にしておいた方がいいんじゃないかな、こう思います。そういったようなことで、これからどういうふうにしていくのかというのを考えていかなくちゃならない、こう思います。
もう時間もありませんから、さらに私はもう
一つ申し上げておきますが、
一般集中規制そのものについても、一体どうするのかというのは私はさらに考えていかなくちゃならない。今回は、この前、九年に
改正しましたときにできた
規制を若干残してあります。
大体、九条の
規制というのは、私はそのとき言っていたんですが、憲法九条の
改正と
独禁法の九条の
改正と同じことだと。九条の
改正はというような
意見があった。しかし、その九条に、
持ち株会社を設立してはならないという
規定は、戦後の
時代におきまして、財閥の解体を図っていこうと。アメリカの方から言われて、財閥の解体を図っていくという
意味においてこの
持ち株会社の設立を
禁止する、こういうふうな格好でできた話。そこを、
経済の
規模が大きな形、あるいは
集中がひどいという形で、この点だけ押さえればよろしいという形で九年のときにやったわけです。しかし、果たしてそれが今いいかどうかというような問題も私はあると思います。
これは基本問題でありますから、今回はその辺の
関係を若干修正しておられますけれ
ども、私はこの辺の問題を、大きく
経済が変わってきた、そういったことからもう一遍考え直していかなくちゃならない。
特にアジアの
関係で、非常な
経済的な交流が進んできている。ヨーロッパで通貨圏が、EUで通貨圏が
一つになっている。アジアでもいろいろな自由貿易地帯とか云々な話が出てきている。昨今は、シンガポールで自由貿易地帯をつくっていきましょうと、こういうふうな話です。
今度は、中国とやはり
日本が貿易をしていくときに、中国は中国だ、
日本は
日本だという話でなくなってくるだろうと思うんです、隣国との間に。そうしたときに、一体中国の方をどうするかということを考えていかなくちゃいけない。
中国は、かつては社会主義の国であった。したがって、みんな国営
企業でやっておったんです。そうではなくて自由
企業が随分ふえてきている。しかも中国でも、社会主義の国でありましたものが、今や
独占禁止法をつくっていこう、そういった形で
日本にも勉強に来たりヨーロッパにも勉強に行ったりしているわけです。
そういった
自由競争の体制をアジアにもつくっていく、こういうふうな話になったときに、一体この辺をどういうふうに考えていったらいいのかと。これからのやはり
考え方を私はやっていかなくちゃならぬ。
今すぐに系列を外すことはないというふうな形に今なっています。私は、原案としてはそれだと思いますが、この辺は将来の問題として考えていかなくちゃならない。
公正取引委員会としてこの系列の問題を外しちゃったら、
公正取引委員会の存続が問われるんじゃないか、こういうふうな心配もあるかもしれませんよ。しかし私は、その心配よりは、
経済の
実態、
日本の
経済の国際化にあって、必要なところの
規制はやっていかなくちゃならないが、そうじゃないところの
規制はやはり考えていくという姿勢をとるべきだろうと私は思っております。
実は、ここでずっとお話を聞いておりまして、この前の
委員会、きょうの
委員会、私は皆さん方の御
意見を聞いておりますと、これは我が党だけではない、民主党も含めてほかの党にもそういう
考え方の方々がいる。むしろ
政府対我々、こういうふうな話ではなくて、議員の中でいろいろ議論し合って、こうしたらどうだというような話にしちゃった方が私は物事が進むんじゃないかなぐらいに思っておる。私は、聞きましてそういうふうな感じを持ったところであります。
まあ、きょうはそういうことでありますが、せっかく
政府から出してきた案でありますからこれを修正するとかなんとかというような話はしませんが、私は、問題点は確かにある、こういうふうに思いますので、一体、
公正取引委員会はこの辺についてどういう問題意識を持っておられるのか聞かせていただきたいと思います。
私の
質問時間は終わりましたので、残念ですが、これで終わらせていただきます。