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五島委員 まさに、額からいえば
最終ユーザーにこの
リサイクルの
費用をすべて押しつける。これでは、
自動車を利用した人たちが平等に
負担するということと論理の
流れとして違う。そこのところ非常に問題だと思いますが、残念な
がら、この
法案は
経済産業委員会で審議されている
内容で、当
委員会には付託されておりません。したがいまして、私もこの問題についてこれ以上
議論することはやめます。
ただ、先ほども申しましたように、当
委員会で決定いたしました、そして全
会派一致して通した
フロン法、それとの
整合性の問題ということについては、ぜひ
委員長に
理事会の中においても十分諮っていただきたいというふうに思います。
そこで、私は次の問題に移らせていただきたいと思います。
本年の四月の十日に、日本産業衛生学会、ここにおいて悪性中皮腫による死亡という問題が、今後二〇二九年までに五万八千八百人、二〇三九年には十万三千人に上るという推定結果が報告されました。この疾患は、この間年々ふえてきているわけでございますが、九五年から九九年の五年間の発症数は千三百三十六人でございますから、これからいかに急激にふえるかということを予測したものでございます。
ただ、この研究発表というものがさまざまな検討をされているわけですが、詳しく見させていただきますと、この数字が過大であるとは到底思えない。例えば、この分野の非常に有名な学者であります森永さんについて見ますと、彼の場合には、二〇二九年までに七万七百人、二〇三九年までには十二万人に上るだろうと言っておりますし、また、外国の学者は、二〇二九年までに七万八千人、二〇三九年までには十四万六千人の悪性中皮腫による死亡が日本で出るだろうというふうに予測しています。そういう
意味では、産衛学会で非常に大きなニュースになり、朝日新聞や毎日新聞にも取り上げられた
内容です。
言うまでもなく、この悪性胸膜中皮腫というのはアスベストの吸引によって発生するものでございます。がんではないんですが、がんよりも転移もするし、臨床的にはがんと同じように扱うよりももっときつい、ひどいと
考えてもらって結構です。私もこの患者さんをかつて持ったことありますが、非常に悲惨なものでございます。
アスベストの吸引によってなぜこのように起こってくるのか。我が国においては、アスベストの使用量は過去に比べて約半数に減ってきています。しかし、なおこれから急激にふえていくということの具体的根拠は、かつてのようにアスベスト材をつくっている工場あるいはアスベスト材を非常に濃密に使っている中での作業ということを超えて、広く
環境への露出というものを
考え、そしてこの悪性胸膜中皮腫の発生までの時間というものを掛け合わせた場合に、こういう恐ろしい数字が出てくるわけでございます。
今、我が国に輸入されているアスベスト材、その九割は建築材、建材として利用されています。もちろん、アスベストの中には、かつては
自動車のブレーキに使われて、東京なんかは非常にアスベストが多い、飛散アスベストが多いと言われていたわけですが、最近では、乗用車などではこのアスベスト材はもう使われなくなっています。しかし、一部のエレベーターとか重機、建築機等のブレーキにおいては、まだアスベスト以外の代替品を十分に安全に使うというところまで至っていないというのも現状でございますが、その九割までは建築材、これらについては完全にノンアスの代替用品が既に使われています。
そういう
状況を
考えれば、早急にアスベストの使用を禁止する、利用をもうとめていく、国際的には、二〇〇五年の
段階でアスベストをもう一切やめようよという話が起こってきているわけでございますが、我が国も、この二〇〇五年というところを目標として、このアスベストの使用、とりわけ建材としてのアスベストの使用というものをやめるべきであると
考えます。
それについても後で御意見を
環境省からもお伺いしたいと思いますが、あわせて、今空中に、大気中に飛散しているアスベストの問題につきましては、やはり古い建物に、これは個人用住宅も含めてでございますが、アスベストがたくさん使われています。建築基準法では、たしか台所回りなんかにはアスベストボードを使えということがあったと思いますが、そういうような個人住宅の解体に際して、あるいは一九七五年前後までにつくられた多くのビルにおいては、耐火被覆として、鉄材をアスベストで被覆させているというふうなことが現在のビルの中でも存在しています。その中で仕事をするあるいは生活する人への影響もさることな
がら、こうした建物を解体するに当たって、この飛散の問題というものは大変な問題になってまいります。
政務官は神戸の大地震のときに御経験になったと思いますが、あのときにも、どこがという理由なしにアスベスト建材が大量に
一般的に使われている結果として、あの地震の後でアスベストの問題が非常に問題になったことは御記憶にあると思います。このアスベスト材の解体に際してどのように大気中への飛散を抑止するのかということ。
そして、もう
一つ大きいのは、こうしたアスベスト建材の
処理でございます。
これは当然、管理型、安定型の
処理が必要ということで、通常は埋設
処理をされます。埋設
処理以外には安全な
処理の仕方がないというのが
実態です。ところが、建材でございますので、埋設
処理をするときに、そのまま埋設をして、土で被覆をして、また埋設をしていくということでやりますと、大変
処理場のスペースを急激に使ってしまうということになりますので、多くの場合は、そうした建設廃材、他の廃材と一緒にクラッシャーにかけて粉々にして、そしてそれを埋設する、そしてその上を被覆するということを繰り返している、これが現状だと思います。
そうしますと、その作業所の周辺だけでなく、アスベストの繊維は非常に軽うございますので、かなり広範囲にわたって飛散してしまうという問題が起こってきます。この
処理をどうするのかということ、このことについてお伺いしたいと思います。
それに関連いたしまして、ぜひ、
環境省からのそうした問題のお答えの前に、
経済産業省の方からは、いわゆる建材
関係の問題において、このアスベストの使用禁止という方向に対して、ノンアスの方向に変えていくために二〇〇五年までには禁止していく、ノンアスに変えていくということについてお
考えはないのかどうか。あるいは、
国土交通省の方に対して、現在の建築基準法の中で、こういう
環境への大変な問題をこれからは配慮して、アスベストによる建築基準法での使用ということは外していくということを
考えないのかどうか。
経済産業省と
国土交通省の方から、まずお伺いしたいと思います。