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大木国務大臣 今も
お話ございましたとおりに、
環境問題というのは非常に大きな、これは恐らく二十一
世紀の人類にとっては一番大きな問題の
一つであろうというふうに思っております。
二十
世紀というのは、ある
意味におきましては、各国におきまして大変な
経済成長というのが達成されて、一見、いよいよこれが最後のあるべき姿かなといって錯覚をしかけたところで、はたと気がついてみたら
環境問題というのが出てきまして、このままでは地球、人類の
生活というものも非常に大きな障害が出てくるんじゃないかというようなことで、御存じのとおりに、一九七〇年代ころに例の大来先生なんかが
一緒になって書かれた「成長の限界」というような本、あれでいろいろ
議論が出てきた。
ですから、これからの取り組みというのは、やはりこれは人類共通の問題だということ、そしてまた、解決するためには我々の
生活を変えなきゃいけない、そういう大変これは大きな課題になるわけですけれ
ども、やはりそこのところをしかととらえませんとなかなか、そんなことすぐできるかというような話になってしまうんで、これは
基本的には、もちろん五年、十年で全部できるわけじゃありませんけれ
ども、二十一
世紀の人類の大きな課題としてやっていく、その中で、私
どもまた
日本としてはどういうことができるのか、
環境省としてはどういう
仕事をするのか。
これは、私も今度また
大臣を拝命いたしまして、いろいろとこの三、四年のことをちょっともう一遍振り返って勉強しておりますと、実に
環境問題も多様化しておりますし、あるいは今までにもあった問題が深化といいますか、深くなってしまって、それをどうやって解決するかということになりますと、よほど性根を据えて対応しないとできないというような問題もございますので、ちょっと抽象的なお答えになりましたけれ
ども、これはやはり二十一
世紀の我々人類にとっての、そしてまた
日本にとっても非常に重要な問題。
あえてつけ加えれば、私は、
環境問題というのは、
日本の外交にとりましても非常にいい、使えるカードだと思うんですね。
環境問題というのは、別にほかの問題と違って、他国に迷惑をかけるというわけじゃなくて、他国と
一緒に地球全体をよくしていこうという話ですから、これはだれが考えても文句を言われる筋合いじゃないし、しかも
日本の場合には、そういった能力がある、
科学技術の能力もある、あるいはいろいろと省エネの経験もある、あるいはある程度の
経済力も持っておるということでございますから、そういったような
日本の力というものを総合的に発揮できるまた場であろうと思います。
そういうことで、
内外、外交におきましても内政におきましても、やはりひとつこれは大いに
環境というものを生かしながらこれからの
日本の政治、行政というものはやっていくべきではないかというふうに考えております。