○上田(勇)
委員 関心を持っていただいて、いろいろな場で問題を提起していただいているということはわかりましたけれ
ども、今回の
事件というのは、私は、いろいろとその後の報道とか見ていて、やはり北朝鮮の今の状態というのが、もう故国を捨てて逃げざるを得ないような大変厳しい
状況になっている、そういう
人たちが何十万人も何百万人も実際北朝鮮にいるということを我々は改めて知らされたんじゃないかというふうに思います。
今、いろいろと
関係国と協議をする、これも大切なことだというふうには思いますし、また、それぞれの国、特にやはり
中国の場合には国境も接しているし今までのいろいろな歴史的な経緯もあるので、いろいろな
立場があるということもよくわかりますけれ
ども、じゃ、このまま放置しておいていいのかということが今国際社会に問われているんじゃないかというふうに思うんですね。
ですから、我が国も、そういう意味では、直接国境を接しているわけではありませんけれ
ども、同じ北東アジアの
地域の中で、この問題というのはやはりこの
地域の安定のためにも重要なことですし、今北朝鮮の中で苦しんでいる多くの
人たちというのは、
中国に対してもまた
日本に対しても、やはり何とかしてほしい、救済してほしい、手を差し伸べてほしいという気持ちを訴えようとしているんじゃないかなというふうに思うんで、もう少し我が国としてもしっかりとこの問題、これはどうしても韓国や
中国との連携なしにはできないことでありますけれ
ども、ぜひ積極的にかかわっていかなければいけないんじゃないのかなというふうに思っているわけであります。
そういう意味で、今、まずはいろいろと協議をしなければいけないということもよくわかります、国際世論をもっと喚起していかなければいけないということもよくわかるんですが、本当に
日本のすぐ近くにある国の話でありますので、ぜひもっと積極的なかかわりをしていただきたいというふうにお願い申し上げる次第でございます。
そして、もう
一つ、もうちょっとこれは大きな話になってしまうんですが、いわゆる脱
北者の
人たちが出てくるというのは、今申し上げたように、北朝鮮の中の経済がもう極めて困窮している、そして今の政治体制のもとではそうした経済をきちんと直すというようなことがほぼ難しいというのが現実なんではないかというふうに思います。
そうした今の経済を立て直して政治体制を改めていかなければいけないわけでありますけれ
ども、
日本も、それから韓国も、当然
中国も、近隣諸国として、この
地域の安定というのは当然我が国の国益にもかなうことでありますし、こういう近隣諸国の
一つとして、主要国の
一つとして、この北朝鮮のあり方の問題を、そうした北朝鮮の人々を救済していく、そういう努力をしていくということは我が国にとっても大きな
責任なんではないかというふうに思うわけであります。
そういうことで、ちょっと大きな、漠然とした言い方で申しわけないんですけれ
ども、我が国として、こうした北朝鮮の政治システムの改革や経済の再建のためにどういう
姿勢で取り組んでいくべきなのか、また、北朝鮮に対して最も影響力があると言われている
中国に対しては、どういうような働きかけを行っているのか、あるいはこれから行おうとしているのか、見解をお願いいたします。