○土田
委員 外務大臣にお尋ねいたしますけれども、私は、この
委員会でたびたびODAのことについて
質問をしてまいりました。もちろん、私だけでなくて多くの
委員がODAについて
質問してきたわけでございます。
私は自分の選挙区でよく地元の方々と小さな懇談会を開くことがあるんですが、その際に、私が
外務委員だということを言うと、必ずこのODAの問題が出てくるんです。
その
質問の内容もほとんど毎回同じでございまして、まず一つは、
日本がこのように深刻な不景気になっているときになぜ
外国に対して金銭的な援助をしなきゃならないのかという問題、あるいはこのODAがどのくらい有効に使われているのか、
我が国の国益に資しているのかという問題、あるいは年間一兆円近くあったODAの金額が不正に使われているんじゃないかという疑問、そういったことがたびたび、毎回同じ
質問が出てくる。
そこで最近、私も三枚紙ぐらいのプリントをつくりまして、これについて
説明をしているわけでございますが、いつの間にか
外務省を代弁するような
説明になってしまっているのに自分でも気がつくということもございます。
確かに、ODAが重要だということを国民の皆さんはまだよく理解をされていないわけでございますから、
外務省としましてもこれについての理解を深める努力をさらにしなきゃならないのかなという感じがするわけですが、もう一つ同時に、個別的なODAの
案件に関して出てくるのは、やはり中国なんです。中国になぜ援助するのかという素朴な疑問が出てくるわけですね。
中国は、
日本と一番近い国でもありますし、非常な大国でもあるわけです。あるいは、これまで
日本と中国の関係、これまでといいましょうか、最近の関係を見てみましても、中国は
日本に対してそんなに友好的な態度をとっておりません。今回の北朝鮮の船と思われる不審船の引き揚げにつきましても、半年間もイエスの答えを出してこない。あるいはほかの、瀋陽事件に関しましても、決して友好国というような雰囲気を出しておりません。そういった中国に対する国民の不満といいましょうか、怒りがあると私は思うんです。
さらには、やはり中国がこのところ経済大国としてだんだん経済成長率を上げてきている、あるいはまた軍事的に非常に、中国はこのところ毎年一〇%ぐらいの軍事力を増強するという状況にあるわけです。そういった国になぜ援助するのかという素朴な疑問が国民の皆さんにはありますし、毎回その
質問が出てきます。
そこで、
大臣に伺うんですが、政府開発援助大綱、平成四年の閣議
決定でございますが、一番から四番まであるわけですね。その二番と三番に違反しているんじゃないかという気が私はするわけです。中国に対するODAが、特に二番の「軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する。」ということ、三につきましても、
大臣御存じのとおりですが、一回読み上げます。「国際平和と安定を維持・強化するとともに、開発途上国はその国内資源を
自国の経済社会開発のために適正かつ優先的に配分すべきであるとの
観点から、開発途上国の軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入等の動向に十分注意を払う。」ということを書いてございます。
つまり、この第三
原則に明らかに違反するわけでございますし、あるいはまた、その
観点からいえば第二
原則にも違反しているというふうに私は思うんですが、
大臣、この点についてはどう
考えますか。