○土田
委員 おはようございます。
青木大使には、昨年
ケニアを訪問したときに大変お世話になりました。この
外務委員会で昨年九月上旬に
ケニアを訪問し、そしてソンドゥ・ミリウのダム、ダムと言っちゃいけないんでしょうか、ダムを見に行ったんですが、その際にもいろいろな話をさせていただきました。たまたま
青木大使が
辞任をされるときに当たりまして、ちょうど
青木大使が、このナイロビもあしたでおしまいなんだ、あいさつ回りも一通り終わって名残惜しく去るんだという話をされておったのが非常に印象深く思い出されます。
そのときに
青木大使は、その後、海外青年
協力隊のお世話をしたい、自分は海外青年
協力隊の父であるとおっしゃっている。
協力隊員もそう思っている。いわゆる自他ともに認める海外青年
協力隊の応援団長みたいな立場だと思いますけれども。
去年の九月、
外務委員会で視察に行った。もちろん鈴木宗男さんも一緒でした。飛行機で行って、それから車で何時間もがたがた道を山の方に上って、その工事
現場に行ったわけでございますけれども、確かに私もそこに行くまではダムだと聞いておりましたので、ダムといえば
日本で見るような大規模なダムを想像しておりました。まして
アフリカにつくるわけですから、物すごいダムかなと思って行ったんですが、全然違いまして、本当にダムとは呼べない、小さな発電所をつくる、そういったイメージでございました。
今回の、
青木大使にきょう来ていただいた理由もそうでございますが、NGOがいろいろな批判をしている。もちろん
ケニアのNGO、
日本の国内のNGO、そういった方々が、このダムに、ソンドゥ・ミリウにまつわる、
お金に関する問題あるいは工事中の問題、これについていろいろな批判があるわけでございます。
私も、ソンドゥ・ミリウに行く前に
日本国内で
日本のNGOの方から話を聞いて、そして
現地のナイロビに行ってもNGOの方からの話も聞いて、あるいは
現場に行ってからも技術
委員会の方々との意見交換をしましたけれども、NGOの批判が全部間違いとは言いませんが、間違ってはいませんが、根拠のないことではないんですが、非常に誇張されてきている、誇張されて伝わってきているというのは、私が
現地を見た実感でございました。
ただ、その過程において、これまでにも
質疑がございましたけれども、
お金に関する
返済計画についても余り
透明性がない、不安定要素がたくさんあるということや、あるいは地元の方々との意思の疎通がよくできていなかったという点もあるかと思うんですね。
特に、
現地の
日本工営の責任者の方、もちろん
現場責任者の方ですけれども、非常によくやっていらっしゃるわけでして、その方が一番心配しておられたのが、その工事を始めるに当たって、その人は別に
ケニアのソンドゥ・ミリウが初めての
現場経験ではなくて、東南アジアとか何カ所かでダムをつくった経験を持ったベテランとしてソンドゥ・ミリウに乗り込んでこられている。そこで一番大事なことは何かというと、
現地の方の理解と
協力がなければ絶対にできない、絶対がつくんだ、地元の方々との対話、信頼
関係だというふうにおっしゃっていて、そのことに一番時間もとられ、神経も使ってきたというふうにおっしゃっておりました。
ところが、
ケニアの方々は長い間のイギリスの植民地支配に遭って、役人を
信用していない。
日本工営の
現場責任者は役人ではないんですが、やはり上から来て命令する人をみんな役人と見てしまって、役人に言ってもだめだという感情があるんだというふうに言っておりました。だから、なかなか地元住民の方の気持ちが、あるいは希望が伝わってこないままに、あるいは
大使館にも伝わってこなかったかもしれない、そのままに、
ケニアのNGOを通じて
日本のNGOに連絡が行って、一遍に国会で取り上げられて話が大きくなってしまったというような感じが私もしているんです。
ですから、私は、ソンドゥ・ミリウの
プロジェクト自体は非常にいいことをやっている、あるいは
ケニアの方々にとっても非常に大きな歓迎すべき事業じゃないかというふうな実感をいたしました。
もちろん、私はそこだけしか見ていませんので、全部の、
世界各国の
ODAの内容を知っているわけじゃございませんけれども、少なくともソンドゥ・ミリウに関しましては、地元の方々あるいは
ケニア政府、非常に大きな期待と歓迎をしているわけでございまして、多分それについて
青木大使が推進役となって、鈴木宗男さんと一緒になって努力されたと思うんですよ。努力といいますか、
青木大使からすれば、鈴木さんを使って何とか
政府を動かしてやろうという部分があったかもしれない。鈴木さんから見れば、
青木大使が
現地でやっているから、いろいろ便宜を図ってもらうことによって自分の
政治力を高めることになったかもしれないという感じがしているんです。
そこで、まず
青木さんに伺いたいんですが、一般論でいいんですけれども、
大使は、赴任国におけるこういった
ODA案件の推進あるいは決定過程で、どういった権限を持っておられるんでしょうか。