○赤嶺
委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。
私は、
沖縄振興策と、それから
政治家の介入疑惑について取り上げていきたいと
思います。
沖縄振興策は、さきの
沖縄振興新法でも論議を交わしたところでありますが、
沖縄県民は、産業
振興の最大の障害、
県民生活の大きな負担、これに
米軍基地の問題があると
考えております。二十一世紀は、本当に
沖縄に
米軍基地のない状態をつくってこそ、自分の足でしっかり立てる産業の
振興も可能になっていくだろう、このように
考えてまいりました。
同時に、
政府の
沖縄に対する
振興策は、あの戦争で唯一住民が住む島で地上戦が繰り広げられた問題、
米軍の直接占領下に置かれ、社会資本の整備その他、社会、経済、文化、あらゆる分野にわたって本土との大きな格差をつくり出した問題、それらの諸問題について、
政府は
沖縄に対して償いの心を持ってその
沖縄振興策に当たる、このようにとらえられてまいりました。私も、このことは今日大変重要な立場だと思うのです。
沖縄の
振興策に国策のひもをつけない。国策の犠牲になった島の産業や経済の
振興を
考えるときに、さらに一層の国策を受け入れなければ
振興策の予算もあり得ない、このような態度をとることは、
沖縄の経済
振興をおくらせ、産業の発展をおくらせ、いつまでたっても自分の足で立つことのできない経済、このようになってしまうと
思いますし、
沖縄を本当に
考えれば
考えるほど、やはりこの問題についてきちんと
思いをはせていかなければいけない、私はこのように
考えております。
ところが、近年、
沖縄で
県民の
米軍基地に対する縮小、撤去の世論の高まりの中で、
沖縄で、国策を受け入れなければ
沖縄の
振興策はあり得ない、おくれる、このような宣伝が
政府の側から大々的にやられるようになりました。
実は、近いところでも、鈴木宗男氏が
沖縄開発庁
長官のときに、これは参議院の
沖縄北方特別
委員会での一九九七年度の議論で、当時の鈴木開発庁
長官は、国策、国益というものはそれなりの配慮があってしかるべき、
政府予算の傾斜配分は民主主義にのっとった公平な判断だ、このような立場を繰り返し表明しました。
ちょうどあの
沖縄県名護市で住民投票が行われているときに、その名護市に乗り込んだ鈴木
沖縄開発庁
長官は、国策を受け入れる
地域には税金の傾斜配分は当然だ、このように言ったわけであります。裏を返せば、国策を受け入れない
地域に特別な
振興策など
考えてやらないぞ、こういう脅迫にもつながっていたと
思います。ちょうど海上基地が
沖縄で大問題になったときに基地と
振興策がリンクした議論が始まり、一九九五年、少女暴行
事件の発生によって基地への怒りに燃えた
沖縄県民に、基地か
振興策かという問題の突きつけ方が始まっていったなというぐあいに
思います。
一方、
沖縄でそういうことがありながら、鈴木氏は、例えば県道一〇四号線の実弾砲撃
訓練場、これを北海道矢臼別に移転するに当たって、北海道の三つの自治体の首長さんに対して矢臼別演習場への移設受け入れを強要し、押し切った。そういう過程の中でどんなことが起きたかというのは、今回の予算
委員会でもるる明らかにされました。
こういう中で、
沖縄で基地を受け入れたら、先ほ
ども一川議員の質問にも答えておられましたが、通常の公共事業の予算とは別枠で特別
振興策、こういうのが組まれるようになっていって、その最初の始まりが組踊劇場の予算であるわけです。
沖縄特別
振興策として、つまり基地の契約の代理署名をめぐって
政府と
沖縄県が激しく対立をしていたときに持ち込まれたのが
沖縄特別
振興策の予算であり、そのときに
スタートをしたのが組踊劇場でした。組踊劇場は、長いこと
沖縄県民が要望していたにもかかわらず実らず、やっとこの予算がついたときに実ったということであります。
そして、それが事業が
スタートをしてきますと、組踊劇場の受注の経過でいろいろな疑惑が出てまいります。
一つは設計業者の受注です。これは、当国会でも、決算監視特別
委員会や国土交通や、その他の
委員会でもしばしば取り上げられてまいりましたが、当時の鈴木宗男
沖縄開発庁
長官の後援会の事務局団体を請け負っている企業が設計の受注業者になっていく。献金もちゃんと行われている。当時、鈴木
長官は、正規の手続を経てもらった献金、やましいことは何もない、こういうことを
マスコミの求めに応じて答えております。
それから、工事を受注している企業についても調べてみましたら、鈴木宗男氏関連の後援会や二十一世紀政策
研究会、政党支部への献金が、仲本工業が百二万円、國和設備工業七十二万円、永山組六十二万九千二百六十五円、ヤシマ工業十二万、それから先ほどの、後援会の事務局を請け負っているという設計企業、総合
計画設計室六十万円で、組踊劇場の設計、建築にかかわって、五社から三百八万円の企業献金を鈴木氏がいただいているわけですね。
私は、ここには北方問題と同じ疑惑の構造があると思うのです。
沖縄問題に、基地を受け入れたら特別な
振興策をふやすのだということを開発庁
長官になる前からずっと言い続けて、
政府をその
方向に動かして、特別
振興策という五十億円の枠組みの予算をつくらせた。その予算の開始に当たって、建設に入りました組踊劇場について、設計企業からも建築受注企業からも政治献金が鈴木氏に回っている。こういうのは、やはり組踊劇場には鈴木氏の大きな影響力が働いていると私は
思います。
この問題について、設計受注企業を選ぶ問題、それから建設企業を選ぶ問題、入札が公平に行われたということが、そういう説明では済まないと思うのですね。やはり何らかの働きかけが、この組踊劇場にも鈴木宗男氏からあったと
考えるのが当然だと
思いますが、いかがですか。