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井上(和)
委員 民主党の
井上和雄でございます。
安全保障委員会では初めて
質問をさせていただきますので、皆さん、ぜひよろしくお願いします。また、本日は、
防衛庁長官また副
長官、政務官もお願いしていると思うのですけれ
ども、ぜひよろしくお願いいたします。
本日は、
沖縄にあります社団法人
沖縄県軍用地等
地主会連合会、通称土地連と呼ばれる団体と、その団体が鈴木宗男衆議院議員に違法献金をしていたということに関して、ちょっと
防衛庁、
防衛施設庁にお伺いしたいと思います。また
沖縄の問題かとおっしゃるかもしれませんが、実は、私も先月
沖縄へ行ってまいりまして、独自に
調査を進めてまいりましたので、ぜひよろしくお願いいたします。
沖縄には、
米軍及び自衛隊の
施設のために土地を提供している県民の方が約三万数千人いらっしゃるわけです。
沖縄の歴史的な背景を考えれば、半ば強制的に
米軍に土地を提供せざるを得なかった事情もあると思いますが、本土復帰後には、
防衛施設庁がこれらの土地所有者の
方々と賃貸契約を結びまして、この土地の借料に関しては、
地主の
方々が所属している
地主会という組織が各地にあるわけですが、その
地主会と借料を年々交渉しているということでございます。
その
地主会の集合体が土地連という組織になっています。その借料というものを毎年決定していく過程で、いろいろなプロセスが行われるわけです。地代といいましても、年額八百億円ぐらいに上るわけですから、これはかなりの大きな額で、その地代をめぐって、土地連が政府や政治家にさまざまな働きかけをしていく、いわゆる陳情ですけれ
ども、そういうことを行っていく必要が出てくるのは当然でありましょう。
そしてまた、政治献金という問題も出てきます。
大臣も、もう既によく御存じだと思いますが、この土地連の
関係者が、
平成十二年に鈴木宗男議員の政治資金管理団体、21世紀政策研究会に約三百万円の献金をしていたわけです。
平成十二年からは、企業・団体献金というのは禁止になりましたから、まさに個人ということで会員の方が献金している。しかし、実はそのうち九人の会員というのは、名前を無断で使用されていた。違法献金ですね。これがマスコミ等によって
指摘されたわけです。土地連としては、一九九八年にも鈴木宗男議員のパーティー券を百万円買っている。そしてまた、土地連が献金のためにつくった協議会というのがあります。これは政治団体ですね。
その
報告によれば、総額六百万円で、県選出の自民党衆議院議員の選挙区の各支部は百万円だと。自民党県連も五十万円、そういう寄附をしているわけですけれ
ども、鈴木宗男議員に対しては約三百万円の献金をしている、そういう事実がある。つまり、土地連と鈴木議員というのは非常に密接な
関係があるんだなということが、この金銭のやりとりでもわかると思います。
実は、
先ほど私、申し上げましたように、この違法献金の
実態を
調査するために、先月、民主党の
同僚議員とともに
沖縄まで行ってまいりました。
那覇市から車で四十五分ほどかかる読谷村という村があるのですね。読谷村という村に行ってまいりまして、
沖縄の本当に昔ながらの家がある、コンクリートの住宅がほとんどですけれ
ども、その中には石でつくった塀がありまして、案内してくれた方に聞けば、その辺でも時々ハブが出るんだよなんという話を聞きながら、そういう村を歩き回りました。日ごろ、選挙活動や政治活動もやっていますから、そういう村を歩いたりするのはもうなれておりますので、約半日ほどかけて、この九人の名前を使われたという方のお宅を一軒一軒全部シラミつぶしにお伺いいたしました。
何軒かの方は、もうマスコミの攻勢がすごくて、朝の五時ごろからマスコミ、テレビ局から電話がかかってきて起こされるとか、テレビカメラが追っかけてくる。そういうことで、我々が行っても雲隠れしていないとか、拒否されたのですが、幸いなことに、数人ほどの
地主の方から直接
お話を聞きました。また、御家族の方もいらっしゃいまして、詳しい話を聞くことができました。異口同音に、非常に迷惑している、テレビカメラには追っかけ回されるし、本当にひどい目に遭った、全然鈴木議員に献金したという
実態はありません、そして、まして名前を貸してくれとか、そういう話も全くなかった、そういうことなんですね。
それ以外にも、いろいろ
お話を聞いて、例えば今大体
地主の方が、百万から百五十万ぐらい、場合によっては二百万ぐらいの地代を年々もらっている。それを当てにして住宅を新築したりして、今そのローンを払っているんですよ。将来、もしこの軍用地が返されると、そういうローンの支払いもあるから、ちょっと困っちゃうなとか、そういう
お話も伺いましたし、その返還された後の土地を、やはり国としてもどういうふうに使うかを考えてもらいたい。
また、それ以外に、返還された場合には、三年間ほどでしょうか、国から補償金みたいなものがいただけるんだ。ただ、それだけではちょっと心もとない、もう既に、ずっと戦後長い間、やはり土地を貸して地代を受け取っておる。地代が
生活の収入の一部になっているという中で、ちょっとそれが急になくなっちゃう。百万、百五十万といえばこれはかなり大きな額ですし、まして
沖縄では、やはりそれだけ物価も安いし、平均収入も少ないですから、かなり大きな額になるんでしょう。そういうことを言っていましたので、この件に関してもちょっと
長官にお伝えしたいと思います。
それで、話はもとへ戻りますが、結局、違法献金の話なんですが、土地連の会長である屋良さんという方がいて、その方が、自分が読谷村の村の
地主会の会長である、そしてまた自分は土地連の会長だ、そういうわけで何とか、企業・団体献金も禁止されているから団体とすることはできないから、個人献金ということで、自分の
地主会にいる人の名前を無断で使った、それほど、何か人の名前を無断で使っても献金せざるを得ないような
状況があるのかなというのは、私、本当にそういう疑問を抱きました。
額的には、九人の
方々が一人二十万ということで、総額百八十万ということなんですけれ
ども、ちょうど私が
沖縄にいるとき、土地連の事務局の会長、事務
局長を初め記者会見をやりまして、その前に、私もちょっと一緒に
お話も聞いたんですけれ
ども、これは新聞報道ですが、
平成十二年当時、駐留軍用地特別
措置法の改正問題もあったりして、それを引っ張ってくれたのは鈴木議員だから、特に鈴木議員にお願いしたんだ、そういうわけで献金をすることになったんだというようなこともおっしゃっていましたね。
例えば
平成十三年も、借料というのが、
防衛施設庁の方では最大限約一・七五%、最小が〇・五%ぐらいの増額しか認められないということを言って、頑張って一・七五だという話だったのが、土地連として最初から要求していた三・三%の増額を最終的にかち取ることができている。だから、土地連というのは非常に政治的に有力な団体ですし、政治力を発揮できる団体なんだな、そういう印象を受けました。つまり、逆に言えば、政治センスがある団体なんだと。
つまり、今のような、地代がかなり恣意的に決まっているんじゃないか、そして、それに献金が絡んでいるんじゃないか、そういう不透明な
状況があるわけですね。それが今回の鈴木議員に対する違法献金で発覚したんじゃないかというふうに私は思うんですけれ
ども、
防衛庁長官に、どういうふうに思われるのか、ちょっと御見解をお伺いしたいと思います。