○
石井(紘)
委員 会計検査院は、この検査
報告を見ると、これは国会でも再三
指摘されてきたとおり、あの入札は契約者を決定する
手続において非常にあいまいであった。つまり、密封をした
最初の二機分の価格についてはピラタス社の方が全然安かったにもかかわらず、富士重工と契約をした。その言いわけとして、将来ずっと長いことかかるところのライフサイクルコスト、そうしたものが富士重工の方が安いんだと。
しかし、ライフサイクルコストというものの中には、その主要なものとして、機体の定期整備というのがあるんですね。車でいうと車検のようなものがあって、三年に一度ぐらい車検をやる。これが大変値段のかかるものでして、しかし、この定期整備というのは、そのやる都度入札を行って、そしてそのときにならないと、入札ですから値段が決まらないというようなものなんですね。にもかかわらず、そっちの方が富士重工が安い。将来幾らになるかわからない、そういう要素を含んだところのライフサイクルコストでもって富士重工の方が安いというでたらめな論法でもって富士重工に落としたという経過があるわけですね。
そういうことについても検査院の
報告の中にはるる書いてあるわけです。密封されていなかった、そして、差しかえしたとは書いていないんですけれ
ども、現に書類の差しかえをしたという
答弁もかつての
防衛庁の
答弁の中にはあるわけですね、受け付けて以降書類の差しかえもしたと。
そして、この検査院の
報告の中には、将来において拘束されるべき内容に係る主要な項目も示していなかった、価格の客観的な根拠となるべき項目も示していなかった。そればかりか、その提案内容に係るところの詳細な関連データを提出させたりするための方策、方法ですね、これも英文の方では、方策というところをガイドラインというふうに訳している。これも意識的な訳なんですね。全体の訳はなかなか立派な訳だと、これは専門家にも見てもらって言っておりますが、この肝心な部分だけ訳を変えておるということもあるんですね、この内容において。
こういうことで、検査院の
報告はいろいろな問題を、この入札の欠陥を
指摘しておるということは、もう既に
防衛庁の皆さんも十分御存じのところです。にもかかわらず、ここに、会計検査院の
報告にはどこにも書いてない、会計検査法令等に照らして特に不適切と認められる
事態は見受けられなかった、というような造語を、捏造ですよ、そういうものをここに持ち出してきて、そして、いかにもこれを会計検査院がつくった書類であるかのごとく
防衛庁は書類をつくってスイス
政府に対して提出をした。
これは大うそですよ。
外務省も相当うそをつくかもしれないけれ
ども、
防衛庁の大うそですよ、これは。これは国際的な公式な文書ですよ。しかも、再三再四スイスから問い合わせをされている。そして、スイスもその都度その都度、その
回答がおかしいんじゃないかということで繰り返し繰り返し追及してきている。そして、あげくの果てにこれですよ。こういううそのものをつくって、そしてスイスに出した。
これは
外務大臣いらっしゃいますから、
外務大臣の見解も伺いたいんだけれ
ども、国際的にこういううそを、
外務省と
防衛庁がある
意味では一緒になって、
外務省は詳しいことはわからないで翻訳だけやりましたと言うのかもしれないけれ
ども、しかし
外務省の
名前を使ってスイスに出しているというんですから、これは
外務省の責任も大きいじゃないですか。
外務大臣、こういうことは、国際間の、両国間の信用を著しく傷つける、信頼
関係を傷つけるものだと思いませんか。いかがですか。