○椎名素夫君 椎名素夫でございます。いつもながらですが、思いつきのようなことしか言いませんので、しばらくおつき合い願います。なるべく早く終わろうと思っております。
さっき大渕さんも取り上げましたが、おたくの、おたくのと言っちゃ悪いな、これは自民党の政調会長が大変に食い違ったようなことをおっしゃって、一体あれはどういうことなのかということをみんながいぶかっている。これは
政府の政策に対する信頼感が非常におかしくなるので、これは注意していただきたいと思います、お答えはいいんですが。
昔、トラックしかつくっていなかった自動車
会社がありまして、戦争後しばらくたって乗用車をつくることになりました。あるデザイナーを雇って乗用車のデザインをやったんですが、それを決めるのに常務会で決めようということになって、それで模型をつくって常務会の真ん中に置いて、そうしたら、ある人はフロントの格好が悪いからこう直せとか、それからほかの人はテールをもう少し上げろとかなんとかいうような話になって、結局、重役がそう言うんだから直すかというのでみんな直したところが、全然売れなかったという話があるんですね。
私の個人的な気持ちを言いますと、いろいろなことがありましたけれ
ども、今の総理
大臣がいて、
内閣ができて、そして大いにパンチを入れた演説を繰り返しながら、私は断固としてやりますと、こう言っておられる。それならそれで我々としても、とにかく総理
大臣なんですから、本当にやりたいことはやってごらんよという気持ちなんです。しかし、それが本当にどうなるのかなと。横から常務が出てきて、こうなだらかだったテールをぴんと上げろとかなんとかいうような話がどうなるのかわからないと、これ予約して買うというわけにはいかないよという気持ちになりますので、これは別に
質問じゃありませんが、少し
皆さんしっかりしていただきたい。自民党だけじゃなしに与党の方々もそこらあたりははっきりしていただかないと、何を議論しているか常にわからないということになりますので、ぜひこれは気をつけていただきたいと思います。
それから、この
RCCの話ですが、先ほどからいろいろ伺って、とにかく今、日本の
経済の
再生の中で大変に一番大きな問題で恐らくあろうとも、この
不良債権を何とかしなきゃいけない、これが
目的だろうと思うんです。一番いいのは、要するに
銀行から
不良債権を切り離してしまうというのが一番いいわけですから、それに向かってのスキームであろうと、大変結構なことだと思っております。もちろん、その途次において、さっき大門さんから
お話があったような細かいところでの配慮というようなことは必要ですが、しかし、全体としてこれはもうどんどんやっていかなきゃいけない。
ここで大事なことは、さっき
お話がありましたけれ
ども、スピードが大事だと思うんです。いつになったら一体どうするのかねということで、例えばG7なんかでも年じゅうそういう話が出て、ああいうところではののしり合ったりしませんから、大いに期待をしているとかなんとか言っているわけですが、これスピードが足りないと、本当に日本の
人間は危機感を抱いているのかねというような
質問が出る。これはきのう、メリルリンチの山田さんですよね、山田さんという人が、外国人からよく聞かれる
質問というのを
一つ言ったんですが、日本の政治家あるいは役所は日本の
経済の状況について本当に危機感を持っているのかねと言われるというのがあったんです。私は、政治家と役所と言ったけれ
ども民間の
経営者というのはなかったのかねと言ったら、いやいやありましたと言うんだ。私は、よく官から民へと言うけれ
ども、民のところがしっかりしないと、渡しても官以上に官みたいな民がやっていると物事進まないんです。
そういう
意味で、さっき
塩崎さんがおっしゃった、何か押さないとどうにもならぬというのは全く同感なんです。しかも、早くしなきゃいけない。早くするためには、
RCCの
お話、この間から伺っておって、大変にやっぱりお役所が一緒になって練り上げる話ですから、きっちり整合性もあるし立派な
お話だと思うんですが、これはやっぱり平時感覚が相当入っている。非常時、危機というあたりの感覚がもう少しないといけないんじゃないか。
一つの例を言うと、二次損失というのがありますね。二次損失は出しませんとおっしゃるんですけれ
ども、それを厳格に守ろうと思うと、あらゆるステップで慎重にならざるを得ない。慎重にやっていて、しかも骨組み自体が日本の憲法みたいに平時に沿って書かれているようなもののスキームでやっていると、これ時間がかかりますよね。
私、だらしないことを言うようですが、余り気にしない方がいいと思う。とにかく、ごっそりと
不良債権というのを
銀行のバランスシートからどけちゃうというのを早くやりますと、その結果、精密に計算すると、一体二次
ロスが出るの出ないのという話は飛んでしまうぐらいに先が開けてくると私は思っておりますし、また、それをやれば、
RCCももちろん有能なことはよくわかりますけれ
ども、そこは口を出さなくても、
銀行がぽっと天井があいたような気持ちになって、
自分のためにも、
自分の抱えている
企業の
再生というのを一生懸命やるようになるだろうと私は思っております。
それから、スピードが大事だと思うんですけれ
ども、ところがそうすると、早くやろうというのは、一番簡単なのはどかどかとお金をつぎ込んでみんな買っちゃうという話だと思うんです。一年ぐらいでもう
不良債権、怪しげ
債権は全部持ってこい、買ってしまったらそれで話はある
意味じゃ一段階進むわけです。しかし、それには物すごいお金が恐らく要るんでしょう。お金が一体どこにあるかというと、みんなどこを見ましてもぴーぴーしているよと、こういう話なんですが、工夫はできないものでしょうか。
怪しげなことを一言言ってこれでおしまいにしますけれ
ども、シベリアにバイカル湖というのがあります。あそこは湖ですから船でないと横断はできない。ところが、十一月から十二月ごろになると凍り出しまして、かりかりに凍るわけだ。そうなると四十トンのダンプでも悠々と通っていけると。四月ごろになると解けるから、それまでの間にやることはやっちまえということが行われているわけです。五月になるとちゃんと水になるんですね。そういうようなことで、水は水でいたいという水は、凍っている間は眠っているかというような金というのはどこかにないかなと私は思っているんですが。
そういうことを
考えて、
RCCのスキームの中側でいいんですが、これからお進めになるスピードを上げるために何かお
考えになったらいかがかということを申し上げて、私の、
質問でもないな、演説を終わらせていただきます。
ありがとうございました。