○椎名素夫君 皆さんがいろいろ質問をしてお答えがありまして、もう余り聞くことはないんですけれ
ども、今度の
法案をめぐる問題ですが、せんだってからどうも見ていると、またきょうの
お話でもありましたけれ
ども、四月ごろから話がずっと続いている。あのころの様子を見ると、大変に声の大きな人たちがいて、何かやれというようなことで
緊急経済対策というのが出てきたんで、それの最初のところでは、要するに、
銀行を救えというのと、PKOみたいなニュアンスと、両方ありましたね。
きょう伺ってわかったんですが、最初はそんなことなら反対だというような感じが非常に強かったんだろうと思うんですね、大体評判の悪い話でしたから。しかし、まあやらなきゃということにどこかで決まって、
政府もそう思ったんでしょうけれ
ども、やろうということになったら、まあしかし何か理屈つけなきゃというので、さっき御紹介があったようないろんな論議が、一から六まで書いてありますけれ
ども、まあしようがないかというような感じがどうも強いような気がしてならないんですね。
山本会長の
お話を聞いても、持ち株を減らしていくという
方向はいい、それはもう同じなんだと、だから自分でもやっているし、将来的にはそのほか
銀行全体の
経営のバランスを
考えながらやっておられるという
お話を伺って、まさにそうあるべきだと思うんですね。しかし、二〇〇五年が迫ってきていて、ほっておくと大変なことになりますよ、これはやっぱり
考えなきゃいけないねという話が一方にはあって、それはまあそうなんでしょう。
そうすると、これは法律にして
規制をするという格好に、法律というのはそういうものになっちゃいますから、格好になっていますが、
規制をかけたらやっぱりその見合いとして何かやっておかないといけないというのでこのセーフティーネットという話が出てきて、この
機構というのができたというでき上がり方のような気がしてどうもしようがないんですね。
しかし、私からおか目八目で見ておりますと、これは法律ですから
規制なんでしょうが、元来、頭からかぶせたという話じゃなくて、二〇〇五年には相当
リスクファクターを大きく見ろというようなことになりますよというのは、何も先生方がおっしゃらなくても、
政府が言わなくても
銀行自身がよくわかっておられることで、そのときにがたっと急に来たら大変だということはもう十分にわかっておられるはずだと思うんですね。むしろ、切迫感というのは
政府なんかよりもあるかもしれない。しかし、それはまた、全体の
経営の中での一部でしかないという面もある。それは承知の上でやっておられるということに、どうして
政府が出てこなきゃいけないのかというのが、私には
基本的によくわからないんです。
これはちょっと伺いたいんですが、
山本会長は今、
銀行協会の会長をやっておられるので、よその
銀行のこともお
考えにならなきゃいけないという立場みたいになっちゃっている。そうすると、
銀行はショックでつぶれちゃいけないというのが基底にあると、やはり自分のところではこれだけやっているけれ
ども、よそでは大変に大量の株を抱えているところもあるようだしというような
お話が来るんですが。
それを伺っていて私は思うんですけれ
ども、昔は旧大蔵省が
金融行政を丸抱えにして、そして
銀行は一行もつぶしませんと言って力んだことがございましたね。しかし、そうはいかなくなった。けれ
ども、その話がずっと脈々として地下では続いているという感じが漂うと、随分いろんな
市場に、特にいい
影響でもないし悪い
影響でもないかもしれないけれ
ども、ばんそうこうをそこらじゅうにべたべた張るということがやりたくなっちまうんじゃないか。そのあたり、どうお
考えになるんでしょう。
本当の
意味でのコンペティションをやるというのだったら、よそで何かつまらない株を抱え込んで困っている
銀行がいるけれ
ども、それは知らないと、人のことであっておれのところはちゃんとやるというような話に
欧米だとなるんだろうと思うんですが、やはり全体のことを
考えて、うちはいいけれ
ども隣じゃ随分困っているようだからというような話が続くというのは、これはやっぱり将来ともそういうぐあいに
考えないと御商売できないということなんでしょうか。
まず、その点を
山本会長に伺いたいんですが。