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大沢辰美君 そういう大きな役割を担ってきたということは本当にすばらしい制度であったと思うんですね。私は、そういう制度だからこそ続けてほしいというのが私の願いなんですけれ
ども。
この三月十三日に、そういう経過を踏まえて第八期の住宅
建設五カ年
計画というのが
閣議決定して今進められている段階です。ところが、
小泉首相や石原
大臣は行革断行評議会というのもつくって、この
特殊法人住宅金融公庫改革を、入り口は郵貯、そしてまた簡保の
民営化で始まって、そして今、不良債権を抱える銀行の応援のために公庫の住宅金融を
廃止しようとしていると、私はそのように指摘せざるを得ません。
そこで、先週の二十一日に国家基本
政策委員会で
小泉総理は、「
住宅金融公庫、これも
廃止の方向で、民間にできることは民間に任せていく、五年以内の
廃止の線で進めていきます。」と発言し、そしてきょう
閣議決定されたわけですけれ
ども、
廃止の理由を一言で言いますと、民間でできることは民間に任せていくというものになっています。
ところが、この二十一日の前の二十日ですか、
全国銀行協会の山本
会長さんという方がいらっしゃいます。この方が定期の記者会見を行っています。その内容を会見記録に基づいて紹介したいと思うんですが、こういうふうに述べています。
住宅金融公庫の
機能が縮小されるということについては、私
どもが
要望していることであり、そういう方向を望んでいるという基本的な
立場を述べた後に、さらに次のように発言をしています。
次に、民間に代替できるかという
意見についてであると。
住宅金融公庫融資は、長期、低利、また固定金利という商品性を持っている。これは、郵貯や簡易保険などで集めた資金に基づいた、マーケットに存在しないような超長期かつ低利の資金調達であって、さらに、一般会計からも年間五千億円前後の財政資金の補てんを得て成り立っているのである。こうした恩典なしに、今の民間の金融
機関が全く同じ条件でローンを行うことは採算上難しいと、このようにはっきりと言っているんですね。つまり、長期、固定、低利という住宅ローンの三つの条件を満たすことは困難だと言っているんです。
三つのうちの金利についてだけ次のように
会長は言っています。
特に、
政策的に市場金利より低利なものを提供すべきだという形で国の
政策目的が置かれるのであれば、これについては例えば利子補給を行うことや、また税制上の所得控除や税額控除といった恩典を与えることなど、国が一般会計を通じて直接に住宅
政策を行うという道もあると、こういうふうに
会長は言っています。
現在、
住宅金融公庫が行っている住宅融資は
国民にとって本当に必要なんだと、それとも必要でないのか、こういう肝心の問題の明確な私は討論が必要だと思いますが、そういうものを明確にすることなく、
廃止とか
民営化とか叫ばれていることに対して私はとても重大な危惧を抱いています。
せんだってですけれ
ども、週刊住宅情報というのがありますね、ここが雑誌のアンケート
調査をしています。家を買いたい人は公庫
廃止に困惑しているという、八割近くが公庫の存続を希望しているという結果も出ているんです。さらに、公庫
廃止になると約三割の人が住宅購入を見送るという状態も出ていると、こういう報告をしています。ですから、本当に今日の深刻な不況から見ても私は重大な結果だと思うんです。
現在、公庫が行っている長期、固定、低利の住宅ローンは民間金融
機関では肩がわりできないという銀行側の評価と、
住宅金融公庫は必要だという
国民の声を扇
大臣はどのように受けとめて、公庫の
廃止とか
民営化に今臨んでいるのかという点を一点お聞きしたい。
また、長期、固定、低利のうち、低利だけなら一般会計から利子補給などの恩典をもらえば銀行でもできると。これが民間にできることは民間に任せていくとか民間活力とかということになるのかと。今後、少なくとも
政府の中では民業圧迫とか、こういう
言葉は私は軽々しく使わないように提案していただきたいなと思うんです。
先ほど住宅
局長が民業圧迫には当たらないということをはっきりと申されましたけれ
ども、その点について
大臣はどのように思っていらっしゃるか、お
伺いしたいと思います。