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2001-11-07 第153回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年十一月七日(水曜日) 午後一時開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。 会 長
関谷
勝嗣君
理 事
世耕
弘成君
山崎 力君 山本 一太君
藁科
滿治
君 沢 たまき君 緒方 靖夫君 委 員 入澤 肇君 小林 温君
西銘順志郎
君
野上浩太郎
君 舛添 要一君 森元 恒雄君 吉田 博美君 今井 澄君 小川 勝也君 佐藤 雄平君 山根 隆治君 若林 秀樹君 高野
博師
君 井上 哲士君 大田 昌秀君 田村 秀昭君
事務局側
第一
特別調査室
長
鴫谷
潤君
政府参考人
外務省総合外交
政策局国際社会
協力部長
高橋
恒一
君
外務省経済協力
局長
西田
恒夫
君
財務省国際局長
溝口善兵衛
君
文部科学省国際
統括官
白川
哲久
君
経済産業省貿易
経済協力局長
林
洋和
君 ───────────── 本日の
会議
に付した
案件
○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○国際問題に関する
調査
(第四期
調査会
の
ODA
に関する
提言
と
政府施
策の
現状
について) ─────────────
関谷勝嗣
1
○
会長
(
関谷勝嗣君
) ただいまから国際問題に関する
調査会
を開会いたします。 本
調査会
の
調査テーマ
について御
報告
いたします。 本
調査会
の
調査テーマ
につきましては、
理事会等
で
協議
いたしました結果、お
手元
に配付しておりますとおり、三年間を通じた
調査テーマ
は「新しい共存の時代における
日本
の
役割
」と決定をいたしました。 また、この
調査テーマ
の
もと
、
具体的調査項目
につきましては、
イスラム世界
と
日本
の
対応
、
国際経済
として、グローバリゼーションと
国際経済
、
東アジア経済
の
現状
と展望及び
貧困
の
削減
と
世界経済
の
持続的発展
、地球
環境
問題の
現状
と
日本
の
取り組み
並びに
アジア太平洋
の
安全保障
などについて
協議
を進めていくことといたします。 何とぞ
委員各位
の御
協力
をお願い申し上げます。 ─────────────
関谷勝嗣
2
○
会長
(
関谷勝嗣君
)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りをいたします。 国際問題に関する
調査
のため、本日の
調査会
に
外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一
君、
外務省経済協力局長西田恒夫
君、
財務省国際局長溝口善兵衛
君、
文部科学省国際統括官白川哲久
君及び
経済産業省貿易経済協力局長林洋和
君を
政府参考人
として
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
関谷勝嗣
3
○
会長
(
関谷勝嗣君
) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
関谷勝嗣
4
○
会長
(
関谷勝嗣君
) 国際問題に関する
調査
を議題といたします。 本日は、過去の
調査会
の
報告
の
フォローアップ
として、第四期
調査会
の
ODA
に関する
提言
と
政府施策
の
現状
について
政府
から三十分
程度報告
を聴取した後、午後四時ごろまでを目途に質疑を行いますので、御
協力
をお願いいたします。 それでは、まず
政府
から
報告
を聴取いたします。
報告
は、着席のままで結構でございます。
外務省経済協力局長西田恒夫
君。
西田恒夫
5
○
政府参考人
(
西田恒夫
君)
外務省経済協力局長
の西田でございます。座ったままで発言をさせていただきます。 二十一世紀に入りまして、
我が国
の
ODA
をめぐる情勢は極めて内外ともに大きな変化の中にございます。国内におきましては厳しい
経済財政事情
の中、
ODA
にも厳しい目が向けられております。また、内閣としまして聖域なき
構造改革
のもと、来年度予算におきましては
ODA予算
一〇%削減の方針が明らかにされております。 このような中で、
政府
といたしましては
ODA
の適正かつ効果的、効率的な実施にこれまで以上に努力する必要があると考えております。 また、
情報公開
の推進を初め、その
透明性
の向上に努力を払ってまいる考えでございます。
国際社会
に目を向けますれば、世界では
グローバル化
の急速な進展に伴い
世界的規模
で進歩と繁栄が見られる一方、多くの
途上国
におきましてはその恩恵を享受し得ず、さまざまな格差が生じております。加えまして、環境、
感染症
、紛争等々、地球的な規模の問題が人類全体が取り組むべき喫緊の課題となっております。 特に、今回の米国におきます
同時多発テロ事件
以降の
国際情勢
の流れは、テロとの戦い、
アフガン難民
の問題、
アフガン
及び
周辺国
の平和と安定、さらにテロの土壌にもなり得る
途上国
の
貧困問題等
に対しまして
我が国
がどのような役割を果たし得るかという極めて重要な問題を投げかけております。 こうした状況のもとで、
ODA
を通じた日本の役割に対しましては、
途上国
を初め
国際社会
からこれまで以上の高い期待が寄せられております。
我が国
がこうして
国際社会
の期待を真剣に受けとめ積極的にこたえていくことは、日本の
国際社会
からの信頼を培い、
日本自身
の
国益確保
につながるものと考えております。 平成十年六月に出されました
国際問題調査会
の御
提言
には、
ODA
の
あり方
について貴重な御
提言
が数多く含まれております。
フォローアップ状況
につきまして後ほどその詳細、説明をさせていただきますが、
政府
としましても、御
提言
をいただいて以降、
ODA
に関する
中期政策
の
策定等
、その
提言
に沿った形で
ODA改革
を進めてまいっております。さらに、ことし五月には
外務大臣
の
私的懇談会
としまして第二次
ODA改革懇談会
を設置し、今後の
ODA
の
あり方
について精力的な議論を行っていただいておるところでございます。
政府
といたしましては、今後とも
ODA改革
に引き続き全力を挙げて努めてまいる所存でございます。 次に、御
提言
をいただきました各項目につきまして、その詳細を御報告させていただきたいと考えております。
政府
としましては、
先ほど
も申し上げましたが、この
提言
をいただき
ODA中期政策
や
国別援助計画
を策定したほか、
国民参加
型の
援助
を推進するなど、
ODA
に対する国民の理解と支持を得ながら、効果的、効率的に
ODA
を実施するための改革に積極的に取り組んでまいりました。 お手元に、
政府施策
の現状につきまして事前に資料を提出させていただいておりますが、以下、各
項目ごと
に従いまして概要を御説明いたしたいと思います。
提言
の十一、「
ODA大綱原則
の運用の
透明性
の向上」。
ODA大綱
の運用の
透明性
をさらに向上すべしとの御
提言
でございます。
政府
といたしましては、これまで毎年
我が国
の
政府開発援助
の
実施状況
、いわゆる
年次報告
でございますが、そこにおきまして
政府開発援助大綱
の
運用状況
に関する項目を設け、
具体例
を掲載してきております。本件につきましては、今後ともさらなる
情報公開
に努めてまいる所存でございます。
提言
の十二、「
ODA大綱
の
見直し
」。地球規模問題、
地雷除去対策
、新
開発戦略
の
策定等
の新たな動きに対応するため、
ODA大綱
の
見直し
に着手すべしとの御
提言
でございます。
ODA大綱
は、御案内のとおり、
我が国
の
援助
の実績、経験、教訓を踏まえまして
我が国援助方針
を集大成し、
援助
の
基本理念
、
原則等
を明確にした
ODA
の最重要の
基本文書
でございます。平成十一年八月には、五年程度を念頭に置きまして
我が国ODA
の基本的な
考え方
、
重点課題
、
地域別援助
の
あり方等
を明らかにするため、
政府開発援助
に関する
中期政策
を策定いたしました。
中期政策
には、指摘されております地球規模問題、
地雷除去対策
、新
開発戦略等
への対応についても明記をさせていただいております。
提言
の十三、「
援助基準
の
多様化
」。
援助対象国
・地域の
認定等
に当たりまして、経済的な指標のみならず
地域間格差
あるいは
人間開発指数等
にも配意し、
援助基準
の
多様化
に努めるべしとの御
提言
でございます。
ODA
の
対象国
・地域の認定に当たりましては、一人
当たりGNP
などの
経済的指標
は一応の指針となるものと考えられ、
国際社会
においても広く用いられてきているところでございます。 他方、具体的な
ODA
の供与に際しましては、
調査団
の派遣あるいは
政策協議等
を通じまして、
相手国
の
経済社会開発状況
、地域間の格差あるいは
特殊事情等
を
十分把握
の上、また
ニーズ
を十分に踏まえ、効果的な
援助
の実施に努めてきております。
提言
の十四、「
ODA
の量の確保への配意」。
適正規模
の
ODA予算
が継続して確保されるよう検討すべしとの御
提言
でございます。
ODA
は、軍事的な手段を有しない
我が国
にとりまして最も重要な
外交手段
でございます。
我が国外交
を効果的かつ円滑に実施していく上で、
ODA
の果たす役割は極めて重要であります。
政府
としましては、厳しい
経済財政状況
のもと、
ODA
の効果的、
効率的実施
に努めてきておりますが、ますます
多様化
、複雑化してまいります
開発途上国
の課題に適切に対応するためには、
適正規模
の
ODA予算
を確保していく必要があると考えております。この点につきましては、引き続き皆様の御理解と御
協力
のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
提言
の十五、「
ODA
の質の向上、
人材育成
・
知的支援
の推進と
関連体制
の整備」。まず、
途上国
の
人材育成
、
知的支援
を推進すべしとの御
提言
でございます。
途上国
の
人材育成
や
知的支援
は、
政府開発援助
に関する
中期政策
におきましても
重要課題
の一つとしております。 具体的な
取り組み
としては、
専門家
の派遣、
研修員
の
受け入れ等
、さまざまな
技術協力
の形態を組み合わせた
重要中枢政策支援
という
枠組み
のもとで、
相手国
との緊密な対話を通じ、例えばカンボジアへの
法整備支援
、ジョルダンへの
産業政策支援等
を行ってきております。また、
ベトナム
では、対
ベトナム総合政策支援
の名のもとに、日本、
ベトナム双方
で合意された
テーマ
につきまして、日本の学者と
ベトナム
の
政策当局者
が共同で研究を行い、
政策提言
を行いました。また、現在、ミャンマーにつきましても同様の
取り組み
を行っておるところでございます。 次に、
専門家
の
登録制度
や
公募制度
の
本格的導入
により、広範な対象の中から適切な人材の確保を早急に進めるべしとの御
提言
でございます。 従来より
専門家
の
登録制度
、
公募制度
を実施し、幅広い層から質の高い
専門家
の確保に努めてまいりましたが、本年度からは、従来の制度では人材の確保が困難な
ニーズ
に対応するため、
民間企業
との
委託契約
による
専門家派遣制度
も導入しております。
提言
の十六、「有償・
無償資金協力
・
技術協力
の連携の強化、
多国間援助
と二
国間援助
との
バランス
への配意」。まず、有償・
無償資金協力
・
技術協力
の連携をより一層強化し、適正かつ効果的な
ODA
の実施に努めるべしとの御
提言
でございます。 先般の
行政改革
に伴いまして、平成十三年一月から
外務省
が
有償資金協力
の
調整官庁
となり、
有償資金協力
、
無償資金協力
及び
技術協力
の連携を保ちつつ
ODA
を実施する体制が整備されました。 また、平成十三年度におきましては、
セクタープログラム開発調査
を導入いたしました。この制度のもとでは、
特定分野
を対象とした総合的な
開発政策
を策定した上で、その分野に対する
技術協力
あるいは
資金協力
の連携のとれた実施を図ることを目指すものでございます。 さらに、平成十年度におきましては、円借事業の
実施設計調査部門
を
JICA
のスキームで実施する制度も導入をいたしております。加えまして、平成十年度には
資金協力連携専門家制度
を導入しまして、
我が国
の
専門家
が
ODA案件
の発掘・
形成支援
、監理・
指導等
を実施する
取り組み
を行っております。 次に、
多国間援助
と二
国間援助
の適正な
バランス確保
について検討を深めるべしとの御
提言
でございます。 二
国間援助
には、
我が国
の顔が見える
援助
を推進しやすいという長所がございます。また、
多国間援助
には、
国際機関
の
専門知識
、
世界的ネットワーク
を活用できるなどの長所がございます。
政府
としましては、それぞれの長所を踏まえまして、具体的な課題に応じて最も適切な方法を選択すべく努力をしてきておるところでございます。
提言
の十七、「
環境ODA
の重視と人材の確保」。
環境ODA
の量的な拡充、
質的向上
に引き続き努めるとともに、環境問題の解決に向けた
開発途上国
の自発的な
取り組み
を促すよう努力すべしとの御
提言
でございます。
我が国
の二国間の
ODA
に占めます
環境分野
の割合は、平成十年度におきまして約二六%でございましたが、その後、平成十一年、平成十二年度におきましては三〇%以上に上っております。 特に、気候変動問題につきましては、平成九年十二月の
気候変動枠組条約
第三回
締約国会議
、いわゆるCOP3でございますが、で表明をされました
京都イニシアチブ
に基づき、
人づくり
への
協力
、最
優遇条件
による円借、
我が国
の技術・経験の活用の三本柱を着実に実施してきているところでございます。 また、
我が国
は、
地球環境保全
を目的とするさまざまな国際的な
枠組み
の策定にも貢献をしてきておりますほか、国連への
拠出等
も通じまして
途上国
における
人材育成支援
を図ってきておるところでございます。なお、
我が国
は、あらゆる
援助政策協議
の場を利用しまして、環境問題に対する
開発途上国
の自発的な
取り組み
を働きかけてきております。 次に、
企業OB等
に対し
技術協力参加
の
機会増大
を図るなどして
環境分野
の人材の確保に努力すべしとの御
提言
でございます。
環境分野
の
技術協力
におきまして、
企業OB
などを活用すべく、
環境教育
、
廃棄物
の処理、都市の
排水技術
などの分野でいわゆる
シニア海外ボランティア
を派遣してきております。平成十二年度におきましては、
環境分野
で十五名の
シニア海外ボランティア
の方に活躍をしていただいております。
提言
の十八、「
社会開発分野
の重視」。
社会開発分野
を一層重視し、新
開発戦略
が掲げる諸目標の実現に向けて積極的に取り組むべしとの御
提言
でございます。
政府
は、
政府開発援助
に関する
中期政策
におきまして
社会開発分野
への支援を
ODA
の
重点課題
と明記し、同分野への支援を積極的に行ってきております。二国間の
ODA
におきます
社会開発分野
の比率は、平成十年、約二〇%でございましたが、本年、平成十三年におきましては約二五%となっております。
提言
の十九、「
国別援助方針
の充実による
国別援助計画
の策定と
関連体制
の整備」。まず、
国別援助計画
を策定し、公表すべしとの御
提言
でございます。
政府
は、
途上国
の政治・経済・
社会情勢
、開発上の
課題等
を十分勘案した上で、効果的、効率的な
ODA
を実施するため、
国別援助計画
を順次策定させていただいております。最近では、中国についての
国別援助計画
を発表いたしましたが、中国を含め既に十カ国分について策定し、
外務省
の
ODAホームページ等
に掲載をいたしております。 次に、
現地体制
の強化を進めるとともに、
実施機関
においては地域的な対応の充実を図られるよう
見直し
を進めるべしとの御
提言
でございます。
国際協力事業団
、
JICA
では、現在、世界五十六カ所に
在外事務所
を展開し、各
在外事務所
において
企画調査員等
を活用し、
現地体制
の強化を進めてきております。また、本部におきましても、
地域別
の対応を強化すべく、四つの
地域部
を設置しております。
国際協力銀行
、
JBIC
では、現在、世界二十七カ所に
海外駐在員事務所
を展開しており、各
海外駐在員事務所
において
現地体制
の強化を図っております。また、本部では、地域的な対応を強化すべく、やはり四つの
地域部
を設けております。
提言
の二十、「
ODA中期政策
の策定の検討」。政策の
方向性
、
ODA
の
質的向上
の具体的な方途、重点的な
配分地域
・
分野等
を明らかにする
中期政策
を策定し、必要に応じて
見直し
を行うことを検討すべしとの御
提言
でございます。
政府
では、
先ほど
も言及いたしましたが、平成十一年八月十日に
政府開発援助
に関する
中期政策
を策定し、五年間程度を念頭に置きまして、
我が国ODA
の基本的な
考え方
、
重要課題
について記述するとともに、
地域別
の
援助
の
あり方
、実施・運用上の
留意点等
を明確化すべく努めてきてまいりました。
提言
の二十一、「
援助実施体制
の
見直し
、
現地機関
への
権限委譲
の促進、
援助実施要員
の確保」。まず、適正かつ効果的な
援助実施体制
を構築するため、
政策機関
、
実施機関
について一元化の方向で体制の
見直し
に向け検討に着手すべしとの御
提言
でございます。 先般の
行政改革
では、御案内のとおり、
中央省庁等改革基本法
におきまして、
外務省
が
ODA
に関する全体的な
企画等
につきまして
政府
全体を通じる調整の中核としての機能を担う
旨規定
をされました。これを受けまして、
外務省
は、
関係省庁
との
連携強化
のため、次のような
取り組み
を実施してまいりました。 まず、平成十二年より
局長レベル
の
政府開発援助関係省庁連絡協議会
を定期的に開催してきております。また、
技術協力
につきましては、平成九年より
技術協力事業関係省庁連絡会議
を開催しているほか、平成十三年よりは、評価につきましても
ODA関係省庁評価部門連絡会議
を開催してきておるところでございます。 次に、現地の機関への
権限委譲
を一層促進すべしとの御
提言
でございます。
政府
は、
経済協力
の各分野において
権限委譲
を実施してきております。
技術協力
につきましては、
外務省
から
国際協力事業団
、
JICA
に対してこれまでに七十五カ国において
事業実施段階
の業務の
権限委譲
を実施してきております。また、
有償資金協力
につきましては、
JBIC
において
駐在員事務所
への
案件監理
の
権限委譲
を順次進めてきております。
援助実施要員
の着実な増員に努めるとともに、
相手国
の事情に精通した
現地専門家
の採用を積極的に図るべしとの御
提言
でございます。
定員削減
の流れの中、
政府
、
援助実施機関
を含め
援助定員
は削減されてきております。このような中で、
企画調査員
、
草の根調査員等
を活用しまして
援助
の
実施体制
の強化に努めてきております。 また、現地の事情に精通した現地の
コンサルタント
、現地の
専門家
を積極的に活用しまして、案件の発掘、
事前調査
、
フォローアップ等
を行わしめておるところでございます。
提言
の二十二、「
援助供与国
・
国際機関
の
比較優位性
を活かした
援助システム
の構築」。 まず、他の
援助国
、
国際機関
と
政策協議
・協調を緊密に進め、各
援助国等
の
比較優位性
を生かした
援助システム
を樹立するとともに、その際、
我が国
は主導的な役割を果たすべしとの御
提言
につきましては、
我が国
は主要な
援助国
及び
国際機関
との間で
援助政策協議
を積極的に推進しており、このような場を通じまして
我が国
の
考え方
を主張し、また国際的な
援助システム
の構築に主導的な役割を果たすべく努めてきております。 また、現地におきます
援助協調
の動きが活発化する今日、
我が国
は現地で開催される
政策協議等
に積極的に参加し、
我が国
の比較優位を生かした
援助
の実施に努めてきているところでございます。 次に、
南南協力
の推進への支援に十分配意すべしとの御
提言
でございます。
我が国
は、従来より
南南協力
の意義に着目し、
国際会議
の場においてその
重要性
を強調してきております。
我が国
は、
技術協力
あるいは
国際機関
への
拠出等
を通じまして
南南協力
を積極的に支援してきており、
途上国
から高い評価を受けているところでございます。
提言
の二十三、「
国民参加型援助
の推進」。 まず、
国民参加型援助
の推進を強化すべしとの御
提言
につきましては、
提言
二十四の関連で詳細を説明いたしますが、さまざまな
支援制度
を通じまして
NGO活動
に対する支援を積極的に進めてまいりました。また、
青年海外協力隊
あるいは
シニア海外ボランティア
の
派遣事業
を拡充し、国内のすぐれた人材を活用した
国際協力
にも努めているところでございます。 次に、
地方自治体
が行う
開発援助
に対する支援。
地方自治体
との連携を強化し、そのノウハウを積極的に活用すべしとの御
提言
につきましては、
JICA
は、
地方自治体
による
国際協力事業
を側面支援すべく、平成十三年度におきまして二十六の
地方自治体
に対し
国際協力推進員
を配置してきております。また、
JICA
は、
地方自治体
を
受け入れ機関
として
技術研修員
を受け入れるほか、
地方自治体職員
を
専門家
としても派遣いたしております。 さらに
政府
は、
地方自治体
が
開発途上国
に対して行っております
草の根レベル
のプロジェクトに対して
財政的支援
を行ってきているところでございます。
提言
の二十四、「
NGO
との連携の強化」。
NGO
との連携を強化すべしとの御
提言
でございます。
政府
は、
NGO
に対する支援、
NGO
との連携を強化してきております。例えば、
NGO
の活動を支援するための予算を拡充してまいりました。
草の根無償資金協力予算
につきましては、平成十年度五十七億円、平成十三年度には百億円に倍増しております。 また、
NGO
、
経済界
及び
政府
が連携
協力
して、より効率的かつ迅速な
緊急人道支援
を行うための体制としまして
ジャパン
・
プラットフォーム
が平成十二年八月に発足いたしました。
政府
は、これに対する支援として五億八千万円を拠出しております。
ジャパン
・
プラットフォーム
は、インドの
地震災害
、また最近では
アフガニスタン難民支援
で
支援活動
を実施してきております。 平成十一年度に導入しました
NGO活動環境整備支援事業
では、
NGO職員向け
に
運営管理等
に関する
実務セミナー
、
短期研修
を実施し、
NGO
の
人材育成面
での支援を行ってきております。このほか、
NGO
・
外務省定期協議会
を開催するなど、
NGO
との対話に努めてきております。
国別援助計画
の策定に当たりましても、
NGO
からの意見を計画に反映するように努力をいたしておるところでございます。
NGO
の参加を得た
案件形成
、
NGO
との
共同評価
というようなものも実施してきております。
提言
の二十五、「
援助評価活動
の充実」。多様な視点からの
第三者評価
をより一層進めるべしとの御
提言
につきましては、
ODA評価
の
客観性
、
透明性
を高めるため、
NGO
、海外の
専門家
、
国際機関職員
、
コンサルタント等
による
第三者評価
の拡充を行ってきております。 次に、評価結果を
次年度
以降の
ODA実施計画
の策定及び
案件形成
に反映させるよう努めるべしとの御
提言
でございます。 評価結果につきましては、毎年一回、
経済協力評価報告書
として公表しているほか、昨年七月からは
外務省ODAホームページ
での公表も開始いたしました。また、評価結果を今後の
案件形成等
に反映するため、本年一月、
外務省内部
に、
外務省
、
JICA
、
JBIC関係者
から成ります
評価フィードバック委員会
を設置いたしました。 評価に当たって、
外務省
と
関係省庁
、
実施機関
との間の連携をさらに強化すべしとの御
提言
でございます。
ODA関係省庁
間の連携をさらに推進するため、
先ほど
申し上げましたが、平成十三年、
ODA関係省庁評価部門連絡会議
を設置いたしました。
提言
の二十六、「
情報公開
及び
広報活動
の拡充」。
ODA
に対する国民の理解、支持、参加を得るため、
情報公開
、広報を拡充すべきとの御
提言
です。
政府
は、
ODA
の
情報公開
、広報に力を入れております。
具体例
を幾つか紹介いたします。 まず、
外務省ODAホームページ
及び
ODA
白書等を通じ
ODA
関連の
情報公開
に努めております。また、平成十一年度よりは、
ODA
民間モニター制度を導入しまして、一般国民から公募したモニターを
途上国
に派遣し、
ODA
プロジェクトを直接視察、報告書を提出いただいております。平成十二年度には百四名の民間モニターを派遣いたしました。 東京にございます
国際協力
プラザでは、
ODA
に関する市民への窓口としまして、
ODA
に関する情報提供を行っております。また、東京以外、全国五十カ所にも
国際協力
プラザコーナーを設け、資料配布を行っております。このほか、平成十二年から、毎週土曜日、
ODA
紹介番組を放送しております。 平成十三年八月から九月にかけましては、タウンミーティングを全国各地、東京、神戸、仙台、福岡で開催し、
ODA
に対する国民の生の声を聴取いたしております。
提言
の二十七、「開発教育の推進」。まず、初等中等教育において開発教育を積極的に行うべしとの御
提言
でございます。 平成十三年から、小中学校用の開発教材「開発教育・国際理解教育ハンドブック」を製作、配付いたしております。また、学習指導要領におきまして、
国際協力
の必要性、
国際社会
における
我が国
の役割について理解させることといたしております。 次に、大学、社会教育の場においても
開発援助
に関する充実した授業科目や公開講座等を開設できるよう努めるべしとの御
提言
でございます。 大学では、近年、
途上国
の経済発展の事例を取り上げ、
ODA
の役割と課題を理解させるような特色のある授業科目が開設されていると承知をしております。また、
開発援助
を大学の履修単位として認定する仕組みを検討すべしとの御
提言
につきましては、例えば広島大学大学院
国際協力
研究科では、
青年海外協力隊
に参加した学生が一定の単位を取得でき、またそれも含め修士号を取得することができるという制度を創設されたというふうに伺っております。 最後に、大学生に対して
開発援助
の実務研修を行わせる制度を拡充すべしとの御
提言
でございます。
JICA
では、将来
援助
人材として有望な大学院生に対しまして実務研修の機会を提供しております。この研修については、既に八つの大学院が単位を認定していると承知をしております。
提言
の二十八、「開発
協力
に携わる人材の育成・確保・活用、開発
協力
研究機関の拡充」。開発
協力
分野における
人材育成
を強化すべしとの御
提言
でございます。 神戸、名古屋、東京等の国立大学を中心にしまして、開発
協力
関連の講座、学科、研究科が創設をされております。財団法人の国際開発高等教育機構、FASIDは、これらの動きに講座の開設支援、講師派遣等を通じた
協力
をいたしております。また、平成十二年、FASIDと政策研究大学院大学が連携をいたしまして、同大学院政策研究科に博士前期課程国際開発プログラムを開設いたしました。このプログラムのもと、
国際機関
、
援助実施機関
、さらには
途上国
の中核となる人材の育成を図ってきております。 次に、
青年海外協力隊
の帰国隊員、
企業OB等
を活用すべしとの御
提言
でございます。 勤務先に身分を残したまま
協力
隊に参加できる現職参加の促進に努力をいたしております。特に平成十三年度からは、教員の方が現職を保持したままJOCVに参加しやすくするため、現職教員特別参加制度を導入いたしました。 また、帰国隊員の就職機会の拡大のため、進路相談カウンセラーを全国十七カ所に配置をしているほか、平成十三年度からは、帰国隊員の進路決定に際しまして教育訓練経費を補助する制度も導入いたしました。さらに、帰国隊員の能力活用のため、優秀な帰国隊員を
JICA
のジュニア専門員あるいは
国際協力推進員
等として登用をいたしております。
企業OB
の活用につきましては、
シニア海外ボランティア
制度を通じまして、四十歳から六十九歳までの中高年齢層を広く公募し、派遣をいたしておる次第でございます。 国際開発高等教育機構の研究体制の充実についての御
提言
でございます。 FASIDは、附属機関でございます国際開発研究センターの研究体制の拡充を行ってまいりました。同センターでは、
開発途上国
の地域研究、状況分析等、
我が国
の国際
開発戦略
に関する研究を実施しております。 以上、これまで大変駆け足でございますが、
ODA改革
の
取り組み
について概要を説明申し上げました。
政府
としましては、
ODA
に対する国民の理解、支持を得るためにも、
国民参加型援助
をさらに推進するとともに、広報及び評価を改善し、引き続き効果的で効率的な
ODA
を実施すべく努力を傾注してまいる所存でございます。よろしく御理解、御
協力
のほどをお願い申し上げます。 以上でございます。
関谷勝嗣
6
○
会長
(
関谷勝嗣君
) ありがとうございました。 以上で
報告
の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 本日は、あらかじめ質疑者を定めず、質疑応答を行います。 質疑を希望される方は、挙手の上、
会長
の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。 きょうは、理事会で決めたわけでございますが、まず大会派順に各会派一人一巡するよう指名をしていきたいと存じます。 また、できるだけ多くの委員の方々の質疑を行うことができるよう、委員の一回の発言時間は五分
程度
でお願いをいたしたいと思います。 なお、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず質疑のある方は挙手をお願いいたしますが、まず一巡を行いますので、山崎力君。
山崎力
7
○山崎力君 山崎でございます。長い御
報告
、ありがとうございます。 最初でございますので、大まかなところからお話を伺いたいと思いますが、我々の先輩がこの
提言
を、
国際問題調査会
として
提言
書をまとめて公表いたしました。それに対して、それに基づいてどのようなことを
外務省
その他なさってこられたかというのが今の御
報告
でございますが、手前みそになるかもしれませんけれども、ちょっと答えにくいかもしれないんですが、そこのところの問題。 すなわち、この
提言
というものが実質的にどの
程度
の効果があったのか。一番、ないということからいけば、言われなくてもやっておったわいというようなことから、実質総ざらいで
提言
が来たということは、自分たちの今やっていることについての少なくてもチェックの機能、この
提言
に対してはこれはどうなっているかいなと、これはやっているのだとしたらどの
程度
やっているか、あるいは気がつかなかったのか、その辺のところをまずお伺いしたいと思います。五分、一問一答で答えていただいていきたいと思いますが。
西田恒夫
8
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 今の御質問、まことにありがとうございます。 今まさに先生から御指摘がありましたように、今回の御
提言
は非常に包括的なものであったというのが特徴ではないかと思います。それからもう一つは、
提言
の中身が非常に具体性に富んでいるということで、委員会等々からいただく
提言
としては非常にユニークなものだというふうに考えております。 そのような御
提言
をいただきましたので、
先ほど
かいつまんで御
説明
しましたけれども、関係の各省それぞれ
協力
をさせていただきまして、できる限りの
対応
をさせていただくという姿勢で臨んできたつもりでございます。その意味では、もちろん満点では毛頭ございませんが、それなりの具体的な改善というものができたのではないかと考えておる次第でございます。
山崎力
9
○山崎力君 そういったところで、今の御
報告
で、私なりに
報告
ということができていないというか、それはもう難しい問題だとは思うんですが、二点お答え願って、次の方に譲りたいと思います。 一つは、
相手国
援助
のときのいろいろな論調があるんですけれども、要するに
援助
の相手先が
政府
なのかいわゆる
国民
、住民なのかというところの焦点の絞り方がその都度その都度決まってきている。それは国情にもよるでしょうけれども、この辺のところの御指摘が、
提言
にもなかったのかもしれませんけれども、陰ながらあったと私どもは思っておりますが、その辺の御回答というか、
報告
がなかったんではないかというのが一点。 それからもう一つは、
援助
の仕方で、コモンバスケット方式とそれから個別二国間というのが若干ございましたけれども、これは非常に難しい。簡単に言えば、コモンバスケットでもいいんだけれども、そこで一番金出している
日本
が、トンビに油揚げじゃないけれども、わずかしか出していないところに鼻面引き回される可能性があるというその不安ですね、
国民
に
説明
つかない。この辺のところの
現状
と、
課題
といいますか、将来的な見込みをどう考えているか、この二点、お伺いしたいと思います。
西田恒夫
10
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) お答えをいたします。 まず第一番目の
政府
あるいは
国民
どちらに視点を置いているのかということでございますが、もちろん究極的な視点といいますのは、その国の構成しております
国民
の一人一人というものの生活がより安定して、より安全なものであり、幸せにもなるということが
ODA
の究極の目標だというふうに考えております。 しかしながら、
ODA
は、
ODA
と言っている以上、
政府
、基本的にはGGベースで行われておりますので、いわゆる要請主義という理念もそうでございますが、先方が考えますやはり優先順位、
開発
ニーズ
というものは十分にそんたくをさせていただいて、まさに
政策
対話
を通じまして十分なすり合わせを行って、当国の
開発
、ひいては
国民
の幸せにつながる
援助
はどうなのかという
努力
をいたしてきております。 ただ、スキームとしましては、先生御
案内
のように、例えば草の根というように、必ずしも中央
政府
を相手にすることなく、先方の
地方自治体
でありますとか
NGO
と直接話をしまして、直接
国民
に裨益するような、そういう草の根のスキームというものを持っておりまして、これは大変高い
評価
をいただいていることは御
案内
のとおりでございます。 それから二番目の、いわゆるコモンバスケット等でございますが、コモンバスケットというのは今の段階では、非常に粗っぽい言い方をすれば、まだ基本的には理念、
考え方
ということでございまして、そういう意味では非常に試行錯誤の段階であろうというふうに我々は考えさせていただいております。 御指摘のように、特定の
状況
にあります特定の国の
開発
問題に
対応
するのにコモンバスケット方式というものがあるいはよりすぐれているということは、これは可能性と、あるいは理論的にはあり得るものというふうに我々も認識をいたしておりますが、しかし他方、やはり各国の
援助
需要にきめ細かく
対応
する、かつなお、その中において
日本
の顔が見えるというために、果たしてこのようないわばユニホームみたいな形の
援助
方式というものが適切かどうかということについては、
日本
政府
としては基本的には慎重に考えているというところでございます。
藁科滿治
11
○
藁科
滿治
君 ただいまの
現状
報告
で新しい
環境
に
対応
する
ODA
の
あり方
、いろんな面で
努力
の第一歩が進んでいるという
理解
はいたしました。ただ、成果はこれからということだろうと思います。 そこで、時間に制約がありますので、私はここで二点質問をさせていただきます。 第一点は、最近の
テロ
問題、根幹は
貧困
対策ということに戻ってくると思いますけれども、ここ数年来、サミットでも必ず
テロ
問題は主要
項目
に入ってきたと思うんですね。しかし、今回の事件の体験を通じて、ただ一つの
項目
という以上に非常に重大な教訓を残したと思うんですね。 そういう意味で、お話にもありましたけれども、このOECDで提起しております中長期的な目標、これはDACの具体的な数字も示しながら
方針
が出ておりますけれども、また昨年の沖縄サミットでは、
日本
の
政府
がかなり主導的にこういうものを基調にして合意に持っていったという
努力
もある。その上に立って
中期政策
というものが今具体的に
動き
出したわけで、まだ二年そこそこではありますけれども、どういう進捗
状況
なのか、それから掲げている戦略目標に果たして近づけるのかどうか、そこらの当面における見通しをひとつ伺いたいと思います。 それからもう一つは、
NGO
との
連携
、これもお話ございました。かなり具体的に
努力
していることも改めて勉強させてもらいました。しかし、今回の事件を含めて、やはり
現地
の
ニーズ
あるいはその成果のチェック、そういう意味で
ODA
との
連携
はまさに欠かせないと思うんですね。さきの本
会議
でも私は総理にその問題をめぐって質問をさせていただきまして、小泉総理からもさらにその関係を強めていかなけりゃいかぬという答弁をいただいているんですが、これから
強化
方針
として具体的にどんなことを考えておられるのか。 それから、あわせて
国内
、神戸・淡路地震の体験を含めて
我が国
も相当
ODA
のエネルギーがあるなということを改めて我々は認識したわけですけれども、しかし欧米の実態に比べると、まだ資金的な面でも、それから
人材
の面でも、それから国、行政の
環境
の問題でも、非常にまだまだ力不足だと思うんですね。ここでは何億
予算
をふやしたというようなあれがあったんですけれども、たしかこの
調査会
ではないんですが参議院の
調査会
で勉強に行ったことがあるんですね、アメリカ、カナダ。そのときに比べるとかなり進行しているけれども、まだ決定的に総合力がおくれていると私は思うんですが、そういう意味で、これから抜本的な
強化
策、そういうものについて考えがあれば、あわせて承りたいと思います。
西田恒夫
12
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 冒頭に、前向きに進んでいるではないかという御
評価
をいただきまして、まことにありがとうございます。 おっしゃられたとおり、御
提言
をいただきましてからも三年でございますし、それに従いましていろいろな
予算
措置を含め
努力
をしてきているのはまだこの二年ぐらいですから、まだその成果自身が出てくるのももう少し時間がかかるものというふうに考えておりますが、せっかくの御
提言
でありますし、さらに
努力
を継続していくということによって一歩一歩目標に近づいてまいりたいと思っております。 まず、第一番目の
テロ
の問題でございますが、御
案内
のように、これまで累次のサミットにおきまして
テロ
問題自身というものは取り上げられてまいりましたが、必ずしも
開発
というコンテクストの中では取り上げてきたことは余りなかったのではないかというふうに記憶をしております。その意味におきましては、今まさに先生御指摘のとおり、
テロ
というものとその背景にあると思われる
開発
問題、特に
貧困
の問題というものをこれほど直接に結びつけて
国際社会
が重く受けとめたのは今回が初めてではないかというふうに考えておる次第でございます。 先般、例えば
世界
銀行のウォルフェンソン総裁、あるいはUNDPのマロック・ブラウン総裁等おいでになり、総理初め主要な内閣のメンバーの方との意見交換等もされましたけれども、やはりこの問題が非常に大きな認識の問題としても、それから取り組むべき問題の大きさとしても未曾有の事態であるということについては、それぞれ関係者の方からも御意見が出され、また認識が一致しているんではないかと考えております。 それで、そのような意味で、
貧困
の問題について改めて新たな視野からこの問題に取り組むべきということについて意見の一致があるわけでございますが、これはなかなか非常に難しいというのがやはり関係者のまた共通の認識であろうと思います。特に今、
アフガン
をめぐる
情勢
につきまして、これが容易に我々の考えるような
状況
に持っていくための
努力
というものがそんなに簡単な道のりではないということについても、やはりこれは関係者の認識が国連も含めあるというふうに思われます。 そのような中で、
政府
としましては、当然のことながら中期目標にも掲げさせていただきましたこの
貧困
の解決という問題のために、これにはいろいろ道筋があろうかと思っております。
先ほど
も御
説明
しましたが、一つには直接的な
貧困
対策としての社会
開発
セクターに非常に大きな重点を移していくということと、やはり
貧困
というものが
経済
成長を通じて底上げをされていくという中で解決されていくべきというような
我が国
の伝統的な
考え方
もまだ有効であると我々は思っておりますので、やはり
経済
成長を長期的に達成するための
努力
というものをあわせて行っていくというふうに考えているところでございます。 解決、いわゆる
開発
目標に、じゃ近づいているのかということにつきましては、これは残念ながら特にLDCの方々から見ますると、約束はしてもらったけれどもなかなか解決に近づいていないではないかというようなところが、それぞれドナーの方から見ればこれだけの
努力
をしてきているということで、例えば初等教育に対するアクセスの問題でありますとか、それから絶対
貧困
の数の方が減っていくというようなところでいい数字も出てきておりますけれども、他方で、きのうかきょう出ました
世界
人口問題の白書なんかを見ましても、二〇五〇年には九十一億の
世界
の人口になるというときにふえる。これから、今六十億でございますから、三十億の方の多くの方がやはり非常に
貧困
の
状況
に置かれて出てくるというふうに考えざるを得ないというふうにも思われますので、この問題についてはやはり格段の
努力
をもって、やっぱり
国際社会
が挙げて
努力
をしていかなくちゃならぬということであろうかと思います。 それから二番目の、
NGO
との
連携
でございますが、これは確かに欧米の
NGO
先進国と申しますんでしょうか、に比べれば
我が国
の
NGO
はまだまだ、例えば
予算
的なものあるいは持っているエクスパーティーズ等々のものからも、必ずしも強力ではないと思われますが、しかし、
先ほど
も御紹介させていただきました
プラットフォーム
のように
緊急人道支援
等、あるいはこれまでも行ってまいった人口問題、あるいは
環境
、
感染症
というようなそれぞれの
分野
におきましては
世界
に十分伍していける
NGO
というものも育ってきておりますので、
政府
としましては、これまでのように
事業
だけではなくて、彼らの持っているキャパシティーをさらに
強化
するという形の
支援
というものも
導入
していく形でさらに
ODA
との
連携
を深めたいと考えている次第でございます。
沢たまき
13
○沢たまき君 今、
西田
局長
、ちょっとお話があったので
ODA
なんかの力をおかりするのかなと思いましたが、私はまず一点、
ODA
の一〇%の
予算
の
削減
について伺わせていただきます。 聖域なき
構造改革
という
政府
の八月の
方針
で、来
年度
の
予算
の概算が一〇%カットと発表されました。貴重な
国民
の税金と貯金を使うわけでございますから精査して
援助
すべきは当然のこととは思いますが、今、
藁科
先生もおっしゃっていましたけれども、私どもの党は人道的見地、なかんずく
貧困
、今出ましたね、文化、
環境
破壊、薬物、国際犯罪組織、
感染症
、女性、子供の虐待、対人地雷等の人間の生命と生存と生活と尊厳に対するこのさまざまな脅威を除去する人間の
安全保障
の実現のための
援助
は十分御配慮いただきたいと申し入れをしたところでございますが、報道によりますと、さきの亡くなった小渕元首相が国連に創設した人間の
安全保障
基金への拠出金が、ことし七十七億から二十億円と七四%の減額、また国連の難民高等弁務官の事務所にも二六%、それからWFPの拠出も三五%となっているんですが、この点ちょっと御
説明
いただきたいのが一点。 それともう一つ、これは
提言
と申しましょうか何と申しましょうか、今
局長
もおっしゃったように、
ODA
は最も重要な
我が国
の
外交手段
でありますが、ますますその
重要性
が増していると思っております。それゆえに、二十一世紀に入った新しい時代にふさわしい
経済協力
の理念、哲学を盛り込んだいわゆる
ODA
基本法を制定することが必要であると考えております。昨今のDACの新
開発戦略
、九六年五月ですか、
政府開発援助
に関する
中期政策
、九九年八月、に見られるように、人道的な
支援
とか社会
開発
の
重視
がうたわれておりますが、こうしたことから基本法の制定が不可欠であろうと思っております。 御存じのように、第四期
調査会
の最終
報告
の
提言
三十に
ODA
基本法案の骨子の定義が掲げられております。これは第一期
調査会
からの
ODA
に関する議論のいわば集大成でございますが、今後ともこの議論を継続して、
国際問題調査会
といたしましても、山本先生中心になさっていただいたようでございますが、基本法の制定に向けた
努力
を継続すべきだろうと思っております。これは、この場をおかりして、委員の皆様の御意見も伺えたらなと思っております。 それからもう一つは、文化のことなんでございますが、私はことしの五月の意見発表でもさせていただいたんですが、高い文化水準は尊敬の
対象
であると考えております。自国の文化を尊重し、また諸外国の文化も尊重するという姿勢が大変に重要であろうと思っております。その意味からも
我が国
政府
は
国内
の文化の保護育成に一層努めるべきであろうと思っております。残念ながら、
政府
の文化に対する
予算
額の比率は、諸外国に比較してもかなり低いと言えます。このような姿勢が
ODA
にも見られると思っております。ですから、
ODA
を活用し、
途上国
の文化財の保護、修理とか修復の作業を、
世界
遺産登録を積極的に
支援
することが重要であろうと思っております。
無償資金協力
の中に、文化無償
協力
もありますよね、まだ件数の上では不十分じゃないでしょうか。
途上国
の文化に対する
支援
の
重要性
についての御意見を伺いたいと思っております。よろしくお願いします。
西田恒夫
14
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 第一問につきましては
高橋
部長の方からお答えをさせていただきたいと思いますので、第二番目と第三番目の方について私の方からお答えをいたします。 基本法につきましては、
政府
といたしましても、いわゆる
ODA
というものを効果的、効率的に、あるいは
透明性
を持って進めていくという上において、一つの
考え方
であるというふうに承知をいたしております。他方、御
案内
のように、
先ほど
御
説明
させていただきましたけれども、外交の
実施
上の大きな
手段
という面も
ODA
は持っておりますものですから、そのような外交というものが、今回の
テロ
事件でもございますが、やはり非常に機動的に
対応
しなきゃならないという側面も持っておりますので、外交の
実施
上の
ODA
におけるそのような機動性というようなものが間違っても損なわれてはいけないというような点について、我々
外務省
、それから
政府
としましては、全体といたしまして基本法についての議論については慎重に
対応
してまいりたいというところでございます。 それから、二番目の文化でございますが、これは
国内
における文化の話は私たち
外務省
ではございませんので、別途、文部科学省等の方からお話あろうかとも思いますけれども、いわゆる文化無償につきましては、まだ概算要求の段階でございますからどうこう言うお話ではございませんけれども、今回の概算要求の中では文化無償については、全体の一〇%カットの中におきましては、そのような高い形ではなくてより優遇という形で処理をさせていただいているというふうに承知をいたしております。 他方、文化というものを
ODA
でどこまでやるのかということについてはいろいろ御議論があるのは先生御
案内
のとおりでございまして、
ODA
は突き詰めればやはりその
国民
のいわゆる
開発
問題ということでございますので、
開発
というものとかかわるところにおいて
ODA
というものが発動されるのかなというのが基本的な
政府
の
考え方
でございまして、しかし同時に、ただいま御指摘もございましたけれども、貴重な文化遺産の保全等におきまして
日本
が比較優位の
技術
を持っているというようなところも多々ございますので、そのような
日本
がやはり
国際社会
に提供できるある種の
技術
的なサービスというような意味も含めて、
ODA
が発動する部分については積極的にこれを
支援
してまいりたいというふうに考えているところでございます。
高橋恒一
15
○
政府参考人
(
高橋
恒一
君)
外務省
国際社会
協力部長
の
高橋
でございます。 先生の第一の質問でございますが、
ODA
の一〇%
予算
削減
の影響といいますのは、もちろんバイの
援助
だけじゃなくて
国際機関
にも非常に深刻な影響を及ぼしておりまして、概算要求の段階で、
平成
十四
年度
、明
年度
の拠出金に係る
予算
については五百二億円を要求させていただいております。これは前
年度
と比較しますと二一%減となっております。 これ、なぜ一〇%ではないかといいますのは、
国際機関
に出すお金は分担金、義務的なものと、それから
政策
で出す拠出金というのがございまして、分担金の方はこれはもう選択の余地ないものでございますから、まずそちらの方は一〇〇%やらざるを得ないということになります。ですから、そちらの方でまず必要な円貨の
予算
をとらざるを得ません。そして、それをやる場合に、先生が
先ほど
おっしゃいました例えばUNHCR、四〇%近いというのは、これはドルの換算でございます。 それで、今
年度
の
予算
とそれから来
年度
の
予算
を比べますと、円ドルレートの計算がむしろ円安ということで計算せざるを得ませんので、要するに分担金を払う、ドルで払うための円がちょっとふやさなくちゃいけない。そういうことで、拠出金の方にしわ寄せがたくさん行っております。それで、拠出金で持っている
国際機関
というのは押しなべまして大変厳しい。平均で、
先ほど
申しましたように二一%という
削減
になっております。その中でも、先生が挙げましたところはそれよりもさらに大きくなっておるというのが問題なんだと思います。 人間の
安全保障
基金に関しましては、これは私ども小渕総理のときに打ち出した、二十一世紀におきますグローバルないろいろな紛争、それから
貧困
の中で、まさに個々人が大変存在の危機に迫られている、そういう紛争と
テロ
、そんなものと、それからあと貧しさ、あと病気、そういうものから個人を、それをどう守るかという観点から新たに
構築
された
考え方
でございまして、従来のアプローチとはちょっと違うことを国連の
機関
を通じて、国連の持っておりますさまざまな専門
機関
を通じまして、なおかつ
我が国
の
NGO
だとかそういうものとうまくかみ合わせて
対応
していくということで設立したものでございまして、私ども担当しておる局といたしましては、できる限り多くをもちろん希望しておるわけでございますけれども、概算要求の段階におきましては、御
案内
のように昨
年度
七十七億円が二十億円ということになっておりますが、これは、私ど
もと
しましてはもう少し出していただければというふうに思っておりますので、御
支援
いただければというふうに思います。 それから、UNHCR、WFPにつきましても、確かに円で見ましてもUNHCRが二六%、それからWFPにつきましては三五%のマイナス数字になっております。ですから、ドルですともっとになります。 これも私ど
もと
しましては、少なくとも
国際社会
協力
部の観点からすればもう少しふやしていただきたいということはあるわけでございますけれども、しかし、これは
ODA予算
全体の形をどういうふうに、
先ほど
西田
局長
の方から話がありましたように、
我が国
の
ODA予算
は、現下の
情勢
の中で二国間の
援助
とマルチの
援助
をどういうふうな
バランス
をとりながらやるのが一番いいのかというまさに政治的な決定に係る問題であろうと思います。 私ど
もと
しましては、少なくともUNHCR、WFP、そういえば今一番問題になっておりますアフガニスタンの難民、避難民への
支援
で大変重要な
役割
をこれから果たすわけでございます、現在も果たしておりますが。それに対しては、十月の四日に官房長官から発表させていただきました
国際機関
のドナーアラートの二〇%に当たります一億二千万ドル、百四十五億円、
日本
はマキシマムでやる用意があるという一応今プレッジをしてありますので、その枠内でこうした
機関
が、もう既にUNHCRには第一陣といたしまして六百万ドルの
協力
につきまして決定をしておりますが、WFPその他の
援助
機関
につきましても、具体的な要請に応じましてできる限り前向きに応じていくということはやらせていただくつもりでございます。 ただ、これと来
年度
の拠出をどうするかというのはもちろん別の話ではございますので、そちらの方も引き続き
検討
は、
努力
はさせていただきたいと思っております。 以上でございます。
白川哲久
16
○
政府参考人
(
白川
哲久
君) 今、沢先生の方から文化についての御指摘がございました。 私ども文部科学省といたしましても、
国際社会
におきまして文化の振興ということが、先進国のみならず
開発途上国
の発展のためにも不可欠な要素である、こういうふうに認識をしておりまして、そういう認識はだんだん広まっておるというふうに考えております。また、
日本
文化への関心の高まりもございますし、
我が国
が文化を通した国際貢献を進めることへの
期待
も増大をしてきておるというふうに考えております。
先ほど
西田
局長
の方から文化についての御
説明
がございました。沢先生もお話しになりました例えば
世界
遺産の
関連
の保存、修復の
事業
、そういうものにつきましては、私ども文部科学省の方は、エクスパーティーズと申しますか専門の
技術
を持っておりますので、これまでも
努力
をしてきたところでございますけれども、そういった
海外
の文化財を保存、修復するための
技術協力
であるとか
共同
研究、そういうことにつきましては今後とも積極的に
対応
していきたいというふうに考えております。
緒方靖夫
17
○緒方靖夫君
日本
共産党の緒方靖夫です。
ODA
は、
ODA
対象国
の
期待
が非常に大きいわけですし、それだけに被
援助国
の
ニーズ
に合致した正確な執行が非常に重要だということを痛感いたします。
世界
の主要国との比較で
日本
の
ODA
の特徴、これを私なりに考えると、一つは人道性の高い食糧
援助
、最貧国に向けた
援助
、これの額が少ないと思います。統計でいっても、
日本
の
貧困
国への
援助
は
ODA
のうち一三・二%、ドイツは二四%、イギリスは三二%。
世界
で最貧層に属する人がどのぐらいいるかというと、一日一ドル以下で暮らしている人たちが十二億人いるわけですよね。そういう実態から照らしてみても、やはりこの点が非常に大事だろうと思います。二〇〇一
年度
の
予算
で見ても、これは結局、食糧
援助
については逆に百十二億円から百三億円で減っているということで、これは逆行しているだろうと思います。 その一方で、じゃ何が多いかというと、
海外
での大型公共
事業
ですね、港湾、空港、ダム、発電所、これが多いわけです。 これが問題なのは、
ニーズ
に合っているかどうか、ここが非常に大事なわけですけれども、私自身、アフリカとか幾つかの国々で
経験
したことでいうと、こんなプロジェクトは要らないかという形で売り込んでやる、そういうタイプが多いと。ですから、ホワイトエレファントという言葉がありますけれども、かえってありがた迷惑だという、そういう
現地
の声があるわけですね。 例えば、病院みたいに密着した、一見そう見えるものも、
日本
と同じような病院を建てちゃうわけですよ、発展
途上国
に、クーラーもついた。しかし、それもほとんど役に立たないということです。やはり実際の
ニーズ
に合ったきめ細かいそういうものが求められているということを改めて痛感するんですね。 何でこういうことになっちゃうかというと、これも私なりに考えるわけですけれども、
先ほど
部長も
局長
も言われたんだけれども、最も重要な
外交手段
が
ODA
だと。そうかもしれません、
日本
流に言うと。 ただ、私は、ノルウェーなど幾つか北欧の国々の
ODA
を調べたときに非常に感心したことがあるんですね。それは、
援助
を国の外交戦略にしたいという、あるいは他国への圧力にしたいという誘惑を断ち切る、これが
ODA
だと彼らは言うんですよね。僕は見事な言葉だと思うんですよ。なるほど、北欧はひものつかない
援助国
として
援助
を受ける国々から非常に高い尊敬を払われているわけですね。それが逆に外交を高めている、国の
評価
を高めている、そういうことがあるわけですよ。 例えば、
日本
でいうと、
ODA
を
日本
の国連の安保理常任理事国入り、その工作に使うということもたびたび指摘されていますけれども、私はそういったことは逆効果になる、そういうように思うわけですね。 もう一つ、その違いを生む理由として、
日本
の
ODA
というのはやはり非常に戦略的に考えられているということがあると思います。私は、八〇年代に中米を訪問したときに、それまでずっとゼロだったジャマイカへの
援助
が急にがんとふえて、連続してどんどんふえていくんですね。何でかと思ったら、アメリカが戦略重点国として指定したと、そういう背景があった。 ですから、私はそういうことをあわせて考えて、一つは、本当に被
援助国
の
ニーズ
に合った、現実に合った
援助
、そのための
努力
がこの間どうされてきたのかということを一点お伺いしたいと思います。 それから、あと短く二点ですけれども、やはり最も喜ばれる
援助
をする上で非常に大事なのは、
NGO
との
連携
ですね。
先ほど
提言
二十四で御回答もありましたけれども、その点だと思います。 私は、アフガニスタン問題に
関連
して、ちょうど一週間、きのう帰ってきたばかりですけれども、パキスタンに行ってまいりました。
現地
で
ジャパン
・
プラットフォーム
の方々に会ったり、それから各国の
NGO
の方々とも話しましたけれども、その中で、
日本
政府
は、最近の
ジャパン
・
プラットフォーム
への五億円という支出、拠出、これは高く
評価
されると思いますけれども、それは始まったばかりということであって、やはりもっともっと額を多くしなければ到底足りない、やれることもできないという現実があるわけですね。 ですから、そういう点で私は
NGO
との
連携
、とりわけ今、アフガニスタンへの食糧
援助
等々、これをもっともっと進めてくれという、そういう声が非常に強いわけですね。やはり私はこういうところに
日本
の外交や力の発揮すべきところがあると思うんですね。 ですから、その点で、
ニーズ
に合った
援助
を進めていくというかぎは、やはり地元でそういうネットワークをつくり、国連だってそれを頼りにしてやっているわけですから、
NGO
のネットワーク、これは
日本
ばかりじゃありませんけれども、
日本
を中心として諸外国の
NGO
との
連携
、これは不可欠だと思いますけれども、その点についてお伺いしたい。 最後にもう一点。
提言
十一で
透明性
のお話がありました。その点で、
ODA
の機密費の問題なんですけれども、
外務省
の機密費は五十五億円ですね。そのうち三十六億円が在外公館分となっていて、そのうち四割の十五億円が
ODA
機密費となっているわけです。
もと
もと
予算
があるから、これが要らないか、あれが要らないかという話にもなるということにもなるかもしれませんけれども、なぜ
ODA
で機密費が必要なのかという素朴なことをお伺いしたいと思います。 以上です。
西田恒夫
18
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) まず、最貧国に対する
援助
の割合が少ないのではないかということでございますが、最近の数字でやや引っ込んでいるということは御指摘のとおりであります。我々もその分析等をしておりますが、とりあえず一つのあれは、例えばアジアの通貨危機に対しまして、アジアの国々に対していわゆる宮澤構想等かなりの
規模
に上ります資金
援助
等を行ってまいりました。相対的に今比率が下がるというようなところがまず一つあったかというふうに短期的には思われます。 それから二番目に、
日本
の
ODA
の構造からしまして、先生御
案内
のように、額的には何といっても円借が占めている比率が非常に大きいというところでございまして、今御指摘の、例えば北欧の国々は円借というような仕組みは持っておりませんので、
もと
もと
グラントということになりますから、
対象国
もおのずとLLDCの方により大きくシフトをしているというような傾向がございますので、
日本
の
ODA
がこの三本柱、グラントと、それから
有償
と、それから
技術
援助
というものを行っていくという今の
体制
を続けていくという前提に考えますれば、おのずと少なくともパーセンテージにおいてはどうしてもグラントの部分が低くなり、その結果として、ひいてはLLDCの部分についての比率は減っていくということはあろうかと思いますので、一概に直ちにその数字の比率だけでもって
日本
の
ODA
がLDCに冷たいということはこれはないんではないかというふうに考えております。 現在のアフリカに対する
支援
も今現在一〇%以上もう超えるに至っておりまして、これは主要なドナーの中でも一、二を争うぐらいの、絶対量としてはアフリカへ
支援
を行ってきておるところでございまして、TICADプロセス等、アフリカ諸国から
日本
に対する
期待
というのは非常に大きいことは御
案内
のとおりだろうと思います。 それから、公共
事業
につきましては、今の答えの表裏みたいな話になりますけれども、ローンをやっておりますから、当然ローンというもので、これまで特にアジアを中心としました
日本
の
ODA
のやっぱり主柱というものはアジアという
地域
、そして主に
経済
社会インフラというものをつくってくるという形で
経済
成長を
支援
して、それらの国の
経済
的なテークオフを助けるということを非常に大きな柱の一本に立ててきておりましたので、それはどうしてもそのような傾向にあったということでございますし、それからやはりそれ以外のアフリカ等の国におきましても、ではインフラに対する需要はないのかといえば、これはやはり需要はあるんであろうと思います。 したがって、御
案内
のように、一個一個もっと
案件
を精査してむだがないようにすべしということについては御指摘のとおりでございますので、
先ほど
るる御
説明
させていただきましたいろいろな、例えば調達とか等々の措置をも改善をしまして、やはりむだがない、あるいは無償だからといって高くならないような
援助
というものにはさらに
努力
をしてまいりたいというふうに考えております。 二番目のというか、
外交手段
ということにつきましては、これはそれぞれの国のお国柄がございますから、どっちがいい悪いというのは一概には言えないと考えておりまして、あるいはノルウェーやスウェーデンが考える
ODA
のその国における位置づけと
日本
の場合にはこれは違ってくるのはやむを得ないかなというふうに考えておりまして、
日本
の
政府
としては、やはり
ODA
は外交的、戦略的に使うべきということが
政府
の考えであったというふうに我々は承知しておりまして、それで
努力
をしてきた次第でございます。 それから、
NGO
との
連携
、これはちょっと若干繰り返しになりますけれども、例えば具体的には、
先ほど
の
プラットフォーム
につきましては、初動のお金だけじゃなくて、実際に
活動
が始まりますれば
活動
の資金というものもこれは
援助
するつもりでございます。今のところはなぜでは出ていかないのかというと、御
案内
のように
地域
の
情勢
が非常に流動的でございまして、
プラットフォーム
の方々もどこでどういうような具体的な
活動
ができるかと今一生懸命模索をしておられるという
状況
であるというふうに承知をしておりますので、具体的に拠点ができまして
活動
が開始されましたら、また追加的な
支援
はもう喜んでさせていただきたいと思っております。 それから最後の、済みません、その
ODA
と機密費というのは、ちょっと私、必ずしもよく質問の趣旨がわからなかったんですが……
緒方靖夫
19
○緒方靖夫君 繰り返しましょうか。
ODA
の、
ODA
機密費というそういう
分野
があると承知しているんですが、それはあるかどうか。それで、その額が、お聞きすると十五億円あるわけですね。ですから、そういう
ODA
になぜ領収書の要らないお金の使い方、公表される必要のないそういうお金の使い方が必要なのかと、そういう意味です。
西田恒夫
20
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 私が勉強不足なのかもしれませんけれども、
ODA
機密費というものがあるというふうに私は承知をいたしておりません。
関谷勝嗣
21
○
会長
(
関谷勝嗣君
) それでは、きょうは、理事会ではオブザーバーの社民さん、それから自由党さんも一巡の中に入っていただいて、今から質疑を受けたいと思います。
大田昌秀
22
○大田昌秀君 社民党の大田でございますが、四点ばかりお伺いしたいと思います。
ODA
の問題につきまして、
先ほど
来の御
説明
を伺っておりますと、非常にきめ細かく
政府
は
対応
しておられるということがわかったわけでございますが、しかし依然として
ODA
の
あり方
についてはいろいろと御批判もございます。 これまで長年にわたって
ODA
を
実施
してこられた立場から、国によってもいろいろと、あるいはその時代によっても違うと思いますけれども、直面されたもろもろの問題点の中で、一番といいますか、深刻、解決困難な、つまり望ましい
ODA
の
あり方
を
実施
する上で、隘路といいますか問題点というのがございましたら教えていただきたいと思います。それが一点です。 それから二点目は、新
開発戦略
につきまして
日本
が主導的な
役割
を果たしたと伺っておりますけれども、その目標とでも申しますか、内容について若干教えていただきたいと思います。 それから三点目は、沖縄県には国際センターというのがございまして、
世界
の百三十数カ国から若者たちが研修にやってまいりまして、もう既に四千人ほどの若者たちが研修を受けてそれぞれの国に帰っておりまして、これが沖縄のいろんな面で非常にプラスになっております。そういう意味で、もう少しこの種の施設を
拡充
強化
されるお考えはないかどうか。 実は、今は亡き小渕総理が
外務大臣
のときに、私がお願いしましたら、若干施設を改善して拡張してくださったし、また人数もふやしていただいて非常に感謝したわけでございますけれども、そういった意味も含めまして、将来に向けて私は非常にいいプロジェクトだと思っておりますし、県民の方でも
外務省
の対沖縄
政策
ではこれが一番いいんだという
評価
を受けておりますので、その点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。 それから、九九年六月に閣議決定されました
政府開発援助大綱
で定めました
ODA
の四原則との
関連
で、今回の
テロ
事件と
関連
して、インド、パキスタンへの
経済
援助
凍結の解除が話題になっておりますが、その点について、どなたでも結構ですので、どういうふうなお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。 以上でございます。
西田恒夫
23
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) まず第一番目の、
ODA
を
実施
していく過程の中でどういうような解決するのに難しい問題があったかということでございます。 まず、基本的には、先生御
案内
のように、
ODA
を
実施
していく上で一番大変なのは、ある意味で当たり前かもしれませんけれども、
海外
のいわゆる後進国、言い方が変でございますけれども、
開発途上国
で
事業
を行っているということにいわば尽きるということなんであろうかと思います。すなわち、いろいろな形での
事業
をさせていただいております。資金を
供与
する、あるいは何か物をつくる、あるいは
技術
を移転するというところでございますが、
先ほど
御
説明
しましたように、基本的には中央
政府
、
政府
間で行っております。 幾つかの国の場合におきましては、例えばいろいろな政治の
情勢
が非常に不安定であるというようなこと、あるいはその国における
経済
社会あるいは法
制度
等というようなものが未熟であるというようなことからしまして、必ずしもその時点で、プロジェクトを立ち上げた時点で想定していなかったような事態というものがプロジェクトを実際に執行していく過程の中で出てきてしまうという部分がどうしてもございまして、この部分が
国内
で
事業
をしている場合とはやはり根本的に違うということだろうと思います。 最近しきりに言われております、ガバナンスというふうな言い方をされておりますけれども、やはりちゃんとしたよき
政府
というものをつくっていくこと自身が大事だということが言われているということは、逆に言えば、やはり
ODA
をやっていくときには先方には必ずしもガバナンスのある有効でそのようなものをちゃんとやっていけるだけの
政府
というものがあるというわけでは必ずしもないよということに尽きてしまいますものですから、その部分が非常に根本的には一番難しい問題だろうと思います。 他方、もちろん、より具体的に申しますれば、やはりプロジェクトを
発掘
しましてやっていく中で、例えば
環境
問題というような問題も起こって、住民移転等の問題が起こりますが、そうしますと、これはやはりその当該国の住民の方々の意識というものもこれはやっぱりどんどん変わっていくというようなところもございますので、それにこれまで以上にやはりよりきめ細かい手厚い
配意
をしていく必要が起こるというようなこともございまして、いわば事態がどんどんどんどん変化をしていくことにどこまでプロジェクトというものがついていくのかというような問題。 したがって、
事前
とそれからプロジェクトを
実施
、やっている段階、それから終わってからの
フォローアップ
というものをどういうふうに
評価
して、それについてどういうようないわばアフターケアをやっていくのかというあたりがこれから、
先ほど
ほかの先生方からも御指摘ございましたけれども、意味のある本当に役に立つ
ODA
になるかどうかというのは、こういう全体の一貫した
流れ
の中でどこまで我々が一生懸命先方の気持ちに立ってやっていけるかというのを限られた
予算
等々の中で、あるいは人手の中でやりくりするかという問題であろうかというふうに思います。 それから、
開発戦略
でございますが、これは当時のいわゆるDAC、OECDの中で
開発
をやっている二国間のドナーの集まりがございますが、その中で
日本
が主たる
役割
をつくらせていただいてつくった戦略でございまして、基本的な
考え方
は二つの言葉で、パートナーシップというのとオーナーシップという言葉で表現をさせていただいております。 パートナーシップと申しますのは、ある国に対する
援助
をするときにその
援助
をするパートナー、これは例えば
日本
でありアメリカでありイギリスでありという二国間のドナーと、それからいわゆる
国際機関
、例えば世銀でありますとかというようなものとがパートナーとなってよく
調整
をしていくということで、各国がばらばら自分勝手な
援助
をすることが非常にむだが多いのでそこを
調整
していきましょうという意味でパートナーシップが大事だということと、二番目にオーナーシップでございますが、これは最後は、要するにオーナーはだれかというのはやはり
開発
はその国のまさにカントリーがオーナーなんであって、
援助
をする側のための
援助
であってはならないということでございます。 逆に言えば、そのような被
援助国
の方が自分の
開発
問題については
開発
の戦略を立てていく過程の中から自分の問題として責任を持って、自意識を持ってやっていくというところの
考え方
というものが定まらずして、ただそのドナーの間を行って
援助
してくださいということではこの問題は解決しませんねというのが一番大きな
考え方
でございまして、それから後のいろいろな
開発
の手法等々あるいは
国際会議
における大きな
流れ
というものも大体こういうような
方向
で進んできたんではないかと考えております。 それから、沖縄のあのセンターのお話でございますが、これは、私たち
JICA
の方で大変に貴重なものとして活用させていただいております。昨年の森前総理が出されましたITに関するイニシアチブにおきましても、東京と並んで沖縄のこのセンターを中核的な場として位置づけることによって、
世界
のネットワークの中でより重要な
役割
を担っていただくべく今現在まさに仕事を一緒にさせていただいているということでございます。 これは一つの例でございまして、その他、
感染症
の問題とか、先生よく御
案内
のような沖縄が比較優位を単に
日本
だけではなく
世界
的にも持っているという部分が多数あると思いますので、
環境
等もございましょうし、こういう部分については、これからこのセンターを
拡充
強化
させていただきたいというふうに考えている次第でございます。 それから最後に、インパキに対するいわゆる
経済
措置の停止ということでございます。 これは、御
案内
のとおりに、インドとパキスタンの核実験というものに対しまして
経済
の措置というものをとらさせていただいたわけでございますが、基本的にはCTBTの署名こそできておりませんが、インド、パキスタン両方ともに、モラトリアムというものをずっと継続をしてきておりますし、
関連
のいろいろな
技術
等についての管理も一生懸命やるということを明言してきているなど、相当
程度
目標を達してきているんではないかということと、現在のまさにこの
テロ
同時多発の
状況
下において、やはりインドとパキスタンの果たすべき重要な
役割
ということをも勘案させていただきまして、総合的に停止ということにさせていただきました。 じゃ、なぜ解除ではなくて停止なのかと申し上げれば、まさに我々にとって非常に重要な
政策
であります核の問題に対する
政策
というものについて、間違ってもインドやパキスタンに対して間違ったメッセージを送ってはいけないというような点を十分に配慮させていただいてこのような決定にさせていただいた次第でございます。
田村秀昭
24
○田村秀昭君 自由党の田村秀昭でございます。
ODA
の
予算
が一律一〇%
削減
が明らかにされているわけですが、私は非常に懸念をしております。この
ODA
の果たす
役割
というのは、いろいろな国際常識に反した
我が国
のいろいろな行動に対して多くの国から大バッシングが起きないのはこの
ODA
のおかげではないかなというふうに思っております。 私、五、六年前だったと思うんですが、セネガルという国に行ってまいりました。そのときに、立派な建物があって、あれは何かと聞いたら
日本
の
ODA
で建てた学校ですと。それで、大使館もどこかに同居していてまだ自分の建物も建てていない、建てている最中だったと思うんですが、自分の住むところも建つ前にそういう
ODA
で学校を建ててくれているということで、そのセネガルの人たちは、
政府
の関係者ですけれども、非常に
日本
に対して感動をしていたという
経験
をいたしました。 私の
ODA
というのの一番初めの出会いはそれではないかと思うんですが、特に、
外務省
が余り関係を深めていないと言っては失礼かもしれないけれども、中立的な国にこの
ODA
がたくさん多くの国に行っていると。その一端を私は見た感じなんですが、
日本
に対する感情というのが非常によかった。今までのかかわり合いもないし、ただひもつきでもないお金を
援助
してくれるすばらしい国だと、こういう感じだったと私は思っております。 それで、二点、この
ODA
について質問なんですが、これは外交戦略の軍事的
手段
を持たない
我が国
にとって最も重要な
外交手段
なんですね。そういう意味で、今まで重要な
外交手段
だとおっしゃる以上、そういう過去に
経験
があったのか、非常にすばらしい外交戦略であったというのがあったら教えてほしいと。 それから、適正な
規模
の
ODA
の
予算
を
確保
するという、適正な
規模
の
予算
というのはどのくらいなのか。それで、
外務省
も含めて、
予算
を使っていろいろなことをやる、いわゆる
国民
の税金を使っていろいろな施策をやるという人たちに、私も過去そうだったんですが、一番重要なことは、いつも国益に合うのかどうか、
国民
の立場に立って物を考える、そういう癖を原点に戻っていつも考えることが極めて重要ではないだろうかと、私の
経験
からもそう言えるのでありますけれども、それは、この適正な
規模
の
予算
というのに絡めてそのお考えをお聞かせください。
西田恒夫
25
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) まず、一番目の外交戦略で、戦略と言う以上何か今まであったのか、こういう御指摘でございます。 一つには、非常に卑近な例でございますが、現在いわゆる同時多発
テロ
が行われておりまして、
先ほど
からも言及ございましたパキスタンを初めとする
周辺国
に対する
支援
というものを
日本
はいち早く決定をいたしまして
実施
をいたしました。これについては、先生方御
案内
のとおり、パキスタン側から極めて高い
評価
を得たところでございます。 パキスタン側は二つ言っておりました。一つは、自分たちがお願いに上がる前に先に
援助
の手を差し伸べてくれた、こういう国は
日本
しかいないと。それから二番目に、その内容が、我々がまさにこういうものをいただいたらばよかったなというような
援助
の内容をこれまた見事に差し出してくれたと。この二つを自分たちは本当に高く
評価
するということをパキスタンの方から言っていただいた次第でございます。 何かちょっと手前みそで恐縮なんでございますが、事実でございましたので御紹介をいたしたいと思うんですが、そのようなことも含めて、やはり機動的に先方の立場に立ってどのような形で
援助
ができるかということは常に
念頭
に置いていくべきということで、自戒の念も含めて御紹介をさせていただきました。 それで、
先ほど
の御質問にちょっと戻りますが、十年も前になりますが、湾岸戦争のときにも実は似たような
対応
を
我が国
はとってきた次第でございます。あのときには、
我が国
のいわゆる軍事的な
支援
というものは現在よりもより限られた
状況
であったところでございますけれども、あの時点におきましては、そのような
周辺国
支援
と米国に対するいわゆる
支援
もさせていただきました。これについては、なかなか厳しい批判を浴びたというところでございますが。 私が申し上げたかったのは、そのように非常に急激に変わる流動的な国際
環境
の中において、いち早く
日本
の国益を体して可能な最大限の
協力
を行うということを、現在の
政府
が持っている
手段
の中では
ODA
が最も主要な
役割
を果たしてきたということでございます。 もう少し長い目で見ていえば、何かといえばやはりASEANというものと
日本
との関係がこれまで成熟をしてきたということ。例えばAPECでありますとか、それ以降いろんな形でASEANと
日本
との関係というものが広がりを持ってまいりましたけれども、その中におきまして、やはり
日本
にとって一番大事なASEANとの関係がこれまで伸びてきたということはやはり
ODA
の果たした
役割
は非常に大きかったと思いますし、この点については恐らく先方のみならず
日本
の
国内
にもかなり大きな御
理解
をいただいておるんじゃないかというふうに考えている次第でございます。 それから二番目の御質問は、まことに答えにくいことで、適正な
規模
とは何かということでございます。 抽象的に適正な
規模
というものを定義することはなかなかに難しいとは思いますが、一つやはり我々
政府
として考えております尺度としましては、やはりこの十年間、御
案内
のように
日本
は
ODA
で一番でございました。もちろん内容的にいろいろな点で他の国に比べ、例えばグラントエレメントが低いとかいろんなことがございますけれども、何だかんだ言っても全体として
世界
の
流れ
が
援助
疲れということで、LDC向けの資金フローが減っていく、つまり公的資金でございますけれども、減っていく中で
日本
がそれを何とか引っ張ってきたということは、これはやはり私は非常に重要なことではないかと考えますので、何が何でも一番じゃなくちゃいかぬと私申し上げるつもりではございませんが、やはり
日本
というものが
ODA
では特別な地位というものを占めてきたし、それに対して国際的には極めて高い
評価
を得てきたということは客観事実でございますので、これはやはり一つの、我々としてはめどとして適正な
規模
というものが中長期的に担保されることがぜひ重要だというふうに考えておる次第でございます。
関谷勝嗣
26
○
会長
(
関谷勝嗣君
) 以上で各会派一人一巡しましたので、これより自由質疑を行っていただきたいと思います。 きょうは、五名の参考人をお呼びしておりますが、まだお二人の方は一度も答弁がなく時間をもてあましておるようでございますから、溝口さんと林さんには特段に指名をして、御質問があればしてあげたら私としても喜びでございます。 それでは、質疑のある方はまず挙手をお願いいたします。こちらに記録をさせていただきますので、挙手をお願いいたします。
入澤肇
27
○入澤肇君 それじゃ、幾つか御質問を申し上げたいと思います。
先ほど
も、外交上の有力な
手段
である、あるいは十年間
世界
じゅうで一番の
援助
を行ってきたという話ございましたけれども、どうしてこれだけ重要なことが法律に基づいて行われないのか、大綱の段階でとどまっているのか。私は、基本法というよりもむしろ実定法が制定されてしかるべきじゃないかと思っているんですが、
政府
として実定法の制定に踏み切らなかった理由が何かというのが一つ。 二つ目は、省庁再編によっていわゆる四省庁
体制
というのが崩れて、新しい審査
体制
、
評価
体制
ができたというのですが、
政府
の今の
説明
によると大変よくやっているというふうに見えるんですが、実際には多くの批判があることは実際に
現地
に視察に行っている議員団が証明しているわけです。この間も聞きました。エジプト、アフリカに行った議員団があるところで小学校を見たけれども、これが
ODA
というのでびっくりしたとかいうマイナスの
評価
をやっておりました。いわゆる四省庁
体制
が極めて形式的な審査で、中身に入り込んだ審査なかったというのは私も自分で体験して知っています。これは現在どうなっているのかということについてお聞かせ願いたい。 それから三つ目、その
評価
体制
ができたけれども、
現地
に会計検査院とか行って、内政干渉になっちゃうので難しいところもあるんですけれども、実際にどのような支出が行われているか、
現地
における
調査
体制
はどうなっているか。 この三つをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
西田恒夫
28
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 実定法をなぜつくらないのかということについては、
先ほど
の基本法に対する
考え方
と同様の
考え方
でございます。 我々、別に米国がいつも参考の材料になるわけではございませんが、先生御
案内
のように、米国は極めて詳細にわたる
援助
法をつくりまして
実施
いたしたわけでございますが、実際上はなかなか、実際のいわゆる
援助
というものとこの
援助
法というものが必ずしもかみ合わないというようなこともございまして、別に無視というわけじゃございませんけれども、必ずしもその
援助
法については十分な活用をされていないというふうにも伺っている次第でございます。 別にアメリカの例がそうだからどうだということではございませんが、
先ほど
と繰り返しになって恐縮でございますけれども、我々としましては、やはり現在の
ODA
の大綱というものを
もと
にして中期の
計画
等を立てる、それからその時々の
政策
についてよりはっきりとした
国民
に対する
説明
責任を、
評価
でありますとかあるいは
広報
でありますとか、あるいはタウンミーティング等々を通じまして御
理解
をいただくという形でもって機動的に
対応
させていただくのがよろしいのではないかという
考え方
で
政府
としてはいるというところでございます。 四省庁
体制
が形骸化しているのではないかということにつきましては、いわば四省庁が今三省庁に、これはいわゆる再編の結果としてなっているわけでございますが、三省庁はもちろん大使館という出先は持っておりますが、基本的には東京に
本部
がある組織でございますので、やはり多くの部分を
実施機関
でございます
JICA
と
JBIC
、
先ほど
数をちょっと申し上げましたが、出先等を通じましてよりきめ細かい
案件
の
発掘
、
実施
、あるいは事後のアフターケア等を行っていくという
体制
をとらさせていただいております。 さらに加えまして、
先ほど
も御
説明
しましたが、
現地
の
事情
に詳しい
現地
の方、
コンサルタント
でありますとかそのような
専門家
の方々というようなものをさらに活用させていただくと。さらにいえば、最近は
現地
における、現場における各国あるいは世銀等との
援助協調
が非常に進んでおりますので、その他のドナーとのいわゆるパートナーシップに基づくいろいろな意見の交換、情報の交換を通じて、よりよい
案件
をつくるべく
努力
をさせていただいておるというところでございます。 会計検査院等の査察、
調査
等につきましてはもう御
案内
のとおりでございまして、会計検査として基本的には例年
ODA
についてもその
対象
として審査がされ、国会に対して御
報告
がされているものというふうに承知をいたしております。
関谷勝嗣
29
○
会長
(
関谷勝嗣君
) 沢たまき君が、
先ほど
質疑のときに質問を落としていたようでございますので、今機会を与えます。
沢たまき
30
○沢たまき君 ありがとうございます。済みません、一つ忘れておりました。大事なことですが、去年の八月に発表された「
政府開発援助
に関する
中期政策
」というのがありましたよね。その中の最初の方に「
貧困
対策や
社会開発分野
への
支援
」が掲げられて、その中に「
開発途上国
における女性
支援
(WID)/ジェンダー」という
項目
がありました。 ここに記載されてあったように、全
世界
の
貧困
状態にある十三億人のうちの約七〇%が女性でありますよね。女性の自立
支援
のための基礎教育の
充実
あるいは
技術
習得のための
支援
拡充
、これはぜひもっともっとやっていただきたいと思っているんですが、今回の
調査会
の
提言
の十八に「
社会開発分野
の
重視
」がありましたけれども、女性
支援
の観点から新たに施策を講じられたというところがあったら御
説明
をいただきたいと思ったんです。済みません。
西田恒夫
31
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 今回の新規の
予算
の中で、新しいスキームという意味においてはないと思いますが、今先生御指摘のとおり、WIDにつきましては
日本
はかなり早い段階からこの点を
重視
してきていろんな
努力
をしてきております。 それで、WIDといいますのは、いわば一つの面からの切り口でございまして、いわゆる
援助
における女性ということでありますけれども、例えば、人口問題に
対応
するに当たりまして
日本
の保健所のようなシステムを使って、育児手帳というんでしょうか、ああいうものを使っての、これはだから保健であり、人口であり、例えば衛生であるとか、いろんな形に入っておりますけれども、これは基本的にはやはり女性が母親でございますので、その出産、育児の問題に
対応
するという形で実はWIDの面も非常に持っているというようなところでございますので、
日本
としてはかなり前から実はこのWIDの
重要性
というのは認識をして
活動
をしてきたという実績もございますし、国際的にも高い
評価
を得ております。 関係の
予算
やプロジェクトの数は間違いなくふえてきていると思いますので、今後ともそのような意識でもって進めていくことについては
政府
としても全力を挙げてまいりたいというふうに思っております。
今井澄
32
○今井澄君 民主党・新緑風会の今井澄でございます。
先ほど
からいろいろ言われておりますように、
ODA
は、
我が国
の外交戦略に使うか使わないかは別としまして、
世界
との関係で非常に大事なものですし、特に今度の
テロ
事件と、それに対するいろいろな中でますます大事だということがわかったと思うんですが、一方で、むだとか効果がないということが言われていたりすると、せっかく頑張っていてもそういうところに水が差されるわけですし、特に現在のように
経済
的に財政的に苦しくなると、何で身を削ってまで出すんだというふうなことで、こんなことになれば、
日本
人って勝手だな、自分が金のあるときだけ
援助
しておいて金がなくなると──金がなくなったって生活は
世界
のレベルから比べれば物すごい高いわけで、外国人なんか、特に
日本
に来たときに、一緒に接待なんかしたりするとびっくりするわけですよね、相当の国の人でも。それだけむだをしておきながら、ちょっと自分が苦しくなると
援助
を減らすのかということで、また逆に
日本
人が非難されて尊敬されなくなるおそれもあるんで、これはしっかりやらなきゃいけないんですが、やっぱりそういう意味では、むだと申しますか非効率と申しますか、その効果の点、批判のないようにやっていかなきゃいけない。これはもう共通のことだと思うんです。 それで、
先ほど
も
フォローアップ
とか何かいろいろあったんですけれども、私は、一つは
日本
側のとにかく
政府
の
体制
ですね、
先ほど
も四省庁
体制
云々というお話がありましたけれども。 私もこの間いろいろかかわらせていただいたり見せていただいたりすると、縦割り行政が一つ、相変わらずこの問題で最初から非効率がもう予想されているということがあるのと、もう一つは、お役人は二年に一遍とか三年に一遍とかどんどんかわるわけですね、部署が。それは、部署がかわること自身はいけないとは言いませんし、またその部署がかわると、前のことはころっと忘れて新しい部署のことを一生懸命言って、場合によっては前の部署の悪口も平気で言うと。これも、悪い面だけではなくて逆にいい面もあるわけです。自分の所属したところに全力を投球するというのは、それはそれでいいんですが、その結果、引き継ぎというか継続というのが書類の上では行われても実質行われていないということがありまして、結果的にだれも見ていないと。それで何となくだらだらというふうなことがある。やっぱりこういうことは非常に問題じゃないかと思うんですね。 その場合に、私は、それともう一つ、さっき大田委員の質問に対する答弁の中で、特に後発
開発
国、LLDCの場合に困難なのは、向こう側にどうにも受け入れ
体制
がないんですね。
日本
の常識で、こういう
計画
を立ててこうやりますと言ったらやるものだと思っているけれども、それこそ、またあした、またあしたというような調子で、せっかく何かあれしても何もやっていないということもあるんで、それだけに継続的なフォローが必要だ、特にそれはやっぱり人的な継続というのが必要になるんじゃないかと思うんですね。 私は、あるところでドミニカ共和国の医療
援助
を見に行って、これはすばらしいなと思ったのは、ある国立大学がこちら側の
援助
役になりまして、人は同じ人がずっとは行けないんですけれども、これはなかなか
NGO
でない限り
機関
的には無理なんですけれども、でも、ある大学なりある
機関
なりが継続して十年、二十年やっている中で着実に育っていくんですね。一年かかって効果が上がらなかったことが二年目、同じことをまた繰り返すと、前の
経験
を
もと
にしてやるということができて、私はそういうことでこちら側の人的な継続性をどう図るかということが実はポイントの一つなんじゃないだろうかと。 そうすると、これはお役所自身では無理だとすると、それにかかわる、例えば今のドミニカ共和国の例のように、ある国立医科大学にそういうシステムをつくっていただいて、そこに十年なりおられる先生がバックアップしながら、行く人はその都度かわっても、あるいは受け入れるシステムがかわっても継続するというふうなことはできないんだろうかなと。 特に医療の面なんか、そこで考えたのは、私も今までは自分が医者だということでそういうことを考えたんですが、医療
援助
となると
JICA
、ここに厚生省から出ていて厚生省と、こうなるんですね、それで国立国際医療センターとか。そうじゃなくて、やっぱり国立医科大学とか私立の医科大学とかそういうのが全国に八十あるわけですから、そうしたら、八十が一つの国を持てばこのLLDCの問題については長期的に何かできるんじゃないかなということで今盛んに呼びかけ始めているんですけれども、
NGO
だけではない、いろんなそういう、それはやっぱり省庁を超えたものでやっていかないといけないと思うんで、このことしの八月に出た中期
計画
ですか、ここでも司令塔をつくれということがあるんですけれども、それを、
外務省
が司令塔でいいのか、もっと、もう一つ何か内閣直属の司令塔をつくるのか、その点についてどう考えているのか、実態はどうなのかということですね。 それともう一つ、そのことにちょっと
関連
するんですけれども、さっき緒方委員の質問にあったことなんですけれども、食糧
援助
、特にLLDCについては食糧
援助
って本当に深刻な問題なんですよね、栄養失調のままいるわけですから。ただ、そういっても、食糧
援助
してそれがだれかの汚職に使われてしまうとかいうことはあっても、最終的にその
国民
の口に入ることは間違いないんですよね、大体、腐るということもないわけじゃないけれども。 そうすると、例えば米が余っていると。これは私、ずっと国
会議
員になって以来もう十年近くそれはいつも言うんだけれども、この米が全然動かないで倉庫にためられたままいってしまう。それは、やっぱり
国内
での貯蔵にかかる費用を含めた価格というもので
予算
処理をしなきゃならないから、せっかくあるものが出せないということがある。その辺についても、せっかく財務省からも見えているわけですので、その点についてもちょっと御考慮をいただければなという感じがします。 それと、最後に一点。まことに個別のことで申しわけないんですが、これは
NGO
なんかで向こうに長く定着してやっていると、住民との結びつきができて、その結果、政治的な問題じゃないんですが、
政府
がいろいろかわったり担当者がかわったりすると、必ずしもその
政府
と細かいところで意見が一致しないような
活動
になっちゃうことがあるんですね。そうすると、今の
援助
の仕組みからいうと、向こうの
政府
からの要請なので、せっかく何年も向こうにいてずっと定着して住民の中で何かいい
活動
をやっている人も、たまたまその
政府
を通じて要望が上がってこないと、何もお金をつけるルートというか根拠がないというふうなことで困ることがあるんですよね。なければないで最初からやっているんですけれども、あるルートに乗ると、途中で突然打ち切られると困るということもあるんで、その辺は何か方策あるんですか。最後のことはどちらでもいいんですけれども。
西田恒夫
33
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) まず、むだを省くべきであるということは、もうおっしゃるとおりでありますし、そのむだを省くというその
枠組み
の中で、当然のことながら前任者から後任者への引き継ぎというものが、いわゆるその個人個人ではなくて、組織としてのいわゆる知識というものがちゃんと継続されていくということが重要なことはもう全く御指摘のとおりでありまして、そういうようなことが十分ではなかったと御指摘であれば、それはちゃんと真剣に受けとめて、さらに改善すべく
努力
をしてまいりたいと思っております。 一つには、
政策
部門とそれから
実施機関
とのやはり意思疎通をよりよくするというような部分、それから、例えば出先でいえば、
実施機関
の出張所と大使館というものがよりきめ細かく意見交換をするというようなこともやはりそのようなことに資するんではないかなというふうに考えておりますのが一つと、それからもう一つは、
先ほど
御
説明
しましたが、いわゆる
評価
というものをほとんどリアルタイムでもってホームページ等で出させていただくということを、今
実施機関
の方はもう既に行っておりますので、そういうようなものを通じて、直接
国民
の方々のいわば目にもさらすというんでしょうか、お示しした形で、いろんな形での御指摘もいただくというようないろんな形での工夫をしていくのかなというふうに考えておりますので、その点、肝に銘じてさらに行って
努力
をしてまいりたいというふうに思います。 それから、今御指摘の医療の
技術
移転というような場合に、受け皿となるような
国内
の大学というようなものを使うべきではないか、これはもう全く御指摘のとおりでございます。かつなお、これはかなりもう今数がふえてきております。やはり
先ほど
申しましたように、
国内
にありますトータルとしての、
日本
の中にあるいろいろな専門性、
専門知識
というものは、官の中にはもちろん、だけではありません、民の中により多くあるのがたくさん見られますものですから、そのような民という中にやはり大学、研究
機関
、あるいは病院というようなものも、当然のことながら大きな
役割
を今後ますます担っていただきたいと思っております。 ただいまのドミニカの例以外にも、これは実はかなり多数ございまして、
感染症
でありますとか、特に結核というふうに、
日本
がこれまで非常にいろんなものの蓄積があるところについては受け皿の方もまたしっかりしているという形ですので、それに加えてWHOとか、または専門性を持っている
国際機関
との
協力
というようなものもいろいろな形で組み合わせて、それを実際に受ける被
援助
の方々が一番
理解
し、かつなお一番役に立つ良質のサービスを提供するという
努力
は今後ともさらにしてまいりたいと思います。それは医学のみならず社会科学の
分野
におきましても、例えば税制の問題でありますとか
経済
政策
の問題でありますとか、こういうことについてもそういうような例というのは多々出てきているという
状況
にございます。 それから、食糧
援助
につきましては、
日本
はもちろんそれなりの
努力
は私はしてきたと思います。単に二国間のみならず、
先ほど
部長がお話ししましたWFP等を通じましても
日本
は主要な食糧
援助
をいろいろやってきております。WFPのこの前もトップの方が来られましたけれども、
日本
の食糧
援助
については高い
評価
というものをしておりました。 他方、古米を使うということにつきましては、これは先生御
案内
のようないろいろな制約がございますので、これは直ちに
日本
が食糧
援助
に熱心でないから古米を使っていないんだということとは結びつかない、別途の判断が必要な問題かというふうに考えている次第でございます。
白川哲久
34
○
政府参考人
(
白川
哲久
君) ありがとうございます。 今井先生の方から、
人材
の継続的な
確保
という観点からドミニカの国立大学の例を引かれまして、国立大学にそういった機能を持たせることを考えたらどうかという御質問がございました。私どももそれと同じような観点から既に幾つかの施策をとっておりますので、簡単に御紹介させていただきたいと思いますが、やはり大学等がみずからの
活動
として主体的にこの
国際協力
にかかわっていく必要があるということで、拠点大学と申しますか、拠点的な機能を果たす国際教育
協力
研究センターというものを国立大学の中に順次
整備
をさせていただいております。 より具体的に申し上げますと、
平成
九
年度
に広島大学に教育
分野
ということで教育
開発
の研究センターを
整備
させていただきました後、十一
年度
には名古屋大学に農学関係の
分野
、それから今、今井先生が御指摘ございました医学
分野
につきましては、
平成
十二
年度
に東京大学の方に医学教育
国際協力
研究センター、さらに今
年度
は工学
分野
で豊橋
技術
科学大学の方に研究センターの設置をさせていただいております。 この辺のセンターの
協力
の中心は教育
協力
ということになるわけでございますけれども、こういうセンターを
整備
することによりまして、
先ほど
先生がおっしゃいましたような
人材
の継続的な
確保
、そのベースになるようなシステム、それにつきましては、今後とも我々意を用いて進めていきたいというふうに思っております。
今井澄
35
○今井澄君 今のことにちょっと
関連
して。 もう一つ大事なことは、その継続性なんですけれども、実は
日本
に呼んで教育した人間が帰ってどうなるかということが大事なんですよね。その
フォローアップ
をちゃんとやっておかないとだめだと。 これは先月ですか、南アフリカのムベキ大統領が来て、国連大学、青山で講演をされました。その最後にも言っていましたけれども、せっかく
人材
を教育しても先進国に引き抜かれるというんですね、特に最近はITとか何か。さっき沖縄の話も出ましたけれども、だから、呼んで教育して帰すだけじゃ全然だめで、特に私のかかわっているある低
開発
国なんというのは、呼んで医者の腕をつけさせるとみんなアメリカかカナダへ行っちゃうというんで、まあそれは向こうが悪いんですけれども、何で
国内
に定着しないんだということの問題なんですけれども、やっぱりそこも
フォローアップ
をしないといけないんで、ただやっていますというだけじゃちょっとと思うんですが、どうですか。
白川哲久
36
○
政府参考人
(
白川
哲久
君) 先生がおっしゃることはまことにもっともだというふうに考えます。 ただ、今井先生がまさにおっしゃいましたように、
日本
の
国内
でそういった例えば医学関係の
協力
、知識を得られて向こうに帰られました際に、その方々をこういう形の仕事につかなきゃいかぬということをこちらの方から一方的に申し上げるのは、これまたなかなか大変だなという気がいたしますので、どういう工夫ができるか考えていきたいというふうに思っております。
山本一太
37
○山本一太君
援助
の
実施体制
について一言だけ伺いたいと思います。 これまでの各委員の方々の御質問にあったように、
援助実施体制
が多数の省庁に分かれているということは非常に非効率だということが指摘をされてきたわけなんですけれども、今やっぱり
日本
政府
が
援助
の
実施体制
を改めて考え直す時期に来ていると思います。 御存じのとおり、小泉内閣の特殊法人
改革
というのが今いよいよ佳境を迎えるということになっていまして、この中でいわゆる
ODA
の
実施機関
、
JICA
とかあるいは
JBIC
とか、こういうものをどういうふうに位置づけていくかという議論がまさに今本当に正念場に差しかかっている
状況
だと思います。
JICA
とか
JBIC
、これは小泉総理によれば、つまり特殊法人は民営化するか、廃止するか、それとも独立行政法人にするか、この三つだということでいえば、廃止するわけにはもちろんいかない、恐らく
援助
機関
ですから民営化するわけにもいかない、そうすると、独立行政法人なのかどうかわかりませんが、このまま
JICA
と
JBIC
が今の形で独立行政法人になってそのままいくということは、私はなかなかこれは難しいと思います。 その
援助
の
実施体制
ということでいうと、今
JBIC
という
機関
がありますけれども、この省庁再編の議論の中で
JBIC
はできたわけですが、これはもちろんいろんな理由があったかもしれませんけれども、必ずしも効率で省庁再編が行われた、いろんな
機関
の統合が行われた面ばかりでない、いろんな政治的なその理由があっていろんな形になったんだと思うんですけれども、私は個人的には、基本的に
JBIC
というものがOECFと輸銀を合体させてできたということについては非常に大きなクエスチョンマークを持っておりまして、輸銀は
もと
もと
銀行で、OECFはやはり借款ということで
援助
ということで、これがとにかくくっついて一つの
機関
になったわけなんですけれども、最近ずっと
実施機関
の人たちの話を聞いても、
JBIC
の人たちもアイデンティティークライシスに悩んでおりまして、銀行なのかそれとも
援助
機関
なのかというような話も今あります。国連
本部
の
行政改革
みたいにくっついたり離れたり、同じことを延々と繰り返してくるようなそういう例もあるわけなんですけれども、
もと
もと
一緒だったものを二つに分けて、それをまた一つに何かもう一回つなげたようなこういう姿が本当にいいのかというずっと疑問を持っておりました。 そこでお聞きしたいと思うんですけれども、私自身は、もし
援助
機関
を統合をさせて効率のいい
援助実施体制
をつくるのであれば、やっぱり
技術協力
と借款を合体させる、
JICA
と例えばOECFの部分を合体させるというのがやはり最も機能的ではないかというふうに思っています。 例えば、
JBIC
の部分で輸出入銀行を外して、これはもう
政策
投資銀行か何かと一緒になっていただいて一生懸命銀行の仕事をしていただいて、OECFの部分を
JICA
にくっつけて新しい
実施機関
をつくるということが私はやはり最も効率的な道ではないかと思います。 なるべく長くならないように言いますが、もう一点だけ言いますと、じゃ、例えば
援助
庁みたいなものをつくって、内閣府にこの新しい
実施機関
をくっつけて、国務省とUSAIDの関係じゃありませんけれども、平時はこの新しい
機関
で内閣府か何かがしっかりとコントロールしながらやって、非常時には自衛隊を使うと、こういう国家戦略の中に組み入れるみたいな話もありますけれども、私は
援助
庁という
考え方
についても同じく大きなクエスチョンマークを持っておりまして、これが本当に機能するのかなというのは疑問です。 しかも、外交当局というのも、
外務省
が一応外交をつかさどっているわけで、今の
政府
と自民党の権力の二重構造みたいな、これはちょっとオフレコの方がいいかもしれませんが、二重構造みたいな話も議院内閣制の中で生まれておりまして、そういうそごも出てくる可能性もあるので、
外務省
の味方をするとか財務省の味方をするとかいうのは関係なく、やっぱり
援助
というものは国家戦略の中で、外交の一元化という面でいうとしっかり
外務省
がコーディネートをするといいますか、所管でもって、その下に
JICA
とOECFをくっつけた
機関
をもう一回つくり直して、
援助
の
体制
、戦略を外交の中で位置づけていくというのが私は一番いいと思っていますし、その私案をつくってもうすぐ行革
本部
に持っていこうと思っているんですが。 ちょっと長くなりましたが、その点について
外務省
や財務省はどう思うか、そのことをお聞きしたいと思います。
西田恒夫
38
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 私の方から概観お話をしまして、
JBIC
等につきまして財務省の方からまたお答えがあろうかと思います。 まず初めに、大きな方の御質問の二番目の方からですが、私たち、特に私、
外務省
ということでございますので、ただいま先生から御指摘をいただきまして、我々がこれまで
日本
政府
として基本的に位置づけてきた
ODA
と外交というものの
関連
というような基本的な立場からしますと、その
援助
庁がどうだこうだということとは別に、
ODA
というものが外交当局から切り離された形で企画立案、
実施
されるという
体制
というものは好ましくないというふうに私たちとしては考えておりまして、外交当局としてそれだけの道具を十分に使いこなしていないんではないかという御指摘であれば、その点重く受けとめて改善をする、全力を挙げて
努力
をしてまいりたいと思いますが、しかし、外交というものと離れたところで
援助
というものを行うのが
日本
というものが持っている国家の
あり方
として果たして適当かどうかということについては慎重に考えるべきではないかと考えている次第でございます。 二番目に、
JICA
といわばOECFというんでしょうか、そこを一緒にするという方が現在の
JBIC
よりよいのではないかというお話につきましては、御
案内
のように、
資金協力
と
技術協力
というものをより
連携
して行うという
努力
というものをさせていただいているということと、それから
JBIC
につきましては、
平成
十一年にいわば新しい
体制
ができて、現在、その
体制
の
もと
で種々の
努力
をしているというものもあわせまして、やはりこのような
連携
をさらに進めていくことが最も現実的ではないかと考えておりますが、この点、財政省の方からもお話があろうかと思います。
溝口善兵衛
39
○
政府参考人
(
溝口善兵衛
君) 山本先生の御意見、私どもも
検討
に値する、よく勉強しなきゃいかぬというふうには思ってはおりますが、そもそも論になって恐縮なんでございますけれども、
援助
の
手段
といたしましては、資金の種類からいいますと、無償のただのお金、それからただのお金ですけれども
技術
を伴いながらやる
技術
援助
の
世界
。それから、資金
供与
ということになりますと、旧OECFの非常に低利の円借款、それから旧輸銀がやっておりましたような準コマーシャルですね、民間では借りられないけれども
ODA
ほどコンセッショナルではないと、そういう資金、それから民間でやる資金、いろいろ多岐にわたっておって、それをやっぱりプロジェクトプロジェクトごとにどうやって効率よく結びつけていくかということはよく考えなきゃいかぬ。 これは総体としてうまく組み合わされるということが
援助
において大変重要なことだと思っておりまして、この点については、今の
JICA
あるいは
JBIC
、
JBIC
の中でも旧輸銀の勘定と円借款の勘定はこれは分けておりますけれども、そういうものがどうやって
連携
していくかというのは
政府
として心がけて改善していかなきゃいかぬ問題だと思っておりますが、ただ組織論として、それをどういうふうに組織としてマネージしていくというのは、やや別の観点も必要なんだろうと思うんですね。 それで、融資の関係は、大体、御承知のように、非常に大きなプロジェクトをまとめて、それをどう
評価
するかというようなことが中心になるわけでございまして、人も、そういうプロジェクトを
評価
するような人、あるいはマクロ
経済
を見るような人、これが多いわけでございます。それから、
JICA
になりますと、
技術協力
をどう進めるかと。比較的小
規模
な
技術協力
を積み上げるという作業でございますし、それから現実に
技術協力
をする人たちを集めまして、そういう方々をプールしてその中から適当な人を選んでいくとか、あるいは非常に専門性がそういう意味で高いわけでございまして、職員に要求される能力あるいは
経験
もやっぱり融資
機関
と
技術
機関
でやや違ったところがございまして、それがありますから、実は
JICA
、あるいは輸銀、OECFというふうに分かれてきた経緯があるんじゃないかと思うんです。 これは国際的に見ても大体そういうふうでございまして、ドイツではやはりGTZという
技術
をやる
機関
、それから借款をやる
機関
、分かれておりますし、例えば
国際機関
を見ましても、融資をやるのは、輸銀的な融資の部分もやりますし、それからOECF的な非常にコンセッショナルな融資をやっております例えば世銀を見ますと、それは融資を中心にまとまっているわけでございまして、
技術
の方はむしろ国連のUNDPというようなところを中心にやっているというふうにございまして、実際に
援助
をどうやって組み合わせていくかということと、それを担う
機関
がどうであるべきかというのは、若干違う要素があるんじゃないかと思います。 私どもも勉強していきたいと思いますけれども、今のところそういう考えでおるわけでございます。
山本一太
40
○山本一太君 ちょっと反論ありますけれども言いません、代表質問じゃありませんので。
世耕弘成
41
○
世耕
弘成君
ちょっと短く質問したいと思います。 今、IT革命というのが起こっているわけですけれども、その影の部分としてデジタルデバイドというのが存在をして、IT革命が進むと新たに国際的な
貧困
の原因ができるんじゃないか、
格差
ができるんじゃないかということが言われて久しいわけでございます。また、そういったことを受けて、去年の九州・沖縄サミットでは、
日本
として
途上国
へのIT
支援
をコミットをしたわけでございますけれども、それからもう既に一年四カ月近くたっている中で、現在
取り組み
状況
がどうなっているのかということ。 また、特にITに関しては、きょうの
報告
の中でも
ODA
では国別
支援
計画
をしっかりときめ細かくやっていくんだということをおっしゃっていましたけれども、特にITは、国別、さらに同じ国の中でも
地域別
にきめ細やかな
計画
を立てて
支援
をしないとむだになる。ただ単にパソコンをばらまくだけの
支援
であるとか、あるいは電気も通っていないようなところへ光ファイバーを引いてもこれはどうしようもないわけでして、それぞれの国の
現状
とかあるいは
ニーズ
、あるいはその国のIT戦略にマッチした
支援
をしていかなきゃいけないと思うんですけれども、その辺の国別の
支援
の
計画
の
策定
とかはどういうふうにされているのか、あるいはこれからされていくのかということについてもお伺いをしたいと思います。 もう一つは、ITの
支援
の中で、当然国も今そう取り組んでおられると思いますけれども、一番重要でなおかつ相手にとっても
我が国
にとってもメリットが大きいのは、やはり
人材
の育成、教育だと思っております。それが
先ほど
言及のあった沖縄でのセンターの活用
状況
も含めてどういう形で取り組まれているのか、あるいはその研修の内容が単にアメリカ製の
技術
のマニュアル的な解説研修に終わっているのか、あるいは
日本
の持っている独自の
技術
、例えば光ファイバーの
技術
ですとかモバイルの
技術
も踏まえたような研修内容になっているのか、その点もお伺いをしたいと思います。 最後に、そういうことも含めた提案で、もし
経済
産業省、御意見があればお伺いをしたいですけれども。 例えば、教育によって
日本
と
途上国
の間にIT関係の人的ネットワークができてきます。そうすると、その人的ネットワークをベースにして
日本
と
途上国
で
途上国
向けのコンピューターのOS、オペレーティングシステムの
開発
をしてみたらおもしろいんじゃないか。 今、
世界
のコンピューターのOSというのは、ウィンドウズというアメリカ発のOSがほとんどのシェアを持っているわけですが、これはどうしても英語ベースで非常に使いにくいという部分がありますが、それを
日本
と
途上国
の間で、
日本
がお金を出して、そして
日本
の研究者と
途上国
の研究者で
共同
でOSを
開発
をして、多言語に
対応
したOSで、それを無償でみんなが使えるというシステムにすると非常に
世界
の、特に
途上国
のIT化に大きなメリットがあるんじゃないかという考えを持っておりますが、その辺は、もし御意見があれば伺いたいと思います。 以上です。
西田恒夫
42
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) これからの
開発
におきましてITが果たすべき
役割
というのは非常に大きいということについては、御指摘のとおりだろうと思います。 他方、ITというものが持っております特性の一つとして我々考えますのは、やはり民間のビジネスというものにある意味においては非常にふさわしい
分野
でありまして、何十年、例えば息の長いいわゆる
開発
というものと必ずしも一〇〇%マッチするというたぐいのものではないので、まさに実際に我々が今行っておりますプロジェクト形成あるいは被
援助国
との
政策
対話
等を通じましても非常に、正直に申しまして、なかなか積み上げに苦労しているというのが
ODA
に関する部分でございます。 例えば、数字で申し上げますと、二〇〇〇年の七月からことしの六月末までの実績ベースでいいますと、
ODA
とOOFを合わせてもまだ約十億ドルにしか達しておりません。もちろん、これは初動の部分でありますから、最初の部分が非常に少なくて、これがそのまま平均で例えば数年間伸びていくということでは必ずしもないと思いますけれども、実際問題として、今の時点で成約というか、実績ベースではこれほどしかないということでございます。 他方、もちろん、このようなものを今後とも被
援助国
との間でよりよい、かつ民間ベースでないものとしてどうやって
援助
で育てるかについていろいろな形で話し合いを今深めている真っ最中でございまして、非常に多数のミッションを出したりミッションを受け入れたりしております。これは、いわゆる
政府
機関
でもやっておりますし、それから
JICA
、
JBIC
それぞれからも出しておりますし、また先方からも、例えば
日本
におけるいろいろな民間ベースの、特に
日本
における
関連
の企業の方が行いますセミナー等々に先方のしかるべき方が
参加
をされるというその機会にまた改めて我々
政府
関係
機関
とも話をされるというふうに双
方向
の形になっておりますので、これは近い将来に、今よりは少なくとも実を結んでくるのではないかなというふうに考えている次第でございます。 その中で、
先ほど
大田委員からも御質問のありました、
日本自身
における受け皿としてのセンターというものをどうやって
拡充
するのかというのは、これは非常に大きな
課題
でございまして、これは
外務省
というだけではなくて、まさに経産省の方も来ておられますけれども、等々のむしろお知恵をかりてこれは魅力のある拠点にならなければ、ここが拠点ですから幾ら発信してみてもいわば無意味なことになりますので、そういう意味の拠点とネットワーク化というものが相並立して進んでいくような形でできないかということ。 他方、
先ほど
ちょっとお話しされましたけれども、じゃ電気のないところではITというのはないのかというような問題。これはちょっと何か神学論争みたいな話になりますけれども、例えば、電話網を引いていくとかというような形をも通じてこれをITと呼ぶかどうかという部分はちょっとございますけれども、そういうような
努力
というものをやっぱりやっていく必要があろうかなというふうに考えております。
日本
が得意なのはやっぱり
人材育成
ということでございまして、その
人材育成
については、まさに
民間企業
の方のノウハウを企業秘密に触れない範囲内において目いっぱい我々
政府
としても
支援
をさせていただくという気持ちでこれは積極的にお願いをしてきておるところでございます。
林洋和
43
○
政府参考人
(林
洋和
君) 私ども
経済
産業省の
ODA
の基本的な中心の一つが
人材
の育成と情報化
支援
ということでございます。 その意味で、今先生から御指摘ございました点、例えば貿易取引についてアジアで共通の基盤をつくれないかとか、あるいは情報処理
技術
者試験というのを
日本
でやっておりますけれども、それをほかの国にも広げられないかといったようなことをやっております。大変不勉強で、OSの
開発
を一緒にやれるかどうかという点は私、知りませんけれども、ちょっと一つのおもしろいアイデアとして勉強させていただきたいというふうに思っております。 それから、今の御質問をかりて、
先ほど
今井先生の方から卒業生のメンテナンスはどうかということがございましたけれども、私どもの
人材育成
で、自動車とかエレクトロニクス中心でございますけれども、そういった研修をやっておりますところが本国に戻った卒業生を集めて同窓会のようなものをやっている例もあるということを御紹介させていただきたいと思います。
白川哲久
44
○
政府参考人
(
白川
哲久
君) ありがとうございます。
世耕
先生の方からITの
関連
の御質問がございました。 私ども文部科学省の方も、今先生まさにお触れになりましたデジタルデバイドを防ぐためには、
人材
養成、教育が非常に重要であるという観点から、沖縄サミットでのコミットを受けまして、私どもは実は、
国際機関
でございますけれどもユネスコを担当しておりまして、ユネスコの教育
事業
の方に少額ではございますが今
年度
一億七千万の信託基金を拠出いたしました。 現在、この基金を使いましてタイのバンコクにユネスコのアジア地区の
地域
事務所があるわけでございますが、こちらの方を中心といたしまして、
アジア太平洋
地域
の小学校、中学校、高校の教員の方々、その方々を
対象
といたしまして、教育の場でITをどういうふうに有効活用していくか、その能力の涵養を目的といたしました研修
事業
を
実施
する予定でございまして、そういう
努力
をしておるということを御紹介したいと思います。
世耕弘成
45
○
世耕
弘成君
一億七千万円。
白川哲久
46
○
政府参考人
(
白川
哲久
君) 一億七千万でございます。
山根隆治
47
○山根隆治君 三点お伺いしたいと思います。 小泉総理は、
国内
だけではなく外国においても米百俵の話をされているという報道等があるんですけれども、この
ODA
の問題も、
国民
の見方というのはなかなか厳しくなってきて、三割くらいの方々はかなり消極的な
評価
だという報道があるわけでございます。 そういう中で、やはり長期的に見たらば、
現地
のひもつきだとか、ひもつきというと、今、
日本
では二割ぐらいだということの認識をしておりますけれども、
現地
の国々がいろいろな公共
事業
というか我々が投資する
事業
について仕事をとっていくということじゃなくて外国からのものが多いとかと、いろんな生々しい
現地
での話が伝わってきます。 そういう中で、私は、小泉さんがせっかく米百俵の話をされておりますので、やはり教育というか
人づくり
のお話、
先ほど
来出ていますけれども、そういうところにかなり今後シフトしていくべきではないかなというふうに思うんですけれども、この点についてどのような
考え方
を持たれるか、一つ伺います。 それから、二つ目でございますが、正式なカウントにはならないのかもわかりませんけれども、外国の
国際機関
を通じて北朝鮮に拉致問題に絡めて米を送り続けてまいりました。外交的に見て非常に私自身からするととんでもないことをやってきたなという思いがするわけですけれども、今後こうしたものについては、北朝鮮への米の
支援
ということについてはどのような
考え方
を
外務省
は持っているか、お尋ねをいたします。 それから、三つ目です。アフガニスタンの
状況
は非常に今硬直している
状況
だと、
現地
ではそういう報道もあるわけで、恐らく硬直した部分もあるんだと思うんですけれども、そう長い期間ではないところである
程度
平定をしていくだろうということの予測がつくわけですけれども、その際に、今、単なる難民
支援
という形じゃなくて、あそこにはカスピ海の油田の問題があります。 カスピ海は埋蔵量は相当なものだということも確認されていますから、今問題になっているのは、例えば今私がカスピ海ということを言いましたけれども、それは湖じゃないかという主張もあるわけですね。それは、国々によっていろいろな利害が直接絡むから、そういう言葉一つにも非常にナーバスになっているわけでありますけれども、今これから問題となるのは、カスピ海の油田については、やはり輸送、パイプライン、そうした敷設の問題等がこれから現実的にそれぞれの国の利害に絡んで、アメリカはもちろんロシア、
中国
、
世界
の大国が、ここの利権というか、そういうものをめぐって非常なこれから外交的ないろいろな措置をとってくるだろうというふうに思われます。 しかし、
日本
としてもこれを手をこまねいているべきではないと思いますけれども、こうした利害にかかわる問題と、そしてアフガニスタンの戦後の復興ということでのパイプラインの敷設、これは一国だけではなくて、アフガニスタン、パキスタン、それから旧ソ連の幾つかの国々を通ってインド洋に結んでいくということになろうかと思いますけれども、こうした非常に微妙な問題について、しかし現実には
日本
も戦後の復興策の
支援
として、
ODA
という視点からこの問題、避けて通れない問題がこれから惹起されてくると思うわけですが、この点についてどのように考えるか、お伺いをいたします。 以上です。
西田恒夫
48
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 御指摘のとおりに、総理におかれましては、各国要人とのいろいろなお話し合いの場を通じまして、米百俵の例を引かれつつ、
人づくり
の
重要性
、教育の
重要性
というものをいつも強調しておられます。このような
考え方
は
政府
全体としてこれまでも一生懸命
努力
をしてきたところでございまして、
日本
の教育に関する
協力
というのはいわばハードとソフトと両面あったと思いますが、一つには、
先ほど
他の先生からも御指摘がありましたが、学校の校舎をつくるというような一種の箱物的なものもやってまいりましたし、同時に教材を、コンテンツをつくるとかあるいは機材を
供与
するというようなこと、あるいは教育に従事する方を
日本
にお呼びして、
日本
の、主に理数科でございますけれども、教育というものを
技術
移転をするというような相まって
努力
をしてまいりまして、
予算
的にもこれは伸びてきているところは御
案内
のとおりでございます。 今後とも、自分たちの、
日本
の
開発
の
経験
というものがもしあるとすれば、やっぱりモデルの一つとなり得るのは
人づくり
、教育というものを
重視
することが最も最大の投資であるという
考え方
等に基づいて、各国にそのような
考え方
を、
理解
に努めると同時に、それを裏づけするようなハード、ソフト両面にわたる
ODA
というものをやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。 それから、北朝鮮に対する米
支援
という話いかがかということでございますが、これは御
案内
のように、
日本
政府
としましては、これまでも単に人道的な観点のみならず、
日本
と北朝鮮との関係、あるいはアジアをめぐる
情勢
等、より広いコンテンツの中でこの問題については総合的かつ慎重に考えるべきものというふうに考えておりまして、そのような基本的な立場は今も変わっておらないというところでございます。
アフガン
につきましては、御
案内
のように、これまでも非常に長い歴史の中でその時々のいわばいわゆる大国との関係で、抗争もございましたし、周辺の国との関係においてもいろいろな出入りがあって、かつ宗教的にも部族的にも非常に難しいという
地域
であるという認識は、これは各国がみんな共有しているところでありまして、他方、今御指摘のような難民のように極めて人道的に深刻な
状況
というものも日々起きていると。したがって、そのような
緊急人道支援
を行いつつ、どうやってここに和平をもたらし、それをさらに復興につなげていくかというのが非常に大きな
課題
になっておりまして、それぞれの国、それから周辺にあります
関連
の国、さらには
国際機関
というものが、もちろん国連を中心にしながら、皆どういうような知恵があるのか、
努力
があるのかということで突き合わせの
努力
が始まったというところであろうかと思います。 今、私たちの受けている印象は、相当に長い道のりになるんではないかということで、他方、和平というものと復旧、さらに復興というものを一つの大きな
流れ
としてとらえていくということが大事でありまして、ぼつぼつと切れた形でやってはこれは今までの
経験
に倣ったことになりませんものですから、それを
世界
全体としてどうやって抱え込んでいくかという問題がこれからの一番大きな外交的な仕事として大事な話だろうというのは御指摘のとおりであろうというふうに考えております。
白川哲久
49
○
政府参考人
(
白川
哲久
君) ありがとうございます。 山根先生からの教育の
重要性
について御指摘がございました。私ども文部科学省でも、まさにそういう
方向
で施策を進めていくべきだというふうに考えておりまして、教育
分野
におきます
開発途上国
への
協力
方策を
検討
いたしますために、昨年、まだ文部省の時代でございますが、大臣の私的諮問
機関
として国際教育
協力
懇談会というものを開催いたしまして、昨年の十一月には
報告
書をいただいております。 きょう、
外務省
の
西田
局長
の方から全体御
報告
ございましたけれども、例えば
青年海外協力隊
に現職の小中学校の教員を
参加
する
制度
を創設するとかいろんな
取り組み
をやっておりますけれども、まさに山根先生御指摘のように、小泉総理はことし七月のジェノバ・サミットでも米百俵にお触れになりまして、教育
協力
の
重要性
、それがコミュニケに盛り込まれたところでございます。 そこで私どもは、
日本
が持っております教育
分野
で培いました
経験
、それを生かしまして、できればこれまで行ってこなかったような
分野
についても
協力
ができないかということで、先月十月から新たに国際教育
協力
懇談会を発足をさせまして、実はきょうも二回目の会合が行われておるわけでございますが、ぜひ今後、教育
分野
において
日本
の
経験
をよく吟味をしました上で、より顔の見えるような
協力
を教育
協力
の
分野
で展開できるよう施策の展開に努めてまいりたいというふうに思っております。
林洋和
50
○
政府参考人
(林
洋和
君) 先生からカスピ海周辺の油田の話がございました。私、今貿易
局長
という立場なので若干個人的な意見も入るかもしれませんけれども、前職が資源エネルギー庁におりましたものですから、私どもの認識を申し上げさせていただきたいと思います。 私ども、アジアの原油あるいは天然ガスの需要に対して大変心配をしております。これは、一番大きな原因はやはり
中国
の油の需要の増大ということでございます。原油は既に輸入国になっている。今後、恐らく何年間か考えた場合に、
中国
あるいはインドを含めたアジアの原油、天然ガスの需要が爆発的にふえていくだろうと。そういう中で中東だけにラッシュするというのは非常に危険で、非常に価格が急騰するおそれもあると。そういう意味では、やはりカスピ海周辺の油と天然ガスは非常に大切なものだと思っております。 ただ、私なりに思うに、二つ問題がありまして、もう先生御承知のように、権利関係が非常に複雑であるということと、それからもう一つ、パイプラインをどうしていくかという問題でございます。
アフガン
・ルート、パキスタン・ルート、トルコ・ルート、イラン・ルートあるいは新疆ウイグルから上海の方に行くようなルートができた場合にそこに接続するのかといった問題もございます。ただ、いずれにしても大変関心を持って見ているということは御
理解
いただきたいと思います。 ただ、これは繰り言になるかもしれませんが、こういう中で他方、石油公団の廃止論なども出ますと、国のリスクマネーを一体どうしたらいいんだというようなことも悩ましいという問題でございます。
西銘順志郎
51
○
西銘順志郎
君 自由民主党の
西銘順志郎
でございます。
先ほど
来、先生方からたくさんの御意見等が出ましたので、大変素朴な質問かもしれませんけれどもお聞かせをいただきたいというふうに思うのであります。 私たちは、参議院議員になってまだ三カ月ちょっとでございますけれども、この
政府開発援助大綱
というものを見させていただきました。その中で「原則」の中に、これは
開発途上国
の軍事支出だとか大量破壊兵器だとかミサイルの
開発
だ、製造だ、武器の輸出等に関しては十分注意しましょうというふうにうたわれているわけであります。そういう観点からいたしますと、どうもこの
開発援助
に該当しない国もあるんじゃないかなというような気がしてならないんですが、その点、一点お聞かせをいただきたいというふうに思います。 それともう一点は、実は大田先生から
先ほど
お話ありましたように、沖縄には国際センターがあるというふうにちゃんと
説明
ございましたけれども、実は私は、ある意味ではこの特殊法人
改革
、そういうような
状況
の中で、
JICA
を、何としても
JICA
の
本部
を沖縄県に誘致したらどうなんだろうというような思いを非常に持っているものですから、この点に関してもぜひ御意見等を賜りたいというふうに思っております。 沖縄は、御承知のとおり大変な移民県でございまして、せんだっても十一月の一日から四日まで、
世界
のウチナーンチュ大会といって、
世界
のもう本当に南米、北米、ヨーロッパ、あるいはそれに二十七カ国ぐらいから日系の、沖縄の移民の県系の三世、四世たちがたくさん来ているんですね。 そういう中で、私たちが一番感心したのは、今から約二十年ぐらい前でありますけれども、
国際協力事業団
、
JICA
がボリビアにおいて大変な邦人のために
努力
をしているのを見させていただいたことがあります。そういう意味で、南の玄関口としての沖縄でぜひ
協力
事業
団を展開していただきたいなというふうに要望をさせていただいて、御意見を聞かせていただきたいというふうに思います。
西田恒夫
52
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 第一問の方は、恐らく先生からは具体的な名前は出ませんでしたけれども
中国
のことが
念頭
におありになるかと思いますが、そういう
理解
でお答えをさせていただきたいと思います。
中国
に対する
経済協力
あるいは
援助
というものについて、昨今極めて厳しい御意見あるいは御質問等があるということは我々
政府
も十分に承知をしております。
先ほど
若干御
説明
をしました市民との
対話
、例えば
ODA
に関するタウンミーティングでございますとか、あるいは
外務省
のホームページに来られますいろいろなメールを通じての投書という中でも一番多い質問ないしは申し入れというんでしょうか、やはり
中国
に対してどうして
援助
するのかという点がやはり非常に他をぬきんでて大きな部分を占めているということからしても、
国民
に広くこの問題について大きな疑問があるということがあるのではないかというふうに我々も十分に認識をさせていただいておるところでございます。 そのような
状況
を踏まえまして、では改めて今後、二〇〇一年というときでもございますので、
先ほど
も申し上げました国別に、それぞれの国に対してどういう
援助
をすべきかということについて
援助
計画
、
経済協力
計画
をつくるべしという指針をいただいている中において、
中国
についてもこの二年ほどいろんな場面でもって御議論を重ねていただきまして、その議論を踏まえて先般、
政府
としての対
中国
経済協力
報告
を出させていただいたというところでございます。 それは、若干繰り返しになりますけれども、基本的には
中国
というものが今後ともより開かれた国として安定的な国づくりに進んでいく、そのような
中国
と
日本
との関係が中長期にわたって安定的なものであるということが
日本
にとって最大の国益の一つであるという基本的な認識に基づいて
中国
とおつき合いをしていくという、これがまず一つでございます。 しかしながら、
中国
自身の
経済
発展あるいは
日本自身
が置かれております
経済財政状況
等々ございますものですから、当然それに従いまして
日本
の
中国
に対する
援助
の
あり方
というものが大きくこれは変わっていくだろうということが二点目でございまして、そのような認識に基づいて具体的に幾つかの点を書きまとめさせていただいたのが
中国
に対する
政府
としての
援助
報告
でございます。 幾つかございますが、一つには、御
案内
のように、
中国
につきましてはこれまで多
年度
で
援助
のある種の総額を約束するという形で毎年毎年の
援助
は、非常に単純に申し上げますれば、それを例えば四で割る、五で割るということを一つの基準にして
中国
に対する
援助
というものが行われてきたということがございますので、これはどうしてもその時々の日中関係の
現状
を反映して機動的に
対応
するには必ずしも適切ではないというようなことも踏まえまして、今
年度
からでありますが、新しい
援助
におきましては他の国と同様、毎年毎年、一年ごとに一件一件精査して積み上げていくと。結果として、
中国
に対する例えば
平成
十三
年度
、
平成
十四
年度
の
援助
というものができ上がるという形にまず方式を大きく改めさせていただくこととしました。 それから二番目は、やはり今の
中国
の沿海部の発展ぶりを見ますと、これに対して税金を使ってこのさらなる発展に
協力
するということは、これはいかにももう既に時代の要請とは離れていると考えますので、この部分は当然のことながら
中国
自身の自助
努力
でこれは資金調達等もやってもらうということでございまして、我々としては、その奥に横たわっております大変な
貧困
地帯というもの、そこに対して教育でありますとか、
先ほど
沢先生等からも御指摘ございましたけれども、教育、保健等々、草の根にそこに実際に住んでおられる
国民
、
中国
の
国民
の方々に直接裨益するような
援助
というものを、いわばこつこつと積み上げていくという
援助
の形に今大きく変えていきたいと。 それから次は、やはりそうはいいましても
中国
は
日本
にとっての大きな
経済
マーケットであることは間違いございませんので、
日本
の企業が出ていくために有利となるようなものについてはこれはまた積極的に取り上げたいというようなものを考えておりまして、そういうような
中国
に対する
援助
をやっていきたいというふうに考えている次第でございます。 他方、
もと
もと
御指摘の軍事費等についてはどうしたんだということについては、これまでも
努力
はしておりましたけれども、必ずしも十分な
中国
側から
対応
があったと思えませんものですから、今回を機会に改めて、
日本
側のまさに大綱に明らかに書かれております
考え方
というものを今まで以上に強く働きかけるということを、これはもう外交、
政府
を挙げて行っていくという決意を表明させているという次第でございます。 二番目の
JICA
につきましては、お答えに必ずしもならないんですが、現在あります施設を格段、
拡充
強化
すべく
努力
をいたしますので……
西銘順志郎
53
○
西銘順志郎
君 ぜひ
本部
の方も。
西田恒夫
54
○
政府参考人
(
西田恒夫
君)
本部
は、なかなかやっぱり今の東京から移すのは当面は難しいかなというのがお答えになってしまいます。
西銘順志郎
55
○
西銘順志郎
君 ありがとうございました。
野上浩太郎
56
○
野上浩太郎
君 自由民主党の野上でございます。 簡潔に二、三点についてお聞きをしたいと思いますが、一つは、
提言
十三にあります「
援助基準
の
多様化
」というところにも、
ODA
の
対象国
・
地域
の
認定
に当たってはGNP等の
経済的指標
、これを一応の指針としているということでございます。 個人的な話で恐縮なんですが、実は私の大学の卒論の
テーマ
がこの
ODA
でございまして、これはほぼ十年以上前の話でございますが、このころはまさに今書いてあるとおり、一人当たりのGNPというような
経済的指標
を指針として、いわゆる産業基盤の発展ですとかあるいはインフラの
整備
が中心の
援助
ということで、いろいろ
テーマ
として設定していたわけですが、この
提言
十八にもあるように、近年、その
社会開発分野
の
重視
というところに質的な転換が図られてきていると。まさにキーワードとしては人間中心の
開発
ということが挙げられると思うんですが、この転換には、私自身はGNPと人間中心の
開発
と、これは
バランス
をとって
ニーズ
にあった
開発
を進めていかなければならないと思っているんですが、この人間中心の
開発
を進めていくには客観的な
指標
が必要だと思います。 〔
会長
退席、理事山崎力君着席〕 それで、その中に、
提言
十三にもありますが、人間
開発
指数というのがありますね、HDI。このHDIとGDPというものはこれは必ずしも相関関係がないものでありますので、これをいかに
バランス
をとってそのHDIというものを反映させていくのか、この点についてお聞きをしたいと思いますし、
提言
十八にもありますが、
社会開発分野
の比率が
平成
十年で二〇%、
平成
十三年では約二五%ということでありますが、将来的にこれをどのような数値まで持っていきたいとお考えであるのか。 そして、あわせて、最後なんですが、
世界
開発援助
に関する
中期政策
、この中でいわゆるHDI、人間中心の
開発
というものをどのように今具体的に位置づけているのか、お聞きをしたいと思います。
西田恒夫
57
○
政府参考人
(
西田恒夫
君)
先ほど
のお答えと一部重なることになると思いますが、私たち
政府
としましても、具体的な国あるいは具体的なプロジェクトに対してどのような
援助
スキームを使うのが一番よいかというような議論をする中におきまして、
先ほど
申し上げましたいろいろな基準の一つとして、主要な基準としてやはりパーキャピタGNPを使っているということは、これは依然として変わっておりません。それは、やはり一つの客観的、普遍的な
指標
として他のドナーも含めて議論ができる素地になりますし、その国の発展段階、
開発
状況
というものを示す非常に有効な一つのメルクマールということについては変わりはないというふうに考えているからでございます。 他方、今、先生御指摘のように、それだけでその国の実態というものが明らかにならないんではないかというのは私たちも全く同様の
考え方
を持っておりまして、先生御指摘の例えば平均余命でありますとか識字率でありますとか、これも一つの
考え方
で、これは必ずしも絶対的に、果たしてその国の社会
開発
状況
というものを完全に映しているかどうか、これもある意味では発展していくものではないかと考えておりますが、そのような中でUNDPが試行的に行い、かなり今、
援助
世界
の中において確立されつつあるこの人間
開発
指数というものを十分参考にさせていただきながら
援助
をしているという実態は、これはございます。 特に、今の御質問にありますように、これまでの
経済
インフラから、
経済
インフラも引き続きやりますけれども、やはり社会セクターというものをさらに
重視
していこうという
考え方
で中期
計画
もできておりますので、そのような
考え方
に基づいて、より具体的なプロジェクトを形成し、それを
実施
していく上では、当然のことながらこの人間
開発
指数と、特に
開発
指数ということもありますが、それぞれの
分野
での具体的な数字というものがあるわけでございますから、例えば識字率がどういうふうに動いてきているのか、小中学校の数がどういうふうにふえてきているのかふえていないのか、偏在しているのか偏在していないのか等々、それぞれのセクターセクターに着目して、先方との議論をさらに深める形で、それに具体的な下流の
世界
でプロジェクトをぶら下げていくというような
努力
を今後ともしてまいりたいというふうに思っております。
山崎力
58
○理事(山崎力君) ちょっと済みません、一言だけ。 時間が押しておりますので、簡潔な御質問と御答弁のほどをお願いします。
若林秀樹
59
○若林秀樹君 だんだん質問する
項目
が残り少なくなって、少しちょっと変わった視点から申し上げたいと思うんですが、三つ簡単に申し上げたい。
実施体制
、
人材育成
なんですが、
先ほど
から
専門家
というのは、
登録制度
とか
調査
員を雇うとかいろいろ話が出ていましたけれども、やっぱり
日本
人でなければいけないというのは、
日本
政府
を代表する立場であり、あるいは
国際機関
で働く
日本
人である必要性というのを私は感じているんですよね。 その中で、
経済協力
局を見ても、経協の
経験
がない方がいきなり課長に座られて、あしたから
国際機関
だ、
現地
へ行ってということに対しては、非常に当人にとってもお気の毒ですし、本当の意味で
日本
の
援助
の問題についてきちっとアピールできているかということを見ると、やっぱり
外務省
全体の人事のローテーションの中で今その
体制
がつくられているという観点から見れば、私はここに少し違った人事の
流れ
もつくる必要があるんじゃないかなということ。 それから、
国際機関
につきましては、御存じのように世銀、IMF、どこをとっても
日本
人で働く職員の方が非常に少ないということは、私は、
日本
の
援助
をやって、国を代表するわけじゃないんですが、やっぱり
日本
人があってそれを
実施
する
機関
にいるということの意味合いは大変重要じゃないかなというふうに思いますので、この二点についてまずお伺いしたいということです。 それから、国別
援助
なんですけれども、確かにないよりあった方がいいんですが、今の印象ですと、つくることに非常にきゅうきゅうとしているというんでしょうか、つくることが目的化しているというんでしょうか、やっぱり半年もたてば
経済
情勢
は変わり、いろんな財政収支は変わり、いろんな
状況
の中で本当に常に見直す
体制
ができていればいいですけれども、できていないんであれば、私はもっと違うやり方で、例えば世銀に埋もれているあらゆる情報をもっと活用するとか、いろんな方法があるんじゃないかなと。 例えば、世銀を見ても、三千人、四千人のエコノミスト、
現地
のスペシャリストがいるということの中では、本当の意味でそこを活用しているかといえば、私はまだまだできていないんじゃないかなというふうに思いますので、例えば世銀についても、こういう情報のアクセス、活用をどういうふうに考えられているか、国別
援助
との関係も含めてお伺いしたい。 それから、最後にアンタイド率の問題なんですけれども、御存じのようにDACではアンタイド化を進めていまして、
日本
はそれに合っていて問題はないと思うんですが、逆に今のこういう厳しい
状況
の中では、今の恐らく契約では、契約が
日本
企業であっても最後の調達は
日本
である必要はないということになっていると思うんですけれども、例えばLLDCを見ても、アンタイド率はオーケーなんですが、今のこの国の、
日本
の
経済
状況
を考えると、認められる範囲内でもうちょっとタイド化を図る
方向
があるのかどうか、その辺のお考えをちょっと聞かせていただければと。 以上、三点について。
西田恒夫
60
○
政府参考人
(
西田恒夫
君)
外務省
の具体的な人事
政策
というのを、ちょっと私、立場上余り答えるにはふさわしくはないんですが、より専門性のある
人材
を育成すべきであるということについては、これはもう御指摘のとおりだろうと思っております。 ただ、その場合には、本省の経協局にいることが直ちに
ODA
の
専門家
かどうかということは、必ずしもそうではないんではないかと。例えば、大使館勤務等を通じましてLDCに行けば、当然のことながら
援助
というものがその国と
日本
との関係の大宗を占めるという国もかなり多うございますので、大使館に行って、例えばインドネシアに行く、例えば
ベトナム
に行く等々でありますが、という中において
援助
に携わっていること自身も、いわば
ODA
についていわゆる素人ということでは必ずしもないということで考えまして、その点は経協局にいつもいるからということが直ちに経協のプロかどうかという話とはちょっと違うかなとは思いますが、しかし、それはあくまでももっとより大きな、あるいは強力な意味で人事
政策
を考えるべきということについては全く異論はございません。 一つ、最近の試みとしまして、
外務省
でも、保健、公衆衛生に関する
専門家
の方を、大学の現役の先生に来ていただきまして、
外務省
員として年次を切った形の採用をさせていただきまして、
日本
の
援助
における、特に保健
分野
でありますが、専門性を高めるというような
努力
も具体的にさせていただいているところでございます。 このようなことは、もちろん生身の人間を扱わさせていただく問題でもありますので慎重であるべき点はありますけれども、やはり可能な限り学界あるいはビジネスの方とも通じて、そういう方を積極的に活用させていただくということをやっていければというふうに思っております。 それから、
国際機関
における
日本
人が少ないではないかと。これも非常に長い間御指摘をいただいているところでありまして、世銀についてはかなり最近ふえてきております。特にUNDPとは、これはここで余り大きな声で言うべき話ではありませんが、かなり高いレベルにおいて
日本
人職員というものをシステマチックにふやしていくということで、お互いに
努力
をするということが、今そのメカニズムが
動き
出しております。実際かなりの数でこれは今ふえつつございますので、そういう意味では、やっぱりUNDPというのは一つの非常に象徴的な
機関
でもございますので、これをよすがとして、今後とも
国際機関
における
人材
を送り込むという
努力
はさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。 それから、
国別援助計画
なるものがつくるだけであって必ずしも十分生かされていないんではないか、あるいは
援助
計画
自身が一回つくったらそれっきりたなざらしになっているのではないかという御指摘については、まさにそうあってはいかぬというふうに考えております。 今、ちょうど十ぐらいつくらせていただいたところでございますが、ですから、今私が部内的にも申しているのは、どんどん数をつくればいいというものではないので、やはり重要な国の数というのは実はそんなにたくさんあるわけでもないので、五十つくったから偉いとか、百つくったから立派だという話ではなくて、やっぱり主要な国に対する
援助
計画
をしっかりとしたものをつくり、かつそれがいつもいわば動いている、リボルビングなものであるというような形の仕組みをつくるということも同時にやれということを
検討
している次第でございますけれども、それは
外務省
だけができる話ではなくて、まさに財務省、きょうは文部科学省も来ていただいておりますし経産省も来ておりますが、やっぱりいつもそこで新しくデータをアップデートする等々のことは今後ともさらにやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。 アンタイドにつきましては……
若林秀樹
61
○若林秀樹君 世銀はどうですか。
西田
局長
の立場でお聞きしているんですが。
西田恒夫
62
○
政府参考人
(
西田恒夫
君) 世銀につきましては、財務省との例えば
JBIC
をめぐるような
協力
関係もありますし、それから、世銀についての
外務省
からのアクセスというようなものにつきましても大変に私は飛躍的に改善をしつつあるというふうに考えております。世銀というものが非常に大きな存在になってきて、世銀自身に対する
評価
はいろいろございますけれども、何だかんだ言っても
援助
の
世界
における世銀の占める非常に主導的な立場というのは今後とも変わっていかないと思いますので、やはり
ODA
と世銀というものがいわばがっぷり組んだ形の
協力
ができる形でぜひ財務省とも
協力
させてまいりたいというふうに考えております。 それから、アンタイドの話でありますが、これは、基本的に
有償
の方が大体アンタイド、それから無償につきまして、表現ぶりはいろいろ微妙なものがございますけれども、ある種部分アンタイというんでしょうか、企業で縛っておいて調達先はアンタイドと。 これは私、最後の調達は、やはりその実際に受注をされました企業さんがマーケットを見て一番適材のものを調達されるという仕組みが一番フレキシブルで私はよろしいんじゃないかというふうに考えておりますので、あとは、要するに
有償
の部分でどういうような形で融資そのものについてはタイド化のことも含めて
配意
ができないかということで、御
案内
のように、特別円借のような形で非常に目的を限定した形でそのコンセッショナル率を非常に下げてその分だけタイドにするというような工夫もこれまでさせていただいておりますけれども、これが今後どういう形で生かせるのかということで勉強しているところでございます。
溝口善兵衛
63
○
政府参考人
(
溝口善兵衛
君) 今、若林先生から
国際機関
の問題提起がありましたが、
国際機関
で
日本
人職員が多く働くように長年やっております。徐々に効果も上がっていると思います。引き続き
努力
したいと思います。 〔理事山崎力君退席、
会長
着席〕 それで、あと世銀なんかとの
援助
についての情報の交換といいますか、それは近年格段に密になっていると思います。例えば、
JBIC
は年に二回ぐらい向こうへ担当者が行きまして、行った際に各局のスタッフと意見交換をしたり、それから
JICA
ももう何年もやっていると思います。それはまあ定期
協議
みたいなことですが、世銀のスタッフだとかそれからIMFのスタッフもそうですけれども、アジアに行くときには大体東京に寄って、その際に私どものところにも参りますし、
外務省
にも参り、それから
JBIC
、
JICA
にも行きまして、それはかなりポリシーのレベルから実際のプロジェクトのベースまで意見交換が非常に密になっていると思います。 いずれにしましても、
日本
は
世界
の中で最も大きなドナーの一つですから、世銀とかIMFの方が
日本
と
協力
したいと、むしろ向こうから来ることが非常に多くなっていると思います。 以上でございます。
高橋恒一
64
○
政府参考人
(
高橋
恒一
君)
国際機関
におきます邦人職員の件につきましてちょっと補足させていただきたいのでございますけれども、国連全体で見ますと、一九九〇年で
日本
の職員が四百五十二人だったのが二〇〇〇年で六百五人になっておりますので、かなりふえているといえばふえているのでございますけれども、これは全体の三・三%、
我が国
の分担金等から考えますとこの倍はいないと、もっといてもおかしくないということでございます。 それで、UNHCRの緒方前高等弁務官の活躍が
我が国
の
国際社会
における顔ということでいかに貢献したかということを考えましても、やはり
国際機関
のまずトップに
日本
人を送り込むというのは非常に重要だろうと思っております。現時点におきましては、ユネスコの松浦事務
局長
、それからITUの内海事務
局長
が
国際機関
のトップで活躍されておられますが、さらに先般就任されました国連の大島事務次長、これも現在の
アフガン
の人道
支援
のコーディネートの責任者になっておりまして大変活躍をされておられます。 それから、もちろんもっと若い、中堅のところから若い人たちにつきましても大変いろんな
努力
をしておりまして、
日本
だけ国連のいろんな
機関
、ILOそれからIAEA、UNDP、WHO等が特別に
日本
人の職員を採用するためのミッションを毎年
派遣
してもらっております。先般、国連
本部
から人事
局長
が来まして、私も会いましたけれども非常に熱心にやっております。 それからもう一つ、非常にこれは将来
期待
ができると思うんですが、若手の職員ですね。これを将来送り込むための予備軍としまして、
外務省
の
予算
におきまして年間六十五人、
国際機関
にジュニア・プロフェッショナル・オフィサーという形で
派遣
しておりまして、この人たちは語学の点でもそれから能力の点でも大変国連に高く
評価
されておりますので、将来こういう人たちからどんどん職員がふえていくんじゃないかと
期待
しております。 以上でございます。
小林温
65
○小林温君 済みません。じゃ、時間がないので簡潔に。 一つは、
開発
教育と
人材
の育成の件なんですが、そういう
努力
を続けると同時に、やっぱりキャリアパスをいかに
確保
するかということが必要だと思うんですね。
先ほど
若林先生の話にもありましたが、今の
日本
の活力を考えると、やっぱり役所と民間の間の行き来をもっと流動化させると。
先ほど
保健の大学の先生の例が出たんですが、そういう特例じゃなくて、特にこの
経済
やら
開発
協力
の
分野
というのは、通常のキャリアの方じゃない方が学位を持っておられて実務を許されているという場合が多いので、その辺ぜひ
外務省
の方から声を上げていただいて、
外務省
の中にPhDを持っておられる
専門家
の方等をたくさん採用していただければ、これは人事院の問題とも絡むんでしょうが、ぜひお願いしたいというのが一つでございます。 それから、
先ほど
世耕
先生の方、デジタルデバイドの話もあったんですが、ITの
支援
、
援助
の中で、例えば
先ほど
はOSの話が出ましたが、会計であるとか金融であるとか税制であるとか、そういう知的インフラの部分ですね、これは
途上国
は当然これから必要なものであると同時に、その
制度
をつくると同時に、これはIT化というものが当然視野に入ってこなければいけないと思うわけです。 この辺のところというのは、かなり
協力
の可能な
分野
であると同時に、
日本
の国際戦略を考えた場合に、これからネット自体が使われるので端末では軽いわけですが、裏のバックアップの部分を考えると、非常にこれは装置産業とも言えるべきもので、
日本
が戦略的に考えた場合に大変重要なところじゃないかと私自身思いまして、現実的にそういう例が今までの
ODA
の中で知的インフラのIT化に関する
援助
というものがあったかどうか、もし実例があれば教えていただきたいというふうに思います。
西田恒夫
66
○
政府参考人
(
西田恒夫
君)
専門家
の方に、学界、民間を問わずもっと
外務省
で採用すべきという点については、私たちは全くそのとおりだと思っております。 やはり人事というものが、ともすれば閉塞的なものになりがちだということについては大変に反省をしておりまして、ただ、先生御指摘のように全体の縛り等々の問題がございますので、この点はむしろ先生方の強いリーダーシップを発揮していただいて、要するに国家公務員の
制度
の
あり方
について何かより弾力的な仕組みというものが考えられれば、他の幾つかの国にありますような、いわば今は例えば官でありますが、しばらくは民に入り、またそれが官に戻ってくるというようなことが、相互乗り入れがもっと自由な形でできれば、やはり限られた
人材
をより有効に使う。あるいは、潜在的で必ずしも開花していない
人材
、タレントを育成するという非常によい刺激になって、これは我々の
ODA
、つまり
開発援助
に役に立つというよりは、むしろ
日本
の社会そのものの、社会
経済
の活性化につながっていく話ではないかというふうに考えておりまして、それはまた、これからまさに出てきている若い世代に対して非常に魅力のある誘因になり得るんじゃないかとも考えておりまして、今回の
外務省
の
予算
の重点
項目
の一つにも、やっぱり
ODA
の
国内
的ないわば活用というんでしょうか、
国内
の閉塞
状況
を打ち破るために
ODA
は何ができるのかという観点も必要じゃないかということをちょっとうたわしていただいたのもそのような背景がございます。 それから、二番目にITでありますが、恐らく財務省からまたお話があろうかと思いますが、今のようないわゆる税制、金融等もそうでございますし、あるいは入管みたいな話ですね、このようなものについてやっぱりITというものが非常に強力な
役割
を果たすということは我々も認識しておりますし、また被
援助国
側の方の
考え方
にもそのようなものが幾つも出てきておりますので、今の時点で具体的にそういうようなアプローチができているかどうか、ちょっと私、今
手元
にございませんが、それは非常に有望な
分野
の一つだろうと考えております。 全く私事でありますが、随分昔に、いわゆる電話の交換機というようなものをどうやってそれぞれの国にいわば売り込むかというようなところで、各国しのぎを削ってきたというような時期があったと思いますけれども、やっぱりITというのが、今御指摘のようにある種の装置産業的な側面もあるということもございまして、恐らくこの点は経産省にもいろいろお考えあるんじゃないかというふうに考えております。
関谷勝嗣
67
○
会長
(
関谷勝嗣君
) 挙手をされました最後の方、舛添要一君がいますが、時間の四時になりまして、今彼にどうするかと問い合わせましたら、こういう方ですから質問が長くなりますので、次回に譲るということで、次回の
調査会
での優先権を与えるという条件でお引き取りをいただきました。 予定の時刻が参りましたので、本日の質疑はこの
程度
といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時散会