○国務
大臣(
田中眞紀子君) 私もこの公金に対する問題、四月二十六日の着任以来いっときも頭から去りませんで、外交をあらゆる面で、きょうもTICADというアフリカから数十カ国の方が来られて今会議が進行中で、抜け出して伺ったのでございますけれ
ども、おとといもロシアの副首相が来られたり、私が外国に出なくてもたくさんの方がいらっしゃいますし、この後もまた国際電話を何本かおかけすると。そうした中でいろいろなことを、日本の外交のために最善を尽くさせてい
ただいております。
けれ
ども、この公金に対する不正な問題、不祥事と簡単に言い切れない問題が次から次へと追い打ちをかけてきます。そればっかりやっていて外交をやっていないではないかと言われることは、もう私は甘受いたしますけれ
ども、外交はやっております。その中で、こうしたことがめぐり合わせとして私が
外務大臣在任中に出てきておりますので、これに対する対応もしかと正眼の構えですることが私の義務だろうというふうに思っておりますので、いわば二つの荷物を背負わせてい
ただいているというふうに自分で思っておりますけれ
ども。
これを、私は原因は何なのかということをずっと考えておりますけれ
ども、キャリア、ノンキャリアという壁が非常に高くて厚くてかたくて、どこの役所にもキャリア、ノンキャリアはございますし、それは東京都の副知事をなさった続
委員はよく御存じでいらっしゃると思うんですけれ
ども、
外務省の場合はそれぞれが結構すみ分けてしまっていて、お互いに干渉しないような雰囲気が非常にあります。
今回、かなり不満が出てきているということをこれを契機として改革できると思いますし、それから在外公館も本省内も本当に寝食を忘れて、後ろに控えている若い方たちもそうですけれ
ども、
皆さんとにかくよく働いているんです。実態はよく働いていますし、私も幹部からもサポートしてい
ただいて感謝をしているんです。ですから、こうして
答弁もできるし、外交も機能しているわけなんですね。
ですけれ
ども、どこかに意識の面で、公金、
お金については極めてこれはルーズです。着任以来、私も驚いたことがもう本当に何度もございまして、それも、やっぱりこの報償費とか何かというのは、この間は五十五億でしょうか、今度少し減額ですけれ
ども、大変な大金がぽんと入ってくるわけですね。そうすると、そういうものをもう何十年間も本省も外国も、機密費と渡切費というんですか、そういうのがあって、やっぱりわからなくなって、人間というのは愚かなもので、感覚が麻痺するんでしょうか、大金であればあるほど緊張するのかと思いますけれ
ども、そうではないということ。この額の大きさ。それから、そうした何かキャリア、ノンキャリアがあるということ。それから、やはり在外に二年ぐらいするとすぐ出ていく。一番早い人は三カ月ぐらい、古い人はずっと十何年間、十六年とかいう人も同じところにいて、人事の面で全然入れかえをしない。人を入れかえないと。組織は人と
お金だと思います、民間の
企業も。
したがって、
お金については、今回も監察査察制度でございますとか部局会計の一元化ですとかそれから抜き打ち査察、こういうことによってデンバー、コロラドの
ケースも出たわけです。
しかし、人を入れかえるということについてトップが反対をすると。これは、人を入れかえないので、古い、何十年の人も、それはもちろん通訳でありますとかタイプを打つ方とか、そういう方たちは条約局でもって細かい条約を知悉している方、しかしそういう方だって事故があるかもしれないから、人を育てる、入れかえるという努力をしないでその上にあぐらをかいている。それから、ちょっと都合が悪くなるともう三カ月ぐらいで人をどんどん外国にやったり入れたりする。こうすると金銭感覚はなくなってしまうと思います、私は。
そういうことに、人事に
ルールを、三年
ルールということを私は言っておりまして、それとか民間大使をもっと入れるとか、ドアをあけてフレッシュエアを入れる、そしてかきまぜることによって随分組織は活性化するし、そういうことを多くの若い方たちはそれを支持してくださっています。それをやってくれと。在外からもそれを頑張れということをいっぱい言ってくださる。そういう声の方が
外務省内でむしろ横溢しております。
したがって、ぜひ、この内閣も改革を目指しておりますので、内閣を挙げて
外務省改革にも、国会の皆様方、
先生方、衆参ともに、やはりみんなの税金の使い道ですから、人ごとであるというのではなくて、ぜひサポートしてい
ただきたいし、私は、副
大臣、政
務官、皆様よくやってくださっていますけれ
ども、やはりそれでは、国会議員の六人ぐらいではとてもとても、五千人もの
外務省の方たちが百何年だか何百年かやっているわけですから、これはもうとてもじゃないけれ
どもかないませんので、ぜひお力添えを、これでおしまいである、年が明けたから終わりではなくて、また次またぞろ出るといけませんし、ですから、ぜひ関心を持ち続けてい
ただきたく存じます。御
指導のほど、よろしくお願いをいたします。