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櫻井充君 まあいいです。
例えば、そういう場合には数日たてば結論は出るわけですよ、感染症ですから。感染症でも潜伏期間が非常に短いですから。これ、数年から十年以上かかるものに対して、それを食べたから安全か安全でないかということを見せる、証明するというのは非常に難しいことなんです。何を申したいのかというと、やはり科学的な知見に基づいて一つ一つ整理していかなければ問題は
解決していかないということです。
そこの中でいえば、武部
大臣、ここはぜひ御
理解いただきたいんですが、これから先の牛肉は安全だということは私も認めているんです。そして、私も自分の勉強会の中でこれはかなりきちんとした形で報告しております。きのうも仙台市で牛肉フェスティバルがありまして、私はその場に行ってまいりました。二頭目の牛が出たので、果たしてどれだけの方がお集まりになるのか非常に心配でしたけれ
ども、大変盛況のうちに終わっておりましたし、みんなが、安心マークのついた肉はこれから大丈夫ですよという、そういうコマーシャルをされておりました。
それはそれで、その
努力に関してはこれはもう認めているわけであって、それよりも問題なのは、つまりはあの二頭目ではっきりわかったことは、症状のなかった牛でもあのようにプリオニクステストで強陽性になると。プリオニクステストだったでしょうか、どちらをやったか忘れましたが、とにかく強陽性だったわけです。そうすると、これまで全部チェックしてきたのはどういうサーベイランスを行っていたのかといえば、とにかく症状があったものに関してやっていると。一頭目の牛だってたまたま見つかったわけでして、たまたまなぜ見つかったかというと、今度新しい検査法をするから年間三百検体集めようと、そういうことでたまたまやってみたらひっかかったというだけの話なわけですよ。
そうすると、これからもう一つやっていかなきゃいけない作業は一体何なのかというと、これまで食べたことのある人
たちがいる
可能性はもう否定できないということなわけです。つまり、これからもしそういう人
たちが、新しいタイプのクロイツフェルト・ヤコブが発生した際に、これは不幸にして
日本で狂牛病がないものとして扱われていた時代に食べてしまった
可能性があるということなわけです。都合のいい部分だけ、この十八日の「安全な畜産物の供給について」というのは、非常に厚生省そして農水省にしてみれば都合のいい部分だけが書かれていて、実際これまで狂牛病が発生したかもしれなかったことを見落としていたという記載というのは一切ないわけです。そして、もしそういうことがあったとしても食肉は安全なんです、だから皆さん、心配しないでくださいということであれば、その旨も書くべきなんです。
私は、こういう情報公開が一方的なものだからこそおかしいんじゃないかと言っているのであって、そしてもう一点、これが
大臣の決裁も受けたか受けていないかわからないまま談話として出てくることがおかしいんじゃないかということを言っているわけです。特に、狂牛病の問題というのは国民の皆さんにとって非常に重大な問題ですから、こういう点に関していえば決裁をとって官報に載せるなりなんなり、マスコミの皆さんは何と言うかというと、結局これをとって安全宣言だと言うから、二頭目が見つかったときに畜産農家の方々が、何だ、話が全然違うじゃないかということになっちゃったりしているわけですよ。そういう
意味で、広報のあり方というのを考えなきゃいけないんじゃないかということを
先ほどから申しているわけです。
そこで、
大臣、私はやはり今、
大臣の答弁を聞いていて、医学的なことはわからないけれ
どもこういうものなんだろうということではなくて、きちんきちんと詰めていかなければ物事は
解決していかないということですよ。それから、
先ほど反省しておられますということがございました。
大臣はもう一つ、風評被害という
お話をされましたけれ
ども、風評被害を起こしたのは農水省じゃないですか。農水省の初期の対応がまずかったからこういうことになっているんじゃないですか。そしてもう一つ、狂牛病を発生させたのだって農水省の対応が悪いからじゃないですか。
例えば、僕はびっくしたのは、アメリカなんかはイギリスから、イギリスで発症したというのがわかったら、八〇年代にもう輸入を禁止しているわけですよ。例えば、八六年に初めてBSEがイギリスで確認されたら、八八年の七月にはもうアメリカでは輸入を禁止しています。これは、アメリカは、イギリスに対してだけじゃなくて、
日本が狂牛病の汚染国だとわかった瞬間に加工品の輸入をもうとめているんですよ。こういう
危機管理を持って全部やっているんです。一方、翻って
日本はどうかといいますと、九六年の三月だと言いますが、実は九六年の三月というのはイギリス自体が輸出を禁止したと、そういうふうにうたっているわけであって、
日本が独自に輸入を禁止したかどうかもわからないわけですよ。
こういうこと全体を考えてくると、
大臣、農水省は何らかの形で私は責任をとってもらわなきゃいけないと思っておりますし、農水省のトップである
大臣が私はきちんとした形で責任をとるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。