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西山登紀子君 福田
大臣は
男女共同参画担当大臣でございますので、こういうことにもお答えができないという
大臣が、笑い事じゃないんですよ、
男女共同参画担当大臣になっているということは、日本の女性にとっては大変不幸なことだと。
時間がありませんので行きますけれ
ども、そして、私は
局長の答弁にも反論しておきたいと思います。これは、男女賃金の格差の是正というのは、やっぱり独自の課題でございます。憲法と労基法が男女賃金差別を禁止して以降、五十年余りたってもなお格差はあるとお認めになったわけです。これは企業の利益の絡む非常に困難な課題でございますから、計画から削除して是正が進むのかという問題なんですね。結局は、賃金差別解消を棚上げにいたしまして、企業に対しても強制力のない賃金、待遇格差の是正策、こういうことでお茶を濁していこうというようなことではないかと懸念をいたします。
労働組合だけではなくて、民間の女性団体も、この男女の賃金差別の問題について、やっぱりこれは
自分たちで
調査を進めなければいけないということで
調査を始めている団体もございます。私、きょういただきましたけれ
ども、新日本婦人の会という団体がことしの三月、四月、アンケート
調査を
自分たちの会員の中でやっていらっしゃる。そういたしますと、職種によっても非常に差があるということがわかります。建設業では男性五十五万に対し女性四十万、月額ですね、そういうのがあると。あるいは、製造業の一般の事務の場合でも、年間を比べますと女性が三百十五万円も損しているというようなデータもあると。昇格・資格試験がない一六・七%、あるいはあっても女性は受けられない二一・三%、五歳年下の男性よりも低賃金だ、こういう生々しい声が民間の
調査でも上がってきているわけですね。
ですから、私は、政府が鳴り物入りでつくった
男女共同参画の基本計画の中に二〇〇〇年プランにはきちっとあったものをわざわざ落とす、これは意図的に落としたというふうにまでは申しませんけれ
ども、しかしそういうふうに私は言いたいような気持ちがいたします、今の
大臣の態度を見ておりますと。まともに答えようとなさらないんですから、これは。問題だと思います。
さらに、国際的にはそれじゃどうなっているかということでお聞きしますが、国連の
社会権規約
委員会の八月三十一日の最終見解についてお聞きをいたします。
この
社会権規約
委員会というのは国連の中の
委員会でございまして、加盟国に対して勧告の権限を持っている
委員会でございます。その
委員会が日本に対しまして八月三十一日に最終見解を出しているわけです。
これは外務省からいただいた訳なんですけれ
ども、経済的、
社会的及び文化的権利に関する
委員会の最終見解というのがございます。今度も
大臣にお伺いいたしますので。この中には、加盟国に対する懸念、それから勧告ということになっているわけですが、二十三項目の懸念の中で三項目が男女の賃金差別に対する懸念になっているわけですね。
十七番目のところには、「
委員会は、また、男女の間に同一価値の労働に対する賃金に事実上の不平等が依然として存在すること、特に、多くの企業では、主として専門的な要職に昇進する
機会がほとんどあるいは全くない事務員として女性を雇う慣行が続いていることについても懸念を有する。これらの不平等は、一九九七年の男女雇用
機会均等法改正のような締約国によってとられた立法上、
行政上、及びその他の
措置にもかかわらず残存している。」、こういう懸念を表明しております。
また、二十四項では、「
委員会は、最低年金
制度が存在しないこと及び男女間の
収入格差を永続化させる年金
制度における事実上の男女不平等が存続していることについて、さらに懸念を有する。」としております。
そして、勧告の中では、四十二項ですが、「
委員会は、締約国に対し、特に雇用、労働条件、賃金、並びに議会、公務部門及び
行政府におけるより高いポストへの就任において、更なる男女平等を確保するため、現存の法律をより精力的に履行し、適切な男女平等の
観点から新規立法を行うことを要求する。」と。
四十四項では、「
委員会は、締約国に対し、男女雇用
機会均等法などの現存の法律、並びにILOによって言及された
職業的進路により異なる雇用管理に関するガイドラインのような関連の
行政、その他のプログラム及び政策をより積極的に実施し、また、そうした内容の適切な新しい
措置を採用することにより、同一価値労働に対する賃金に関して事実上の格差が男女間に存在する問題に引き続き取り組むことを強く勧告する。」、こういう強い勧告を出しています。
大臣にお伺いしますけれ
ども、少なくともこうした懸念や勧告は真摯に受けとめるべきではないでしょうか。そして、賃金格差の是正を図るために、少なくとも計画の中にきちっと賃金格差の解消というものを明文化して積極的な対策をとるべきではないでしょうか。
あわせて、直接の所管
大臣でもございます
坂口厚生労働大臣に、この
社会権規約
委員会の懸念と勧告を受けとめて待遇や賃金差別の解消を図る決意をお伺いしたいと思います。