○続
訓弘君 私は、第百六回IPU会議に
出席をしてまいりました。そこで議題となりました案件、並びに当
委員会が第百四十五回国会で一年間審議をし、そして議決をいたしましたODAの関連につきまして、
外務大臣にお伺い申し上げます。
まず、西アフリカのブルキナファソの首都ワガドゥグで第百六回IPU会議がございました。期日は九月六日から十八日まででありました。この会議には百四十一カ国、約千二百名の国会議員が
出席をいたしました。我が参議院からは、日出英輔議員が団長で大門実紀史議員と私の三人でありました。衆議院は七名、合わせて十名が
出席いたしました。
議題は、第一番目に、世界の政治、経済及び社会情勢に関する一般討議、二番目には、未来の社会を担う児童の保護と尊重、三番目に、
国民の健康及び経済的・社会的・政治的発展を深刻な危機にさらし、多くの国家の存続そのものを脅かすHIV、エイズ及びその他伝染病と闘う緊急の行動、そして四番目には、九月十一日の
アメリカに対するテロ攻撃非難宣言その他が議題でございました。私たち参議院三名は、上記すべての会議に
出席いたしました。会議の途中、中日におきまして
アメリカ同時多発テロの
発生により若干の議事の混乱があり、途中で帰国された国もございました。
そのような中、私は九月十二日、第三
委員会における発言に先立ちまして、日本議員団を代表して、米国における卑劣なテロリズムの犠牲になられた多くの方々並びにその御遺族に対し心から哀悼の意を表した後に、本論のHIV、エイズに関する
我が国の見解を表明いたしました。
また、私は初めて
出席した国際会議の中で、議題選定、議事運営、採決等をめぐっての各国家の厳しい
議論を目の当たりにして、世界各国の
意見を統一することがいかに難しいかということを痛感してまいりました。そして最終的に、HIV、エイズに関していえば、我が日本の主張が本会議の場で採択され、その他すべての議題が議了されました。
なお、公式会議の合間に、日出団長の企画で、ODA
関係施設あるいは青年海外協力隊
関係者の活動の
状況、そしてまたそれらの方々との懇談、並びにブルキナファソ国会議員四人との懇談もいたしまして、ODAの問題等々について現地でつぶさにこの目、この肌、この耳で感じてまいりました。そして、先ほど申し上げましたように、百四十五国会で私
どもが一年間かかってODAの問題を真剣に
議論し、そして決議をしたそのことがいかに重要であるかということの認識を改めていたしました。
前置きは長くなりますけれ
ども、まず、ブルキナファソを御
説明申し上げましょう。
この国の面積はほぼ日本の本州と九州を合わせた面積であります。人口はといえば、我が
東京都の人口と同じように約千二百万人。しかも、その中は六十の部族から成る国でありまして、一六八〇年に
フランスから独立をされ、自来、四たびのクーデターがあって、現政権であります。二院制でありまして、そして共和制であります。経済的に言えば、世界の一番最下位から三番目の国でありまして、わずかに年収は、
国民所得の年収は米ドルで二百四十ドルという、そういう貧困な国でありました。にもかかわりませず、千二百名の国会議員を、百四十一カ国を集めたそういう国際会議を開かれるその情熱に私は感激をしてまいりました。
そして、私は日本に帰ってきて、日本のよさといいますか、その当該国は、まず山がない、川がない、一望千里の砂漠。帰ってきたら、日本はまさに緑豊かな、水が自由に飲める、そして平和である、
国民の所得も相当なものである。そんな日本がいかに、我々が日本人としてかの国を思うときに、この幸せをかみしめたわけであります。
そこで、
外務大臣に私はお礼を申し上げなければなりません。当該国には大使館はございません。隣の象牙海岸の大使が兼任をしておられました。我々がその国際会議の間じゅう十余名の大使館員が、それは何も象牙海岸の国だけではありませんでした。
フランス大使館から、あるいはモロッコ大使館から、その他各所から応援に駆けつけていただきました。それこそ日夜その会議に対していろんな献身的な働きをしていただきました。おかげさまで先ほど申し上げたようなスムーズな会議に我々十名の代表が臨まれたわけでありますけれ
ども。水とて自由に飲めない、マラリアの蚊がたくさんいる、そういう過酷な
状況の中で十余名の方々が献身的に働いていただいたことに対しまして、改めて感謝を申し上げたい。
外務大臣の口からぜひ、お礼を申し上げたということをお伝えいただきたいと存じます。
そこで、それはその辺にしまして、百六回の今のIPU会議で出ましたHIV、エイズを初めとする
感染症の蔓延は、個々の人間の生命を脅かすだけでなく、国家の存続基盤をも脅かすものであり、現在の地球において人類が直面している最も重大な脅威の
一つであると私は思いました。特にアフリカにおいては、全世界の患者数が三千六百万人中二千六百万人、また年間の死亡者が三百万人という大変深刻な
状況にあります。
そこで、これらの解決なくして真の世界平和と繁栄は望めないという問題意識のもとに、
我が国は、昨年七月のG8、九州・沖縄サミットにおいて沖縄
感染症
対策イニシアチブを発表し、二〇〇五年までの五年間で総額三十億ドルを目途にエイズ等の
感染症
対策のため途上国を支援する旨表明いたしました。そして、私はこの国際会議でこのことを公にいたしました。各国が日本の
努力に大変敬意を表しておられました。
そこで、
外務大臣にお伺いしたいんですが、五年間三十億ドルの具体的支援策はどのようにお立ていただいておりますか、お伺いいたします。