○楢崎
委員 民主党の楢崎です。
私は、九月二十六日の当
委員会における集中審議において、肉骨粉の全面使用中止、そして食品加工品の安全性をただしました。その際の
答弁は納得のいくものではありませんでしたけれ
ども、間を置かずに、肉骨粉の製造中止、そして加工品の全面規制が発表されました。その点においては、
大臣、副
大臣の決断と政治力、ここに敬意を表したいと
思います。
十月三日、私は、民主党の
BSE対策委員会の一員として千葉を視察いたしました。一夜にして天下の大悪人ごとき立場に立たされました酪農業者の訴えは、身につまされる
思いがいたしました。それでもなおかつ酪農の振興を訴えられる言葉に説得力がありましたし、一種の感動すら覚えました。同日、
大臣も視察されたと聞きましたけれ
ども、私が驚いたのは、この酪農業者にしても白井市の担当職員にしても、この事件が起こる前までは、この肉骨粉なるものの名称、そして存在すら御存じなかったことです。いかに
行政指導が甘かったか、下部まで徹底されていなかったかを証明することであろうと
思います。この事実
一つを見ても、私は、
農水省、特に事務方幹部の責任について問わざるを得ません。
幾つか事例を申しますけれ
ども、やはり最初のポイントは九六年であったと思うのです。九六年は、イギリスが、
BSEが人に感染することを公式に認定した、認めた年であって、既に十人の発症が
確認されていました。この年、
農水省はイギリスからの肉骨粉の輸入禁止を
関係業界に通達を出されたのですね。通達者は当時の畜産局長、現事務次官ですね。この通達一本で水際
対策が十分と考えた甘さ。さらに、その対象はイギリスだけで、EU諸国を対象としなかったリスク管理の甘さが
指摘されると
思います。これが
一つ。
同時に、肉骨粉を牛に与えないようにという
行政指導が、ところによっては県酪連などの上部団体でとまっていた
可能性が強い。つまり、下部まで徹底されなかったことは、今話しました千葉での事実でも証明されると
思います。これが
一つ。
次に、畜産部長は、ことしの五月十九日付の
日本農業新聞に、客観的データに基づかない
安全宣言をしてあります。いわく、評価方法の算式により推定した輸入により、過去八年間に
我が国で生じた
可能性のあるリスク肉骨粉の重量は十キログラムに満たない。汚染肉骨粉で数十キロから百キロ以下は、国内侵入の危険性が限りなくゼロに近いということ。汚染肉骨粉量十トンから百トンというEUの水準と比べれば、けた違いに低い。このようにした上で、これを論拠に、国内で
狂牛病発生は一〇〇%あり得ないと言い切っておられます。
この畜産部長が示されました算定根拠や、それから推定した数字が、今回の
BSEの発生によって机上の空論にすぎなかったことが証明された事実、これも
一つ。
問題の乳牛が疑似患畜と
判定された当初には、全国
調査の必要さえ否定される、その
危機感のなさ、認識のなさ、これも
一つ。
さらに、この乳牛が
焼却処分ではなくて、
先ほども
大臣言われましたけれ
ども、肉骨粉にされていたことは、これはもうお粗末の一言です。これも
一つ。
そして、やはりきわめつけは、ことしの四月、EUからの
BSE発生の
可能性の警告があったのに、結果的にそれを無視した。そして、そのことが明らかになったことしの六月、事務次官は、EU基準よりも
我が国の評価基準の方が整合性がある、むしろ、EUの採用している危険度評価の手法は不適切と
異議を唱えられている。その上に、EUからの
調査協力も断られている。そういう、聞く耳を持たないという、唯我独尊ですか、独善的な官僚の姿勢、役所の姿勢が、結果的に水際
対策につまずいたのではないですか。その責任は極めて重大だと
思います。
大臣、私はその責任が厳しく問われなければいけないと思うのですが、どうですか。