○伊藤(忠)
委員 私が言いたいのは、
状況というのは刻々変わりますものね、これはドッグイヤーと言われるような世界ですからね。それだったらそれで、国会の審議ではまじめにやっていまして、データがその後変わってきたというのだったら、そのことによって日米交渉だってやはり変わるじゃないですか、ある意味では。おっしゃるとおりだと思いますよ。そうしたら、国会でやはり
相談をしてもらわないと、これは、国会を横に置いて、それで走っていったら、審議機関の立法府は一体何だったのかということですよ。そこが問題なんですよ、僕が言っているのは。だから、附帯決議と国会審議、それから行政府の対応ということを一番初めに申し上げたのは、そのことなんですよ。
しかし、実際の話が、私は第一段階の日米交渉とあえて申し上げますが、二二・五%の二〇%は二年間でやった後、二・五%が残っていますよね。こういう決着のつけ方についても、全然報告が国会、議会にあるわけでもなし、結局それはもう裁量権で全部やっていく、こういうことなんですよね。だから、そういうことは僕はよくないと思うんですよ。
だから、常々言っておるように、それは小
委員会を設けて、そこでいろいろな細かいことが行政府にも報告があり、これからどうしようかという議論もそこでやっていこうという意味からも、小
委員会をつくれ、つくってほしいということを僕は常々言っているわけです。これは、そのようにひとつ御理解いただきたいと思います。
問題なのは、そういう日米交渉が行われまして、これからまた第二段階の交渉ということになっていくと思うんですよね。ところが、今の置かれておる
情報通信の現状は一体どういうことか、この認識を共有しておかないと、またぞろ、アメリカというのはもうとにかく独善的ですから、自分のところが言うことは正しいんですから、がんがん押してまいりますので、その辺を、私、こういうことを言うと、失礼な言い方で、
大臣もそれから外務省も、いや、そんなことないと言われるかもわかりませんが、平林さんの前の
大臣に言ったんです、どうせ日米交渉をやられても、私は国益を、日本を代表して行きます、こういうふうに大きなことを言われていますけれ
ども、実際、交渉やったらやられますよと言ったら、伊藤さん、それは失礼じゃないか、そういう言い方は失礼だと言われたが、そのとおりになりましたものね。
だから、第二段階の日米交渉も、いや、そんなことありませんと行きますけれ
ども、行ったら必ずやられる、舞台に乗ったら必ずやられる。だから、それは舞台に乗れないわけです。なぜかというと、乗るような
状況にないということを私は認識を共有させていただきたい、こう思っておるんです。
それはつまり、もう固定電話は商売にならないという
状況でしょう。これはもう専門家は御承知のとおりですよ。固定電話はもうかるなんて話をするような人がいたら、それはもう音痴も甚だしいということなんです。
それは、マイライン競争で料金値下げで収入はどんどん落ちてきて、LRIC導入だけで二千億へっこんでいますからね。結局、このLRICがどんどん下がってくるということは、NCC、新規参入業者が有利じゃないか、これは違うんですよ。クリームスキミングではなくなるわけですよ。ウオータースキミングです、僕に言わせたら。もう薄い薄いものになるわけです。
だから、日本テレコムのように、参入して自前のネットを少し張った、中継持ったけれ
ども、採算がとれぬものですから、設備投資を減らしまして引き揚げますよね、自分のところのネットワークを縮小するわけですよ。携帯はそれなりにいっているものですから、ボーダフォンに結局買収されまして、日本テレコムはボーダフォン経営になったわけですよ。
そうすると、先行きこれは、固定電話というのは定額制に走りますよね。必ずそうなります。僕はそう思っています。そうすると、ますます幅が狭くなってきて、固定電話の世界ではクリームスキミングは、どんな条件をつくっても共倒れしかならぬ、こういう傾向がますます強まっていくと私は思っておりますし、この認識は共有できると思うわけです。
あれやこれやの財務
状況が厳しくなり変化が起こる中で、西会社は約千三百億円の赤字じゃないですか、当期。東の方だって、わずか二十億ですよね。そういうふうな
状況で、下手したらこれは、一〇%の配当益は、もう
資金繰りに困って、聞いてみたら、配当、九百億円あるわけですよ、この
資金のやりくりが困る、できないものですから、どうしようかというところで、銀行で借金しようか、いや、それやったらもう八%に減らせやと。配当一〇%を削るというわけです。
そうしたら、日本の株式市場にどういう影響を与えますか、
皆さん。景気が不況になりつつある中でそんなことをやったら、言うならば、与える影響の大きい企業がそんな傾向で走ったら、これは一体どうなりますか。小泉内閣の言っていることはだんだん厳しくなりますよ。
雇用問題にもこれは波及しまして、今、NTTの職員は十万人首切るんですよ、五十歳で。五十歳で十万人首切って、後、五十一歳から働きたいという人をアウトソーシングで下請会社へ行って働いてくれという。平均して賃金は二〇%減ですよ、
ボーナスもありません、厚生福利も全部見直すと言っておるわけです。血の出るような努力をやっても、私は限界があると思っています。またぞろ同じような局面が出てくる。ということになったら、これは、そこに働いていることをもう考えなきゃいけないというところまで危機感が迫っているわけですね。そういう
状況が今日だということ。
もう終わりますが、ところが一方、アメリカの方は逆なんです。アメリカ志向で日本は来ましたが、これはもう、
大臣や副
大臣御承知のとおり、アメリカは腹切りで分割じゃなくて、むしろ、ベル会社はこれから長距離に進出することについてFCCはオーケーしているじゃないですか。ATTとベルサウスなんかは合併しているじゃないですか。小さく割るんじゃなくて、大きく統合していく、縦統合していくという傾向を強めているわけですよね。どうにも成り立たないから、それでしか業界は生きる道がないわけですよね。アメリカは日本ほど規制がききませんから、そういう
状況なんです。だから、アメリカはそういう傾向でずっとこれから、小さいものを飲み込んで、垂直統合でどんどん大きくなっていこう、フルライン機能を持っていこうというような
時代に今動きつつある。
その中で、日本だけが相変わらず、従来の考え方で審議会の
先生方がああいうふうに言う、それは、
片山大臣もはいはいと受けないと思いますけれ
ども、経済財政諮問
会議はああいうことを言いますよね。私は長谷川平蔵さんは正義の味方で大好きなんですが、火盗改の長谷川平蔵は大好きでございますが、そういうことなんです。
ですから、いずれにしても、やはり自分の二本足で、言うならば、日本の
情報通信産業、IT革命を日本流でどうやっていくのかということをきっちり踏まえないと、アメリカから言われて、ああそうですかというような、これまではどちらかというと、やはりアメリカ流で来ましたから、ヨーロッパのことも学んでください。ヨーロッパはLRIC方式、それなりにイギリスは導入していますよ。
しかし、よく考えていますね。これはプライスキャップだとかそういうものできちっと帳じりをつけておるわけですよ。しかも、フルラインじゃないですか、イギリスなんかは。日本のように腹切りでもってやられていないですよね。その強みがありますから、やはりヨーロッパのそういう政策にも学んでやっていただかないといけないなと。
こういう点について、時間があと三分ぐらいしか残っておりませんので、現状認識は共有できるかどうか、
大臣、ひとつお答えいただきたいと思います。
〔
委員長退席、渡海
委員長代理着席〕