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奥本参考人 七条先生の御質問は二つに分かれるかと思います。まず、どのような施策が有効と考えるかという点でございます。
先生お話しのように、従来型の
間接金融から直接
金融へという
方向転換、これにはやはり幅広い層からの
資金が
証券市場に入ってくるということが、やはりどうしても欠かせない部分だというふうに思っております。その中でも特に、いろいろな幅広い
考え方を持っております個人、個人の
参加を積極的に促せるということが、これからの取り組みの中で大変重要なことなのかなというふうに思っております。
個人が入れるようなインフラということにつきましては、もちろん私
ども証券
業界として、
市場仲介者としてのしなくてはならない努力、それは当然のことでございますが、やはりなれ親しんだ預貯金から
株式への
金融資産のシフトということになりますと、どうしても税制面でのバックアップといいますか、税制面での援助が必要になってくると思います。
本国会におきまして、
株式の譲渡益の課税につきまして、いろいろこれから御
審議いただけるというふうに聞いておりますが、これだけではなく、やはり入り口のところ、つまり個人が
株式に魅力を持てるような税制上の問題。例えば、現在の
株式の配当について、いわゆる源泉分離課税の税率を下げていただくとか、あるいは
投資信託の非課税枠を創設していただくとかいうようなこと、あるいは贈与税につきまして、親子間あるいは孫への贈与については思い切って五分五乗方式の採用をいただくような税制上の優遇
措置というのは、非常に
効果があることなのかなというふうに思います。
また、この十月から発足しました確定拠出型年金というのも、これからの
資金の導入については大変威力あるものというふうに思っておりますが、これにつきましても、やはりより一層の税制上の恩典といいますか、優遇
措置について、アメリカ並みとまではいかなくても、現在以上の優遇
措置についてもぜひ御検討いただきたいものだというふうに思っております。
それから、基本的には、やはり一般大衆といいますか国民に対する教育活動だと思います。私
ども証券
業界としましても、これにつきましては、改めて関係団体一緒になりまして始めました。証券というもの、
株式というもの、あるいは
株式市場というものにつきましての知識を何とかやはり広めたいということでございますが、これにつきましても、やはり学校教育の中で取り上げるという手段があるのではないかというふうに思っております。この点につきましても、
先生方におかれましてもぜひ御協力いただければというふうに思っております。
また二番目の、インサイダー問題、あるいは
取引に関する相場操縦についての具体的な案という御質問だと思います。
やはり、
取得機構がスタートします。それによりまして、
買い取り、
売却などが行われるときに、その情報というのは大変
株価に
影響のある情報となることが予想されます。その情報の管理いかんによっては極めて不本意な結果になることも想定できるわけでございまして、
株式市場での価格の決定の公正性からしまして、やはりこの信頼を損なわない
意味での十分な情報の管理あるいは適切なディスクローズというものが必要なんだというふうに思っております。
これからスタートするわけで、スタートする前に具体的な云々ということもなかなか思いつかない面もあるんですが、本
取得機構における
株式の売買につきましては、運営
委員会が設定されるというふうに承っております。この運営
委員会での
議論といいますか、それにつきましては、マーケットのことがよくわかっている方を入れるということが、やはりこういった情報管理とかなんとかいうことにも十分役に立つものかなというふうに思います。
基本的には、売買の情報につきましては遅滞なくディスクローズされ、不公正
取引につながる懸念というのを排除していただくこと、これがやはりどうしても必要なことだろうかというふうに思っております。
以上でございます。ありがとうございました。