○古賀(一)
委員 今御
説明あったことが、いわゆる
公団改革、とりわけ分割・
民営化の基本的な目標ですね。確認しますよ。恐らくそうだと思うんですね。あれほどはっきり、
質問して、おっしゃったから。
私は、これはもう間違いだと思うんです。もっと論議すべきは、
公団をどうする、
公団を、民間の透明性であるとか、それはもちろん必要なことですよ、それはそれでやればいいんです。しかし、論議すべきは、まず
日本におけるこの
高速道路という基幹システム、それは経済的な
意味も当然強いし、社会的な
意味も強い、これをまずどうあるべきかということから始まるべき論議だと思うんですよね。その中で、
地方はこれからはもういいというのか、これまで関連施設でやった各
地域の基本
計画、そういうのも無視していいのか。そう判断すれば、それでいいと思うんです。
まず、
道路公団というのはあくまで手段でございます。いわゆる一般
道路事業をガソリン税を中心とする特定財源で、おくれたから、この
高速道路については、有料
道路システムという基本から、それをなし遂げる単なる手段として
道路公団はできたんですね。目的は、やはり
高速道路の
道路交通体系というのは、
日本の社会経済の必要性に応じて、国会も絡み、
国幹審で絡み、配置してきたわけですよ。
それが、今のお話ですと、
道路公団のいわゆる経営体質というか、経営体の論議から始まっているという
答弁だったと私は思うんですが、これは、この国会が、何十年にわたり
国幹審で関与し、もちろん
関係法案をつくり、やってきた面から見ると、まずは
高速道路ネットワークというものをどうするかという
議論がないから、結局これは
国民の最終的な理解を得られないんじゃないかと私は
心配するわけですよ。
それで、二点目は、その次に
議論すべきは、では、それをどれだけつくる、今の七千キロ弱で切るなら切るで、そういう
結論になればそれはあり得るのかもしれない、それは一万キロを超えるかもしれない、途中で、八千五百キロでと、そういう選択は、それは徹底した論議をしてやればいい。その後に、では、財源をどうするかという論議になって、今の論議ですと、何か、税金
投入もいいとか、私もかつて担当した立場からいうと、この論議はどこがどうなっているんだと、もうわからないぐらい混乱しているんです。その後に、だから、財源問題というか、
国民負担論が出るんです。
そうした場合に、最後に、三番目に、では経営体として、
道路公団は、この
ネットワークのために、この
国民負担のシステムを、応ずる形でどう変えていくか。私は、それは、
大臣、しっかりと
総理に諭していただきたいと思うんですね。そうじゃないとわからないんです。我々民主党も論議する。まして、
国民の皆さんも、どうなるんだろうと。それは、待っている
地域、先ほどの静岡みたいにできた
地域、いろいろあるでしょう。それが決定的に、発想のあるいは論議の
手順が、欠落しているというか、逆転しているというか、欠けている。これがこの問題の私は最大の問題だと思います。
それで、
質問通告はたくさんしておりますけれども、その中で、大変重要な、私が重要と思ってやまない最後の問題を申し上げたいと思うんです。
それは、大変マクロな話でありますが、
道路公団問題と絡みますので申し上げますが、まず、我が国の
国民金融資産が千四百兆ある。しょっちゅう出てきます。これについて、
日本の
政府というものは、この
国民金融資産というものをどうあるべきか、どう活用するか、そういった点についてほとんど発信がないんです。今度の補正予算をどうするか、累積
債務、いわゆる長期
債務ですね、国の借金がどうだ、
地方の借金がどうだという、そして財政出動だ、公共
事業費増額だ、いや、減らすべきだ、こんな論議ばかりしていますが、一番でかいのは
国民金融資産である千四百兆なんです。
では、これは今どこへ行っているかといいますと、重立ったところを言います。米国債、アメリカの国債を買っています。公的部門だけで三十六兆円買っています。民間部門については調べられないということで、それはもう何百兆のオーダーなんでしょう。米国債を買っている。
つまり、貿易黒字でアメリカから今まで大分稼いできたけれども、それが米国債という形で還流をして、それで、もうあり余る金が
都市銀行を通じて、某ゼネコン、あのゼネコンこのゼネコンに行って、ロックフェラービルを買って、まんまと失敗した。米国債だって、しょっちゅう運用しているから、それは薄まっているのかもしれないけれども、大ざっぱに言えば、一ドル二百四十円のときに一兆ドル買えば二百四十兆円、我々の個人金融資産を投じているわけですよ。それで、今度プラザ合意だ、円高・ドル安にしよう。何と、今百二十円、百十円ですよ。では、戻ってくるときは、二百四十兆円投じた
日本の国富が、個人金融資産が、そのときは何と百二十兆になるわけでしょう。これが一つ。いわゆる米国債を中心とする債権運用、これがあります。
そして、ODA。ODAは重要ですよ。でも評判がよくない。ODAをあれだけやっているにもかかわらず、感謝の気持ちがないと言われて久しい。そして今度、自衛隊を派遣するということになった。きょう出港した。ムシャラフ大統領から電話があって、例の五十六億ドル、五十六億ドルというと七千億ですよ、それを、長期
債務を削減してくれという話があった。その後、特使が来られたそうでありまして、五十六億ドルのパキスタン
債務、これを棒引きにしてくれと、そこまで言いません、しかし、期間を延ばしてくれ、金利をもうちょっと小さくする、リアレンジメントというか、もう一つやってくださいよとは言われたそうです。
つまり、我々の対外援助、対外債権、米国債、そういうものがどこに使われているか。私は、一つの手段は、先ほど言った、税金に頼らず、
日本の民間資金を使って次の資産をつくっていくというこの財投システムといえば財投システム。あるいは、財投だけじゃないですから、
道路公団は、
道路公団の資金調達として、有料
道路システムでつくっていくというのはある面じゃそうだったんですね。
ちょっと時間もなくなってきましたけれども、言いますと、私は二カ月前に中国にまた行きました。あの新疆ウイグル自治区に、もう完璧な砂漠の中に三百キロの
高速道路ができていて、私は唖然とした。この八年間で中国は一万六千キロの
高速道路をつくった。ざっと一千億のODA、対中国円借款で中国は
高速道路をつくっている。いいですか、八年間でですよ。私はもう毎年行っていますからよくわかる。わずか八年間で、北京空港線を皮切りに、今度の新疆ウイグルの
高速道路ほか一万六千キロの
高速道路を完成させ、そしてその一部に九百四十四億円の
高速道路建設の円借款を中国に供与しているんですね。
そういうことで、
日本の個人金融資産をあっちこっちに協力してやっていて、
日本の、例えば平松知事の話が出ましたけれども、東九州縦貫はできない、こういう話になるんですが、私が聞きたいのは、もう最後の
質問になりますが、政策統括官に聞きたいんですけれども、あるいは
大臣にも所見があればぜひ最後に聞きたいんですが、こういう
日本が持っている汗と勤労の結晶である個人金融資産を、外国では使っているけれども、
日本で使うというこの戦略というのは財政問題よりももっと私は重要だと思うんですが、そこら辺の認識はいかがでありましょうか。