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達増委員 これはニュースで放映されていたのを見たのですけれども、インドネシアで、タリバンの味方をしよう、タリバンを助けに行こうという義勇軍を募ったところ、三百人集まったと。そういうことを一人でも少なくしていくことが、やはり主体的に、今回のこの
テロとその後の状態に対する
日本政府としての姿勢の
基本になければならないと思います。
政府の考え方であれば、
国連の安保理決議が出たとしても、
武力行使は
憲法違反ということで、そういう
意味で、
国連の安保理決議は
日本の
自衛隊を出す出さないの問題には余り関係ないということかもしれませんけれども、そうではないので、
自衛隊を出しさえすればいいという問題ではないので、この
世界全体の動きをどういう方向に持っていくかという視点で臨んでいかなければならないと思うわけです。
そういう
意味で、自由党案は、まさに
国連決議が出たときには、各国と足並みをそろえ、他の
国連加盟国がやることと同様な
活動を行うことができるという内容でありますから、この点は、この特別
委員会の
委員の皆さんに対して、その真剣な検討を
注意喚起したいというふうに思います。
今回の戦争、グローバリズム対
テロリズムの闘いと言うこともできると思うのですね。グローバリズムというのは、
世界を
一つにしていこうという運動でありまして、もう
技術的には、交通、通信、
世界は
一つ、経済
活動でももう
世界は
一つ。しかし、その
一つになる
世界がアメリカ主導で、アメリカの価値観、アメリカ中心の経済システム、アメリカの
軍事力によって支えられる、そういうグローバリズムになるのであれば、そんなグローバリズムには反対だということで、九九年のシアトルのWTO
会議でも反グローバリズムのデモが激しく行われましたし、ことしのジェノバ・サミット、これは
外務大臣も行かれたと思いますが、あそこでも反グローバリズムがしょうけつをきわめた、激しい過激
行動が行われた。今回のビンラディンとその仲間
たちの
テロ攻撃も、そうしたグローバリズムへの
攻撃と言えるかもしれません。
確かにグローバリズム、今のグローバリズムというのはまだまだ不完全でありまして、改善すべき点は多々あるでしょう。しかし、今のグローバリズムは、改善の対象ではあるけれども破壊の対象ではない。したがって、グローバリズムそのものを破壊しようとするビンラディンの
行動には何の理もないところであります。大量の無差別破壊・殺人である点で許されないのはもちろんですけれども、理念的にも理がないものであるということを我々は強調していかなければならないし、そのためには、我々自身がそういうグローバリズムをよりよいものにしていくという姿勢を常に示すべきだと思います。
さて、
外務大臣に伺いますけれども、この
政府テロ特別
措置法は、周辺
事態安全確保法とPKO法の人道援助部分を切り張りしてつくったようなものでありまして、まず前半分の部分は、周辺
事態法をそのままスライドさせたような内容になっております。ただ、その周辺
事態法でありますけれども、これを日米の安全保障
協力体制の中で確立するのには五年近い年月がかかっているわけであります。
そもそも、
平成七年の
防衛大綱の
改正で、
防衛力の
任務の中にそういう周辺という言葉を入れるところからスタートし、翌年、橋本総理とクリントン大統領の日米安全保障
共同宣言によって、周辺
事態に
対応できるようガイドラインを見直さなければならない、そしてガイドラインの見直しの作業があって新ガイドラインが成立、そしてようやくこの周辺
事態の国内法がつくられていったわけであります。
そして、この周辺
事態法ができるときには、いわゆるACSAと呼ばれております、日米の間で後方支援、そして物品や役務を提供する際の日米間の二国間の取り決めが結ばれた上で、国内的に周辺
事態法をつくって、同時に協定の改定も成立をさせて、国内法的にも、二国間関係でも周辺
事態に
対応できる
体制をかちっとつくってやったわけであります。
しかも、その周辺
事態に対しては、日米間の包括的なメカニズム、調整メカニズム、そういった手厚い
体制がしかれているのでありまして、
外務大臣、
防衛庁長官、アメリカ側の外交担当
大臣、
防衛担当
大臣、2プラス2の
会議から始まって、次官級
会議、局長級
会議、そして
現場の担当者
会議、そういう中で、平素から密接な情報交換、計画を練る、そういう作業を平素からやった上で、さあ、周辺
事態があったときには
協力しましょうというシステムになっているわけですね。
今回、国内法的には、そういう周辺
事態法の枠組みをスライドさせて、インド洋ですとかパキスタンですとか、正確に言えば公海や
他国の領土内でも、周辺
事態法がやると言っているようなことをやれるような国内法にはなっているんですが、それに伴う二国間の協定はありません。そして、それに伴うメカニズムというものもきちんと動いていないんだと思います。
こういった
体制で、
法律だけつくって果たして有効な日米の
防衛協力というのができるんでしょうか。これは
外務大臣に伺います。