○鮫島
委員 補正
予算で要求していないんですよね、ここのところを。ですから、それはしようがないですね、御自分の当初
予算の配分の中から節約で対応していただくしかない。
私、なぜこれにこだわるかというと、感染経路がこのままではわかるわけないんですよ。一頭しか出ていませんと。
これは、人間の新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の例でいうと、
一つの小さな村で五人の患者さんが出ました。五人が共通で食べているもの、そういう
調査から初めてどうもくず肉らしいという話になっていったわけでして、一頭だけ幾ら追っかけていてもわかるわけない。やはり、肉骨粉場に持ち込まれる十八万頭近い死亡牛、廃用牛についての徹底した検査をやれば、多分、余りこういうことを言うとよくないのかもしれませんが、私は、二十数頭は出るんじゃないかというふうに思います。
そういう数字が出れば、では共通にどういうえさを食べていたのか、あるいはどういう地域でそういう患畜が出るのかということから初めて感染経路について推定がついていくわけでして、たまたま発生した一頭の牛だけを幾ら追っかけ回しても、多分原因究明にはつながらないだろうと思います。
多分、現場では、もちろん私は難しいことはいろいろあると思いますよ。もう死んだままで肉骨粉場に持ち込まれるわけですから、死後硬直していて非常に解体しにくいとか、解体の免許を持っていないわけですから、これは家畜保健衛生所の人に来てもらわなくちゃいけないとか。しかも、屠畜場のようにラインでわっと流れ作業で出てくるわけじゃなくて、きょうは三頭、あしたは五頭、その次の日はないかもしれないという、ばらつくような
体制の中で、家畜保健衛生所の検査員が延髄を抜きに行って検査するというのは、現実的にはもちろん難しい面は多々あると思いますが、少なくとも、一方では完全に検査してきれいなライン、
BSEフリーの肉骨粉の原料というものを確保しておきながら、こっちの十八万頭の方は目配りしていない、こういうことが
マスコミにつかれるわけです。
マスコミだっていいかげんに書くわけじゃなくて、根拠がなければたたかないですよ。
農林水産大臣、
厚生労働大臣は、何かいわれなき批判を浴びていると思っているかもしれませんが、全部
マスコミがつつくような根拠をふたしておけば、これはたたかれるわけないんです。
例えば、今言ったような十八万頭の方は全然知らぬ顔して
安全宣言を出しちゃう、こういうことをやられるし、それから、
末端で検査前の肉と検査後の肉がまぜられて売られるような中で、平気で
安全宣言を出しちゃう。この無神経さが、非常に都会の
消費者から反発を浴びている。そういう御
認識を持っていただかないと、私は、これからの
農林水産行政自身が成り立たなくなると思いますよ。
つまり、
消費者があって売られて初めて
生産から
消費までのラインが流れるわけで、縦割り行政で、おれは縦割りだから
生産部分だけ責任持っておけばいいんだという時代は、実はもう終わっているんですね。本当は、橋本さんの行革が縦割りから横割りに直すような行革をやればよかったんだけれ
ども、残念ながら、ようかんの厚みを切る切り方しかやらなかったと言われていますが、私は、川上から川下までが目配りをしてちゃんと流れるような
体制をとらない限り、WTO
体制での農業政策というのは成り立たないと思います。
大臣は、いつも私がそう言うと不機嫌なお顔をなさいますが、やはり
消費者は神様ですというところの意識を持たないと、これは農業そのものが成り立たなくなるというのは御
認識を変えていただかざるを得ない。
そういう
意味では、
安全宣言は間違っていたと思いますよ。つまり、次の日お客さんが行って、じゃ、きのうまでの肉と
安全宣言後の肉とは見分けられるのか。見分けられない。(
発言する者あり)お客さんのことをわかっていない人は、そういうやじを飛ばすでしょう。わかっていないんですよ。だから、わかっていない人が
安全宣言を出してもしようがない。その辺、どうですか、
大臣。