○井上(喜)
委員 私初めてだと思いますけれ
ども、
坂口厚生労働大臣にお伺いをいたします。
厚生労働省、問題山積でありまして、大変毎日お忙しいと思うのでありますけれ
ども、ひとつ御検討をいただきたいと思います。
私、最近の世論
調査を注意深く読むのでありますけれ
ども、少し違った傾向が出てきていると思うんですね。従来の世論
調査でありますと、景気をよくしてくれとか、あるいは
社会保障
制度を
安心できるきちっとしたものにしてくれ、こういうのが大体トップの項目だったと思うのでありますけれ
ども、最近は、これと並ぶというか、あるいはこれ以上の要望が多いのは、
安心して生活できる安全な町づくりをしてくれ、あるいは安全な国になってほしいというのが非常に多いんですね。
そういうことで、私思いますと、やはり犯罪、しかも凶悪犯罪が多発するとか、あるいは外国からいろいろな人間が来て犯罪を犯すとか、あるいは病気ですね、原因不明の病気が蔓延するとか、あるいは環境問題ですね、こういった問題がどんどん出てくる。最近ではテロだとか、あるいは炭疽菌の問題なんかが出てきておりまして、人々の関心というのは私はそういうところへ移ってきていると思うんですね。犯罪の問題、治安の問題、健康の問題、あるいは環境の問題とか。
そこで、私はこれからこういったテーマが国政の非常に大きなテーマになってくると思うし、テーマとすべきだと思うんです。これらの大部分が
厚生労働省と関係していると私は思いますね。だから、そういうような角度からきょう御
質問をさせていただきたいと思うんです。
まず第一に取り上げたいのは、
狂牛病なんですね。これは一応の決着は図られつつあるように思うのでありますけれ
ども、この事件を振り返ってみまして、いかにも
政府の対応がまずかったと私は思うんですね。
農家が、
狂牛病の発生というようなことで、なかなか牛が売れない、出荷できない。これは、当然のこととして業者が買わないわけですね。業者がなぜ買わないかといったら、
消費者が買ってくれないからなんですよ。ですから、
消費者が買ってくれるという問題を解決しない限り、この問題というのは解決しないわけですね。いかに骨粉の使用を禁止しても、あるいは目視で足がふらついていないかというようなことを見ましても、それは将来の
対策になるかもわからないけれ
ども、現実の肉の問題の解決にはならないと思うんですよね。
私が思うに、屠畜場
行政というのは、旧厚生省の
行政の中で一番充実した
行政だったと思っているんです。と畜場法があり、屠畜場の構造までもきちっとしていたわけですよね、規制していた。しかも、地財
措置もやっていた。しかも、各屠畜場には、と畜
検査員までいるわけですよ。非常にしっかりした
行政体制を持っていた、その分野がまさに屠畜関係の
行政だったと思うんですよね。
そういう
体制があるにもかかわらず、どうして後手を踏んだのか。そこは十分これから反省をしていかないといけないと思うんでありますが、まあしかし、大分
対策が進んできたということで、今後の問題について私はお伺いしたいんです。
私は、この
狂牛病問題を解決するのには、やはり
安全宣言を出すということだと思うんですよね。出すためには、やるべきことをきちっとやるということだと思います。各と畜
検査員がいて、これは獣医師ですから、専門家ですから、これはきっちりした
措置をするということが大前提だと思うんでありまして、今やっております
検査みたいに、何か一次
検査をやって二次
検査を、本
検査というんですか、予備
検査をやって本
検査をやるようなやり方は、これはまた不安を掘り起こすようなものだし、
検査そのものに対する信頼感をなくすと思うんですよ。
ですから、きちっとした
検査で、それは多少時間が七、八時間ぐらいかかる、あるいはちょっと経費がかかっても、それでもってやる、しかも一回でやる、それの
検査が終わったら出荷をする、そういう
体制をきっちりつくらぬといかぬと思うんですよ。
私の聞いておりますところでは、バイオラドというフランスの試験方法、あるいはスイスのプリオニクスなんというような方法は、確かに、今言いましたように、何か七、八時間ぐらい
検査結果が出るまでかかるようです。それから、経費も多少かかる。一万円ぐらいですか、かかるらしいんだけれ
ども、こういう
検査できっちりしまして、この牛は大丈夫だということで出荷をしていく
体制を組むべきだと思うんですよ。予備の
検査、そして本
検査をやって、それでまた結果が違うとなりましたら、本当に混乱だけが残るんでありまして、なかなかこれは
安全宣言を出しましてもみんな信用しないと思うんですよ。
だから、ぜひ私はそういうことをやっていただきたい。多少お金がかかりましても、あるいは出荷者に多少経費の負担が出ましても、絶対にそれはやるべきだと思うんですが、これはこれからの話、もう大体
体制は整ってきたと思うんでありますが、これについての
大臣のお
考えをお伺いいたしたいと思います。