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赤羽委員 それと、
プール金の問題もそうですが、ずっと総括で、公金に対する意識が低かったと僕は冒頭申しましたけれども、それについての研修だとか何かという話になっているのだけれども、公金に対する意識の低さとかそういうことは、そんな難しい話ではないのですよ。税金で
自分たちが飲み食いしちゃいけないというのは、別に小学生、小学生ではわからないかもしれませんが、普通の社会人なら当然わかっていなきゃいけない話で、こういうことを総括に出すこと自体、何か非常に恥ずかしい話なのではないかなと思うのです。なぜこういうふうな社会人としての基本的なことがマスターできないかというと、私の想像ですけれども、やはり今の
人事制度にあるのではないか、根差しているのではないかなと。
入省して、今は一年目か二年目に海外研修、語学研修に出る。語学の熟達の必要性がある。そしてその後、当然
在外公館でそのまま勤務をする。
在外公館というのは、恐らく二十四時間プライベートはなしで、公的な職場だ。毎日のように外国の要人、
日本からの政治家、
日本の東京にいてはなかなか会えないような
方たちと接触をしながら、まさに
外交官としての仕事を覚えるわけですよね、恐らく、想像するに。そうすると、当然
自分の金で飯を食うなんという話ではなくなると思うのですよ。多分、本庁勤めと
在外公館の勤務の給料というのは、家賃の問題とか在外勤務手当なんかも入ると、三倍近くなるのではないのですか。
そういう中で東京に帰ってくると、途端に、突然にサラリーマンとしての現実に戻らされて、毎日電車で通わなきゃいけない、全然会うような政治家もいない、夜は夜で遅くまで仕事をさせられる、残業手当は出ない、タクシー代も出ないときもある、こんな
状況の中でやっていくと、そのしんどさとかギャップというのは当然出てきちゃうと思いますよ。私自身もそういう、
自分の体験を振り返っても、民間企業でもそのギャップというのは当然感じるわけですよね。それが当たり前だと思っていたのが当たり前ではないということを知ったときに、この調整ができるかできないかというのは問題なのではないか。
ですから、語学の問題もあるかもしれませんが、ある程度、もうちょっと社会人としてのことを学び、人とのつき合いを体験してから海外に出るというような、これは語学としてはマイナスだということを、
外務省は非常にそういう観念というか信念であるのだと思うのだけれども、
外交官の仕事というのは、語学も大事だけれども、人と人との交渉力とか、まず
外交官自身の誠実な人柄とか忍耐とか、そういったことでしょう。それは
在外公館に出なきゃ鍛えられない
部分もあるかもしれないが、しかし、東京、本省の中で鍛えられる
部分は当然あるはずでしょう。
これは、
外務省の方がよく言われるハロルド・ニコルソンの言われている理想的な
外交官像にどうやって近づくかということを考えた場合に、今こういった問題が出たこの機に、訓練
システムというか、今はすぐ在外に出すということを少し考えた方がいいのではないか。これは、私は
外交官ではないし、
外務省の勤務も経験していないからよくわからないのだけれども、そういったことについての検討はされているのかどうか、現実の話を聞かせていただきたいと思います。