○赤嶺
委員 国連が、人道的な問題として、今戦争を終えて人道支援の
体制に入らないと九十万人の人たちが命を失うかもしれないということを発表しているわけですよ。それを、
国際社会にはいろいろな意見があるという程度の問題じゃありませんでしょう。
国連で議論しましょうという問題じゃないわけですよ。
私は、この
国連の諸
機関を向こうで回りました。やはり共通して出されているのは、この冬を迎えるのに、
国連の
機関がNGOと協力してきた人道支援、アフガニスタンへの食糧や水やテントやそういう支援、あるいはユニセフを中心とする
子供たちへの支援、あるいは地雷の行動
計画、こういうものが今戦争によって中断している、これを冬を迎える前に再開しないと本当に多くの犠牲者がアフガニスタンの国内で出る、これがパキスタンにいる
国連諸
機関の共通の
認識なんですよ、共通の
認識。
それを、議論して方向を定めましょう、米軍への戦争支援は
計画どおり進めさせてくださいということになると、日本という国は
国際社会が真剣に
考えていることについて背を向けているということになりはしませんか。この上に立ってテロ根絶のための
国際社会の団結の方向を
考えようというのがみんなの意見ですよ。これだけのギャップがあるということを本当に感じるんですが、
皆さん、そういう
国際社会、
国連などの
認識について、やはりギャップがあり過ぎるということを申し上げておきたいと思います。
それで、
自衛隊の難民支援ということをさっき
防衛庁長官はおっしゃっていましたけれども、UNHCRで聞いたら、やはり向こうでの難民支援
活動は、ソ連のアフガン侵攻以来二十年間以上の蓄積があるというんですね。NGOと協力すればいろいろなことができるような
体制がつくられている。
世界じゅうのNGOが駆けつけてきている。日本のNGOの人に聞きましたら、本当に
世界のNGOの人たちがアフガンの難民支援、アフガンの中の支援を進めていて、日本のNGOの参加も、おくれたけれども今から本格化しますということで、
世界からの立ちおくれを悔しそうに語っておりましたが、NGOというのはそれだけの力を持っているんですよ。
ユニセフに行ったら、ユニセフはアフガニスタンで小児麻痺の予防でポリオを
子供たちに届ける
仕事を、三日間で五百万人に届け切れる
体制があるというんですね、三日間で。あの国を治めているのはタリバンでもなくて、そして北部同盟でもなくて、本当にアフガニスタンの民衆を支えているのはそういう
国連の
機関であり、
国連の
機関と手をつないでいるNGOだなということがしみじみわかりますよ。
それで、難民キャンプというのはNGOがやっているから安全なんですね。そういう権威を持っているわけですよ。今はまだ国境が閉められていますので、空爆による難民がアフガニスタンから流れ出てくるというようなのは、まだまだ閉じこめられていて困難な状態があります。でも、向こうに行ったら、これじゃ
自衛隊の出番はないじゃないかというのが率直な印象ですよ。難民キャンプにはアフガン出身の医者もそろっているんです。だから、言葉の壁もないわけですね。だから、本当に難民支援でいえば、
国連の難民支援
活動、NGOの難民支援
活動を
政府が支援するということが大事だと思うんですよ。
外務大臣、地雷の撤去もNGOが一生懸命やっていて、午前中もお話ししましたけれども、ヨーロッパの
軍人を退役した人たちがNGOに参加していて、地雷の撤去をやっているというんです。アフガン人を現地から四千人雇って、技術を持っているというんです。そして、その地雷撤去の拠出金が、日本は去年とことしゼロだというんですよ、ゼロだというんですよ。それを現地で私たちは聞いてきて、
一覧表ももらってきているんですよ。
こういう日本
政府のやろうとしていることは現場と本当にかみ合わない。難民支援のためにパキスタンに
自衛隊を送ることは、
現状からすれば全く必要ない、むしろ
国連の諸
機関やNGOを日本
政府が支援する
体制こそ強く求められているというぐあいに思いますが、これは
防衛庁長官、いかがでしょうか。