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緒方靖夫君
日本共産党の
緒方靖夫です。
アメリカでの卑劣な
テロ行為から一週間がたちました。
今、軍事力による大規模な報復の
準備が進められている。私たちはこのことに大変心配しております。私たちの党の不破議長と志位
委員長は、おととい連名の手紙を
世界各国首脳に送りました。
総理にもお届けしております。私は、この
内容を
総理、閣僚の皆様によく知っていただきたいと
思います。同僚議員にも、またテレビをごらんの
全国の皆様にもこの
内容を知っていただき、ともに考えていきたいと願っております。
テロは、どんな理由であれ、絶対許されない野蛮な
行為であるということは言うまでもありません。今回の
テロで直接
攻撃されたのは
アメリカですけれども、しかし、この
テロは国際社会全体に向けられた
攻撃であります。したがって、国際社会全体で対処すべき問題であります。
私たちの提案は、国連が中心になって国連憲章、国際法に基づいて、
テロ犯罪
容疑者、犯罪
行為を
組織し、
支援した者を逮捕し、裁判にかける、そして法に照らして厳正に処罰する、このことです。そのためには国際的な協力が欠かせません。
今度の
事件でも国連安全保障
理事会が決議を採択しておりますが、そこでは、すべての国が
テロの実行犯、
組織者、
支援者を法に照らして処罰するために緊急に協力する、このことがうたわれております。国際社会ではこうした事態に対処するルールがこれまでつくられてまいりました。一九八八年に
アメリカのパンナム航空機の爆破
事件が起きたとき、国連はリビア
政府に
容疑者の引き渡しを要求しました。経済制裁など幾重もの決議を上げ、そしてそうした制裁を通じて、その努力の結果、
容疑者は国連に引き渡され、今裁判が進行中です。
テロの規模は違いますけれども、私は基本的にはこの今度の
テロもこの方向で国際社会が全力を尽くすべきだと考えます。
容疑者が
アメリカ国外にいるときには身柄の引き渡しを国際社会が共同の意思として
関係国
政府に求め、国際的に包囲し、経済制裁などの強制
措置を含めて
対応することが重要だと思うんですね。可能な限りすべての国と国際世論によって
テロ勢力を包囲し、告発する。国連による経済制裁を加えるなど、
テロリストを法に基づく裁きのもとに置くために国際社会として可能なあらゆる手段を尽くす、このことが肝心だと
思います。
国際的な共同を広げて
テロ勢力を包囲することが大事なときに軍事的な報復が行われるならば、この報復に賛成か反対かで各国
政府と国際世論が分断される、こんなことにもなります。これでは
テロは
根絶できませんし、地球上に新しい戦争、巨大な被害をもたらすことははっきりしています。
テロと報復の悪循環が続き、事態は泥沼化する、このことははっきりしていると
思います。
今、
日本でも
世界でも、
テロを強く糾弾しながら、しかし同時に軍事報復が行われたら、そういう不安が広がっております。ですから、そうした中で、私たちは今こそ無法な
テロに対して国際社会全体が法と道理で戦う、このことが強く求められていると
思います。その
意味で、私は現在、二十一世紀の
世界というのはまさにこの岐路と試練に立たされている、私はそういう
思いでおります。私たちの党の不破議長と志位
委員長が各国の
首脳に手紙をあてて、国際で共同してやろう、このことを呼びかけたのはそういう
意味があるわけですね。
私はちょっと、こういう、しばらく私たちの立場を、考えを話すことになりましたけれども、
総理、私は率直にお話しいたしましたけれども、
総理のお考えはいかがかということをお尋ねしたいと
思います。