○
国務大臣(
武部勤君) 紙
委員は御承知で言っていると思うんですけれ
ども、口蹄疫は空気伝染もするんですね。牛がくしゃみしただけでうつるんです。牛舎へ入っていった人の長靴にそのウイルスがつけば、その長靴を履いたまま自分の牛舎へ行ったらまたうつるんです。だからあれは全部、六百頭余りだったと思いますが埋設したんです。それはもう悲惨なことですね。私も知っていますから、その悲惨さというものはそんな言葉に尽くせるものじゃありません。
そしてあのときも、そういう
徹底した
対策を立てているにもかかわらず、どんどん人の口から口へ、もう完全に村八分みたいになるわけですから、本当にもう精神状態もおかしくなる。そして、その町全体が蔓延しているかのようで、伝染病にみんな侵されているかのような話が次から次と伝わっていくんです。あのときも、マスコミ報道の報道ぶりに地元の人たちは本当にもう泣かんばかりに、悔しさで怒っておりました。
今度のこの
BSEの
感染がどういう経路で行われるかというのは、もう御承知のとおり、
BSE感染牛を材料にして
肉骨粉をつくった、その
肉骨粉をえさとして口から入った場合にうつるということがはっきりしているわけですね。ですから、今四千人とかなんとかとおっしゃいましたけれ
ども、佐呂間町ではそんな状態になっていますか。生産者は、この事実
関係だとか技術的なことだとか専門的なことを知っている人たちは、みんな冷静になってくださいということを
皆さん方言っているんですよ。ですから、私は、そのことを我々は一番気を使わなくちゃいけないと思うんです。
先日も記者会見で、十日に
対策本部を置いて、きょう十八日ですと、それで私は、五千八百人の
獣医師さんたちが
全国四万五千頭の牛な
ども今
追跡調査しているんですと、そういう話をして、それを一遍に、北海道は全部、北海道はもう行き先だけで
報告ですから、今度は
農林水産省はその
報告を受けて全部裏をとっていかなきゃならないんですよ、各県通じて。ですから、一週間、十日で何もかも全容を解明するということは、それはなかなかできませんと。
農林水産省の職員も不眠不休ですよ。厚生省だってそうでしょう。それから各県も、北海道だとか
千葉県だとか大変な状態なんです。
ですから、むしろ私
どもお願いしたいのは、そして私は失言、失言と言われているんですからね、そういうことを言うと。全体のことを言わないで、まだ十八日じゃないですかと言ったところだけばっとテレビで大きくとらえて、そして失言と、こういう表現なんです。
一番私
ども心配しているのは、正確な
情報を我々自身も迅速に発表させていただきますし、そして
対策についてもきょう相当お示しさせていただいたと思います。
EU並みに、もう三十カ月以上の牛については全頭数
検査するという体制もとります。さまざまな
支援策をとらないと、お金もかかります。しかし、それもやっていきますし、これからどんなことが出てくるかわかりません。それに対しても
徹底したことをやっていかなきゃならぬという、そういう決意で今臨んでいるわけでございまして、
責任追及は結構でございます、甘んじて受けますが、今の紙さんの御発言を、佐呂間に行ってきたと、四千人がみんなあのときは総動員したと、本別ですね。それと同じようなふうにとられると、本当にそれは大変なことなんだなと、こういうふうになりまして、かえって佐呂間の
皆さん方もそういうことについてもう少し冷静な
対応をお願いしたいと。もう佐呂間の
皆さん方はそうですよ、町長さんは
獣医なんですから、だから我々も怒られるんですよ。
そういうふうなことをちょっと、私も地元ですから、地元ですから地元の立場でちょっと紙さんの今の御発言について感想を述べさせていただきましたけれ
ども、これはお願いですから、事実を事実としてとらえてください。もう
徹底してやるんですから、しかもなお絶対ということはないと思って我々はやるんですから、何が起こるかはわからないと、予期しないことが起こるんだと。
同時に、そういうことで我々やりますので、問題は、こういうようなことが二度と起こらないようにすること、
原因を解明すること、そして風評
被害などで苦しんでいる人たちに安心してもらうように、生産体制に入れる、
消費者の
皆さん方にも大丈夫なんだなと、そういうふうなことをどうやって我々伝えていくかということで苦労しているわけでございまして、そのことを御理解いただきたいと思います。