○横光
委員 社会民主党・市民連合の横光克彦でございます。
先ほどからお話がございますように、去る十一日、
アメリカにおきまして前代未聞とも言える
同時多発テロ事件が発生して、
世界を震撼させました。あの
事件によって亡くなられ、傷ついた本当に多くの
方々に対しまして、
犠牲者の
方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
まだ二十四名の在米邦人の
安否がわかっていないようでございます。非常に心配でございます。懸命に現地で努力されていると思いますが、どうか
政府におかれましては、先ほ
ども本
委員会でも要望いたしましたし、一日も早く
安否の
確認をしていただきたい、このように思います。
正直申しまして、あの映像を見ておりまして、これは私だけでなく多くの
方々が思ったんじゃなかろうかと思うんですが、一瞬私は映画を見ているんじゃないかと錯覚するほど、
現実ではあり得ない、信じられないような映像だったわけですね。しかし、それは紛れもなく恐ろしい
現実の出来事でございました。
ただただ破壊しかない、そして何の罪もない一般市民を数千人という形で一瞬にして命を奪うという、狂信的な
テロの恐ろしさというものをまざまざと見せつけられたわけでございます。それだけに、平和のとうとさというものも感じたわけでございますが。
このような史上例を見ないような凶暴な無差別
テロは、たとえどのような理由があろうとも断じて許してはならない、このように考えております。私たちの国も含めて、全
世界が協調して
テロ撲滅に向け万全の
対策を講じる必要があろうかと思います。
ただ、今
アメリカの方でも、この
事件に対しまして報復、いわゆる軍事的な報復という
動きが強まりつつあります。これもまた当然の感情でしょう。何の罪もない人が一瞬にして、あれだけの
国民の命を奪われたわけですから、
アメリカの
国民の
皆さん方はほとんどそういう思いでしょう。私たちの国も巻き込まれているんですから、そして、全
世界の人たちも
テロに対しては怒りを持っている。ですから、そういった
動きがあるのはわかります。
しかし、私は、そういった軍事的な報復手段というのは
最後の
最後の手段ではなかろうか。今やらなければならないのは、あのような悲惨な
事件を何とかしてここで終わらせること、そしてまた暴力による殺りくという悪循環を断ち切ること、このことが私は、今非常に重要ではなかろうか。武力を伴った報復
措置では必ず同じ報復が生じます。この繰り返しによって、本当に、
世界全体の
テロ戦争というものに発展しかねないという
脅威がございます。
そしてまた、今回本当に罪のない人たちが巻き添えになったように、報復によって、今度は新たな罪のない人たちが巻き添えになる可能性がある。ですから、ここは冷静かつ理性的な
対応もまた必要であるということを訴えさせていただきます。
パウエル国務
長官が、きのうこういう談話を出しておるんですね。
アメリカは怒りに任せて好き勝手な戦闘
行為に出る国ではない、最終的には、時間と人をかけ、
世界が納得する証拠を突きつけ、
テロの実行犯とそれを支持している
国民を特定し、裁きの場に引きずり出し罰を下す、パウエルさんはこのように申されている。私は、こういった方法で今回
対応をするべきだという思いを非常に強くしているわけでございます。
これは
アメリカで起きたことですから、
アメリカの大統領が決めることでしょう。仮に武力を伴う報復
措置を決定した場合においても、
我が国におきましては、福田官房
長官の談話にもございますように、あくまでも憲法の範囲内でできることを最大限にやる、これが私たち
日本の国の、同盟国の義務であろう、このように考えております。
さて、この
テロ事件によりまして、
アメリカの
経済は大変な打撃、はかり知れない影響を受けたと思います。それでなくても、
アメリカはITバブルがはじけていわゆる景気の減速傾向が鮮明になっていたときだけに、この
事件はさらにこれに追い打ちをかけるというようなことになってしまいました。
アメリカのみならず、
世界の金融、
経済の中枢が破壊されたわけですから、
アメリカの
経済が回復することはさらにおくれてくるであろう、これはもう避けられないであろう、そういった
状況だと思うんですね。
一方、
日本の
経済状況、先ほどからお話がございますように、非常に厳しい。四—六月期のGDPはマイナスである、失業者も過去最悪の五%、潜在的な失業者を含めると一〇%を超えている、そして株価は一万円を切るか切らないかという低迷をしている。非常に厳しい中でございますが、それだけに
日本経済の
最後の頼みの綱は、私は
アメリカ経済の回復だったと思うんですね。これが
最後の頼みの綱だと。その
アメリカの
経済が今度は打撃を受けたわけですから、さらに
日本にも影響が大きくなったということをまず
認識しなきゃいけないと思うんです。
このような厳しい、以前にも増して厳しい
状況になっているわけでございますが、そういった中でも、
総理はあくまでも構造改革を断行されるおつもりなのか、改めて
決意をお聞かせください。