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平林委員 私は、この
委員会の
研究、討議に当たっては、
第一線の
消防を担当する
人たちの
意見を十分に聞いて
結論を出していく必要があると思いました。やはり、
第一線の人がちゃんと働けるように、しかも、
第一線の
人たちの働きが有効になるように、そういうことを主眼にして御
検討いただきたいなと思っております。
後で触れるかもしれませんが、例えば今日の
消防の
法制というのは
相当整備されてきておりまして、
責任者というものも、
防火管理者とかあるいは
所有者、
管理者の
責任というものも
法律の中には
相当に強く
意識して書かれていると思うんですけれども、
立入検査とかあるいは
消防活動とか
予防活動、そういう点に関して、
実態を見ておりますと、どうも
消防の
第一線の
人たちが働きにくい状態が、全部とは言いませんけれども、あるのではないか、そういう
感じがいたしております。
したがって、これは
委員会の
審議にまつところでありますけれども、今申した、施設の、
建物等の
管理者あるいは
所有者、
占有者、それから
防火管理者の定めのあるところは、そういう
防火管理者の
責任をもっと重いものにして、
消防の
活動がもっと徹底できるように、そういう観点を持って御
研究を願いたいものだな、そう思っております。生ぬるいじゃないかという
指摘もあるように私は思うわけであります。でありますから、その点を
一つ私から申し上げて、今後の
審議に処していただきたい、そう思います。
そこで、今までの
消防の
法制の
歴史というのは、今日の
法制が整備され始めたのはたしか
昭和二十三年からでありますから、五十数年、
歴史をけみしております。その間に、
幾つもの
火災の苦い
経験を生かすように、さまざまな
改正が行われてきて今日に至った、そう
感じておりますが、今日においても、狭い
場所で起こった
火災で多数の
犠牲者が出る、このようなことを防げないというのは、今日までの
改正をもってしても、絶大な効果を上げ得たとは自慢して言えないような気がいたしております。私もかつては
消防に
関係したこともございますけれども、顧みて、なかなか完全な
消防体制というものはとりにくいものだなという気がいたしてなりません。
そこで、
歴史的に見ますと、劇場とか
デパートとか、あるいは大きな
公共の
建物、旅館、そういうものに対しては、
法制の整備が行われて、一応の成果は上げてきたと思うんですが、今回問題になっておる小さな
建物での大きな
被害の出る
火災、こういうものの
対策を真剣に練り直す必要がある。その場合に、今申した、
建物の
所有者、
管理者、あるいは
防火責任者という
人たちの
意識の改革も盛り込んでいかなきゃいかぬのではないかという気がいたします。どんな
法律をつくりましても、絵にかいたもちになるということはしばしばあります。これはやはり、
国民の、あるいは一部の
人たちの
遵法意識の希薄さというようなことも一因であろうかと思います。
また、
日本全国ではありませんけれども、
特定の地域に密集をしておる、そういう
場所で査察というものが、
立入検査というものが果たして徹底的に行えるのかどうか、御
報告にもありましたけれども、その点についての綿密な
検討を行って、有効な方法を見出してもらいたい、そういうことを
一つ希望しておきたいと思うんです。
時間の
関係でもう、いろいろな
問題点がありますが、結局は、
個人の自由とか
権利とかいうものには必ず、自由には
責任が伴うし、
権利には義務が伴う、そういうことを強調しながら
個人の自由や
権利と
公共の福祉との調和を図る、そういう
目標をはっきり立てて、こういう
火災のさらなる
対策の徹底を図っていっていただきたい、そう思っております。
私が
意見として若干つけ加えますと、今の
消防法制は
全国一律の感がなきにしもあらずであります。でありますから、
市町村ごとに
実態に応じて、
地方自治法に定められておる規則とかあるいは
行政事務条例とか、そういうものを整備する余地というものを広げていくということも大事なことではないか。
行政事務条例であっても
相当の罰則をかけられるわけであります。何か新しい手を考えて
責任感を喚起する、こういうことを
一つやってみていただいたらどうか。場合によれば、
違反を発見したら直ちに処分をする、悪質な場合にはそういうことも考えてはどうかとすら思うのであります。
いささか、事件に関して頭に血が上っておりますから強硬なことを申しますけれども、
国民の
生命、
身体、
財産を預かる以上は、
消防庁もそれぐらいな覚悟を持って再
検討をひとつ
お願いしたい。
以上で私の質問、
要望を終わります。