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真鍋賢二君 次に、気候変動枠組み条約の問題についてお伺いをいたしたいと存じます。
御案内のように、一九九七年に京都議定書というのが取り交わされたわけであります。世界的にすばらしい温室効果ガス排出量の削減をうたったものであります。日本も六%、アメリカ七%、EU八%というその目標値をつくりまして、それがために頑張っていこうということに相なって今日を迎えたわけであります。
私も、一九九八年にCOP4に
出席をいたしたわけであります。前
大臣から申し送りもいただきまして、この問題への取り組み方について
大臣としてどういう計らいをせなきゃならないかいろいろ苦慮いたしたわけでありますけれ
ども、このパーセンテージというのは先進国だけによって決められておる、後進国や途上国に対する配意がなされていないということで、私は、それがためにということで第一番目に人口の最も多い、またこれからの発展途上国であります中国を訪問させていただきまして、その交渉に当たったところであります。
中国といたしましても、なかなかアメリカなんかの決めたパーセンテージで処理されては困ると、おれたちも先進国の皆さん方と一緒のような生活を味わいたいんだ、それがために頑張っていくのにかかわらず、もうこのピークの点に達したような国々が、おれたちのところはもう温室効果ガスについてはこの程度規制するんだというようなことを勝手に決められたら困ると、こう言うわけですね。
それで、私は、中国の
環境大臣や温家宝さんという副首相なんかと腹つき合わせて話しました。そうしたら、やっぱりその協力はするけれ
ども、アメリカのような
考えでもって一方的に押しつけられたのでは困るというようなことをよく言うわけです。
それというのは、やはり日本が
環境面において、中国では日中友好
環境センターというのをつくりまして、これは竹下
内閣時代につくったセンターでありますけれ
ども、それを有効活用したり、また
環境にまつわるいろんな人的交流もあり、また意見の交換もあるわけでありまして、中国に対する
環境協力というのは非常に大きい。しかし、今中国はいろんな
環境問題で困っておると。例えば酸性雨の問題や黄砂の問題やいろんな問題があるわけでありますけれ
ども、日本にも大きなかかわり合いがある、隣の韓国にもかかわり合いがありますよというようなことで、もう少し、先進国の横暴さでなくして、後進国の気持ちに立って一緒になってやっていけるような努力をしてほしいというのが中国側の意見であったわけです。
私は、その意見を踏まえまして、すぐ二、三日してアメリカへ飛びました。アメリカでCOP4に
出席する道すがら、アメリカのブラウナーという
環境保護庁
長官とお目にかかりましていろいろ話しましたら、中国側に対する働きかけに感謝してくれました。
だけれ
ども、私は
考えたんですけれ
ども、幾ら日本が声高にその問題で六%削減しようというようなことを言っても、世界全体のことを見て
考えていかなければこの問題の達成はできないと思うわけでありますけれ
ども、その国々というのは、例えば日本だったら中国とかそしてまた韓国であるとか、ひいてはモンゴルとかロシアとかいうようなところに働きかけていく、そしてアメリカだったらラテンアメリカの国々に働きかけることによってその効果をあらしめていく、そしてインドだったらイギリス関係、英国関係との友好関係が深いわけでありますから、そういうところから働きかけていくということで、ベストプラクティスということをぜひやってほしいということを唱えたわけです。
そうして、アメリカに行って説得しましたら、アメリカは、ブエノスアイレスのCOP4の期間中に、それじゃ署名しましょうということで署名してくれた。だけれ
ども、署名したけれ
ども、アメリカは上院の中に物すごい反対がおると。その前の六月にアメリカで
議論して投票した結果、九十五対ゼロでこの温室効果ガス排出量の削減計画を立てるのは反対だというようなことになってしまっておったんです。ですから、アメリカというのはやっぱり弁護国家ですから言わなきゃいけないわけで、日本から発信することによってその意が理解できてくると思うわけであります。
そして、私はこの間も、ゴア大統領
候補の副大統領
候補になったリーバーマンさんという上院
議員がおりますけれ
ども、リーバーマンさんというのはもう
環境問題に非常に熱心な方で、そうしたら、
真鍋さん、日本の国会
議員の中でアメリカの上院に知った人がおったら上院に来て説得してくれぬかというようなことだった。よっしゃということで私も行こうと思って、国対と随分何回も打ち合わせして間違いないぞという日を設定しておったんだけれ
ども、国会が次々延びて、二回も延びたものですから、全部キャンセルされて、もう八月に入ったらサマーバケーションでしょうか、それからまた今度の大統領
選挙が始まるということで全部だめになってしまった。
私は、やっぱりそういうアメリカでも不得手なところはたくさんあるわけでありますから、それを補強して、そしてリードしてあげるようなもう
環境行政に日本はなっておるんじゃないかと。そうしたら、ブラウナー
環境庁
長官は、日本の
環境問題というのはすばらしい、大活躍をされている、世界一ですよと、こういうことを言われていた。それで、バイ会談をやりましたら、ブラウナーさんというのは、もうぜひ日本の指導にあずかりたいんで、こうしたらいい、ああしたらいいということを指導してくれと言うんです。
だから私は、さっき
環境のもう大国になっておるということだったんだけれ
ども、ナンバーワンですから、これは
総理、認識を新たにしてもらって、日本がリードせにゃいかぬ、指導せにゃいかぬと、そういう立場に立っておりますので、これは思い切ってやっていくと。だから私は、川口
大臣が三回の
内閣改造によってもなお
大臣になっておるというのは、その継続性をもって理解してくれたと思って感謝しておるわけでありますけれ
ども、ぜひひとつ思い切ってその仕事をやっていくように私はしてもらいたいと思っておるわけであります。
ですから、温室効果ガスの問題について日本が、他の諸国から来て一緒になって、EU関係からアメリカに抗議を申し込んでくださいと。日本も、
環境庁も
外務省も通産省も、
経済産業省ですか、一緒になってこの間もアメリカへ行ったけれ
ども、アメリカへ行ったら悪いというわけではないけれ
ども、もっと事前の打ち合わせをして、そして日本の
環境の一元化を図って日本はこうすべきだということをアメリカに訴えていく。アメリカも、日本がパートナーとなって説得をしていくというふうにしないと、アメリカだけが悪いから、これはもうのけてでもCOP6のボンでの会議をやりなさいなんというのは、私はちょっと行き過ぎた
考えじゃないかと思っておるわけでありまして、この点でいかが、私は力説しておかなきゃならぬと思ってあえて申し上げたわけであります。
これらのことについて御見解を伺いたいと存じます。
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