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日出英輔君 今はっきり
お話を伺ったわけでありますが、こういう話は一切
現場には伝わっておりません。言葉面だけであります。
そういたしますと、一体これは何だと。我々が
セーフガードの
発動を
要請するときに、これは外交
関係までみんな考えなきゃいけないのか、この
規定にそういうことが凝縮しているのかとまで言われるような
規定であります。
私は、そういう拡大解釈が何ぼでもできるようなことではいけないんでありまして、運用基準を明確にしておかないとやっぱり
行政に対する信頼性を欠くのではないかということを申し上げたいわけであります。
それから、実は調べてまいりましたらまた気も狂わんばかりのことがございまして、
ガット十九条に「
事情の予見されなかつた発展の結果」という頭がございます。これは
輸入の急増が予想されていたらだめだろう、こういうふうに読むのかもしれません。
あるいは、
セーフガード協定の方では、「
輸入の増加以外の要因が同時に
国内産業に損害を与えている場合には、その要因による損害の責めを
輸入の増加に帰してはならない。」というのがございます。
これもまた実は摩訶不思議な話でありまして、
輸入の増加だけではなくて、例えば
日本でいいますと、今の消費の冷え込みとか、幾つかの実は要因が通常ですと重なるわけでありまして、この
事情の予見されなかったとか、あるいはこの
輸入の増加以外の要因があるかどうかとか、こういうことについて
判断というのは、これもある
意味では
輸出国の方がひっかけて抗弁をすれば何ぼでも言えそうな気がいたします。
私は、
輸入急増が
国内産業に影響を及ぼしているということを数値的に定量的にちゃんと立証しろと言っているのであれば、この予見されなかったこととか、
輸入増加以外の要因で損害が及ぶだとか、こういうことを逆に言えば定量的に説明しない限りは、ただのひっかけの、これは予想されたはずだとか、あるいはこれは
輸入増加以外に何か消費は最近
日本は落ちているんじゃないかと、こういったことではやっぱりいけないんじゃないかというふうに思います。これはちょっと時間がありませんので
意見だけ申し上げておきます。
こういった
ガットの十九条とか
セーフガードの
協定とか、これも
現場へ行きますと、私も実は聞かれてびっくりしたのでありますが、まことに我が不明を恥じるわけでありますけれども、調べてみるとよくわからないという
規定がございます。
さらに、
協定の方で、この
発動するかどうかということを評価するのに九項目、これは第四条の第二項(a)項というところでしょうか、
輸入の増加率、増加量、市場占拠率、販売、生産、生産性、操業度、損益、雇用、こういうのが出てまいりますが、
国内でこの九項目について評価をするというのはどこにも出てこないんですよ。
国内の法には出てきません。
したがいまして、これも
判断をいたしますときには、
セーフガード協定ぐらい勉強しろよと言われればそれまででありますが、これは
現場の人は、あるところでは
ガット十九条、昔々からの十九条にいってみたり、あるときはこの間の九四年の
セーフガード協定にいってみたり、あるときは
関税定率法にいってみたり、あるときはいや告示に言ってみたりという、これでは何か断られるために、あるいは
行政の方が断るためにこういう複雑な制度を残したのではないかとさえ曲解しかねない私は状況だと思うんですね。そういう
意味でいいますと、非常に私はこういう
協定というのはいかがなものかというふうに思います。
したがって、何度も申し上げますけれども、
国内法の整備というのを、これはガイドラインというものを含めてでありますが、ぜひお願いをしたいというふうに思いますが、
財務大臣と
経済産業大臣にこの点についての御見解を伺いたいと思います。