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佐藤道夫君 長時間にわたり、さぞお疲れのことと思いますけれ
ども、ラストバッターでございますので、しばらくおつき合いを願いたいと思います。
私は、昨年の一月行われた小渕
総理大臣の
施政方針演説にものつくり大学という固有名詞が、特定大学の固有名詞が登場した、これはなぜなのかと。もう大分
議論もされておりますけれ
ども、そのいきさつについてちょっと
総理大臣にお伺いしたいと、こう
考えております。
言うまでもなく、ものつくり大学というのは
KSDなる特定団体が設立を
考えていた特定大学の固有名詞でございまして、
総理大臣の
施政方針演説に特定団体あるいは特定の大学という固有名詞が登場することは余り
考えられないこと、初めてじゃないかと言ってもいいぐらいだと私は思いますけれ
ども、間違いがあったらお許しください。
森
総理は早稲田大学、この演説を行った小渕さんも早稲田大学のOB。小渕さんや森さんが、我が母校の早稲田大学は非常にすばらしい、
政府としても全力を挙げて応援していきたい、こういうことを施政
方針で言ったといたしますればこんなばかなことはないんですけれ
ども、一体何だ、なぜ早稲田大学だけを特別扱いするのかと、こういうことにもなりかねないわけでありまして、やっぱり
政治というのは──ちょっと、聞いていてくださいよ、申しわけないですけれ
ども。そんなにおもしろくない話じゃないですよ。まじめに聞いてください。
あのね、ちょっと忘れちゃったですよ。
政治というのは、特定大学を
考えるんじゃなくて、全体の私立大学のことをどうしていくかと
考えるのがこれが
政治でありまして、特定大学に力を入れるなんというのはこれはいわゆる口ききなんですよ。
政治屋のやることであって
政治家のすることではないのであります。それが行われた。
国民はだれだって、不思議だな、これはどうしたんだろうなと、こう
考えるでしょう。できたら、その事実
関係を明らかにしてほしい。
現に、
KSDがいろんな金を使った。じゃ、小渕
総理大臣にもひょっとして金が行っているのかなんて、そこまで
考える
国民も少なくはないと思いますよ、大変大事なことですけれ
ども。ですから、きちっとその辺は
政府としてもいきさつを説明してほしい。
ところが、その間のいきさつなるものを調べてみますると、額賀官房副
長官、当時の、彼は
政治倫理委員会で、一切知りません、記憶にありません、どうも自分ではない、こういうことを言っている。
そういたしますと、当時の
労働省の
担当局長は
衆議院の
予算委員会で聞かれまして、これも、私らは全然知らないことでございます、ある日突然官邸の方からものつくり大学に言及した、することにした、こういう
連絡があって、はっと思って皆驚いてしまった、
労働省の関与することではございませんでしたと、こういうことなんですね。
そういたしますと、その次は官房
長官にでも聞くしかないということになりまして、
衆議院予算委員会ではそこにおられる官房
長官を呼んで、恐らく調査をされておるであろうから、どういういきさつでこのものつくり大学が
総理大臣の
施政方針演説に盛り込まれたのか、はっきりさせてほしいと。この問いに対して官房
長官がお答えになったのは、それは昔のことです、それ以上事実の確認はもうできませんと。一年前ですよ、これは。一年前を昔という
日本語を私、初めて聞きました。
十年一昔と言います。十年たてば大体昔という言葉が使われるんですけれ
ども、一年前、先ほど、何か半
世紀前はわしは知らぬということを言っておりました。多分そうだろうと思います。一年前を昔ですよと言うのはこれは一体何だろうか、そんな
日本語があるんだろうか、まじめに答弁なされているんだろうか、ふざけるなということぐらい、私はテレビを見ていて思わずそういうことを口走ったくらいでありまして、ちょっとまじめさを欠くんじゃないか。
しかし、老人の場合は別なんですよね。老人に一年前のことを聞くと、そんな古いことはわしは知らぬと、半年前、もうそんな昔も知らぬ、三日前のことだってわしは知らぬと言う。そうすると、そこにおかけの官房
長官なる方は、見かけは大変お若いんですけれ
ども、大変な高齢者なんだろうか。一年前はもう昔でさっぱりわからない、そういうことなんだろうかという気もしないわけではないので、これはどうしても
総理大臣にお答えいただきたい。高齢者を余り引っ張り出しても仕方ありませんので、それで
お願いしたい。一体どういういきさつで、この特定の大学の固有名詞があの
総理の施政
方針に盛り込まれたのか。
国民はやっぱり疑惑の目を持って見ておる。
総理大臣の
施政方針演説は大変重要な、この国で一年間に何十万という演説が行われているでしょうけれ
ども、その中の一番
意味のある重要な演説なんでありまして、
国民もそういう目で聞いておりますし、後世の歴史にも、例えばワシントンの演説、ケネディの演説、いろいろ残っておる、そういう演説が。そして、言の葉に触れてそれが引用されている。いつか小渕さんの演説だって日の目を見ないとは限らない。確かですよ。このものつくり大学が立派な大学になりまして、だれかがその歴史を書きたいとか、あるいは、こういう職人大学をつくった、一体だれがつくったんだろうか、しかも当時の
総理大臣はそれをわざわざ引用までなさっている、そのいきさつを調べる研究者、歴史家が五十年先、百年先に出てこないとも限らない。そうして調べてみると何もさっぱりわからない。当時の議事録なるものを調べると、官房
長官、最高の
責任者だと思われますけれ
ども、この方がそんな昔のことは知りませんよと。あれ、百年前は一年を昔と言ったのかというようなふうに
議論が流れていってしまうおそれもないわけではない。
どうか、この歴史的な演説、これが
総理大臣の
施政方針演説、あなたの演説だってそうですからね。百年先に引用されて、あのときの森
総理はこういうことをおっしゃった。そうだ、ジョージ・ワシントンにも匹敵する大
政治家であった。銅像でもつくろうかということにならないとも限らないわけなので、どうかこれだけ問題になっていることですから、官房
長官はともかくとして、
総理は、
内閣官房の首席参事官その他にちょっといきさつを調べろと一言おっしゃれば、こんなものは一時間でぱっと役人は結論を持ってきますよ、こういういきさつでこれに入りましたと。
それ、お調べになっているんでしょう。まず、そのことを
お尋ねいたします。