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国務大臣(麻生
太郎君) ここに出されております数字というのは、国会が始まります前に、
財務省というか、昔から大蔵省が中期展望を出すのと基本的に同じコンセプトでして、勉強せずにこのまま行けば落第するよとか、そういうあれで、体が悪いのにこのまま何もしないでほうっておけば糖尿病で死ぬよとかいう感じのものがあって、これは努力目標は何も書いてありません。努力すればとか、こういうことをすればということ、一切そういった政策はしないで、このままほうっておけばだめよということが書いてあるんだと思います。そういうように
理解をしております。
したがいまして、今いろいろな考え方をやらねばいかぬところだと思っておりますが、今私
どもの、私、前に経企
庁長官をしたときは一番経済成長率のよかったときに
長官をさせていただきましたので、私の終わった後の方がえらい目に遭われた、尾身
先生を初め。一番運がよかったとよくおちょくられるところですけれ
ども、あの鑑定からいきましても、私
どもは、一番やっぱり今の
状況が
皆さん読み間違えられておられるし、私
どももなかなか……。
というのは、先ほど申し上げましたように、会社でいう経常利益の部分でいきますと、十—十二は三一・九%という、すごく前年同期比三一・九%の経常利益が伸びておるという
状況なんですね。それはなかなか出てくる数字じゃないぐらいなものが物すごく感じが出ておるという
状況というのは、やっぱり今までに比べれば倍、前年同期に比べてそれだけ伸びてくるわけですから、それは二年前に比べたらほぼ倍ぐらいな、倍は行きませんけれ
ども、それくらい近くのものが伸びてきておるという
状況になりますと、今までですと確実にそれは消費に回り、その前にまず賃金が上がり、雇用につながり、設備投資につながりというふうにずっと広がっていくものだったんですが、今回は簡単に言えば合成の誤謬ということなんでしょうけれ
ども、みんな借金返済に回っている。全社借金の返済に回っておられますから、返される方は、銀行の方は、預貯金は相変わらずずっと八%か九%ぐらいみんな貯金をされる。その貯金は銀行に入ってくる。傍ら、貸し付ける先の企業は全部借金返済に回られると、銀行は貸出先がなくなってきておりますので、これはえらいことになるという
状況が、今までとは全然違っておるというのが、多分なかなか今までの延長線上で物を考えていた方は全部外れてきたんだと、私
どもはそう思っております。
そうすると、じゃどうなんだということだと思いますけれ
ども、僕はこれはなかなか御意見の分かれるところだと思いますけれ
ども、これはもうどう考えても、だれかがお金を借りなかったらもっとすさまじいデフレになるということを
意味しますので、そういった
意味では、ここはいろいろ考え方はあろうかとは思いますけれ
ども、今の
状況というのは、景気がよくなるまで、いわゆる自律的に回復するまで、もしくは企業が少なくとも借金を返し終わって、いわゆるバランスシート、企業のバランスシートがよしということになって、企業が設備投資の方に、もしくは拡大の方に向かうという心理が起きますまでの間は、これはだれかが下支えしない限りは、これは行ったらまたやめといって、このとき、九七年のときに、先ほど言われましたように、いきなり増税をばあんとやってくしゃんといったあのときと同じようなことになりかねませんので、四年前、五年前のあのときだけは繰り返しちゃいかぬなというのが率直な実感で、今どれぐらいにと言われると、この企業家の心理が今まで全くない心理
状態になってきておると思いますので、この点のあれには、ちょっと今すぐに、来年というか、またことしなんて、そんな簡単にいくかなと、アメリカの景気は今度またどおんと来ておりますので。
その
意味も含めてことしの秋にいきたいと基本的に私
どもはそう思っておりますし、GDPも何となくそれがいきそうだなという感じはしないわけでもありませんし、一・二%につきましてはまず間違いなく、一—三月が少々悪くても間違いなく、
平成十二年度の経済成長率一・二%という数字は間違いなく達成するということになりますので、その後の一・七%の方がさらに問題だということに多分なると思いますが、その点につきましては、アメリカ経済等々なかなか見通せない部分がありますので、私
どもとしては自律的経済回復成長に乗せたいと思って
予算を組んでおりますけれ
ども、それ以後アメリカのあの急激な落ち込みというのは想像をはるかに超えた落ち込みになってきておるような感じがしますので、ちょっと今すぐと言われるに関しましては、桜の咲くころとかなんとかというような、そんなことをちょっと言えるような心境にはありません。