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国務大臣(扇千景君)
谷林議員から御
質問が三つございました。
特に、私に対しまして、生活に密着した
歩道の
整備を進めるために、
道路整備のための
財源と
権限を
地方に移すべきではないかという貴重な御意見もいただきました。
御存じのとおり、
地方分権推進あるいは
地方が主体になって
道路整備に取り組むということは大変重要なことではございます。ただ、地域の
道路網は、市町村道そして都道府県道、国道、一般国道ですね、そういうふうにこれらが全部有機的に機能するということが私は一番重要なことであり、またそれらが協調して形成してきたものが今日の
道路網であろうと思っております。けれども、相互の綿密な
連携をいたしましても、少なくとも
整備あるいは管理、そして
整備等々、これを図るためにはみんなでどのように
連携していくかということも大変大きな問題であろうと思っております。
御
指摘のとおり、身近な生活の改善をするという
意味では、
道路整備を行う上で、
歩道、そして先生がおっしゃいました
自転車道、この
整備というもの、
高齢者の
交通安全を
考えるときに大変寄与する
事業であるというのは言うまでもございませんし、また非常に重要なことであると、そのようにも
考えておりますけれども、同時に、例えば
東京の二十三区を
考えてみますと、走行する
交通の約一四%が二十三区内に用事がない人がただ通過するだけという、こういうものもございます。そういうことで、用事のない人がただ通過するだけで
交通渋滞が起こるということを
考えますと、少なくとも私は、環状
道路網の
整備も今後必要でございます。またこれはしなければならない。また、地域と国がお互いに協力しながら
道路の
整備を
推進する必要があると強く感じております。
また、
道路特定財源の
見直しにつきましても先生から御
指摘がございましたけれども、これまで
道路特定財源の果たしてきた
役割、これによって私は、二十
世紀の今日の日本の
発展、発達に寄与してきたと、そう思っておりますので、今後さらに、
道路特定財源の歴史的な
意味あるいは経緯、そして受益者
負担という性格等を踏まえまして、
国土交通省内において検討を進めておりますので、早い時期に私としては私なりの方向性を出していきたいと
考えております。
二つ目には、先生から、
自動車運転代行業を今なぜ法制化するのかと、今ごろなぜというお話もございました。
今ごろなぜということではなくて、今るるお話が既にございましたけれども、
自動車運転代行業に関しましては、御存じのとおり、
利用者にかわって
運転するといっても、違法な
タクシーの類似
行為が行われているというのが一点、二点目には、少なくとも
料金が不明瞭、
利用者保護に欠けると、この二点が今問題として
指摘されているのは先生も御存じのとおりでございます。先生もこういう業界には一番詳しい方でいらっしゃいますからよく把握していらっしゃると思います。
特に私は、この
事業者数が今二千七百十五社、そして従業員は四万百七十三名、その中でアルバイトだということで従事している人が二万七千五百六十四名、まあ半分以上がアルバイトと、こういうことでは、今後もこの人たちの最低限必要な措置をとらなければ、
違法行為等々をどう取り締まるのか。そういう
意味では、私は、今後
自動車運転代行業の
業務の
適正化を図るのは、今しなければ、大きな
事故が続いて起こった後では間に合わない。そういう
意味では、こういうときに、ぜひ今だからこそ先生方にお願いするというのが本意でございます。
最後、三つ目には、
自動車運転代行業の
苦情処理機関、これをどうするのかというお話でございました。
私たちは、この
苦情処理の体制、これも重要なことだと思っておりまして、このための
苦情処理をしますところ、御存じのとおり、
社団法人全国運転代行協会、この代行協会におきましても
自動車運転代行業界の
利用者からの相談の受け付け及び
苦情の処理、この社団法人は業界ではただ一つの社団法人でございますので、ここでも受け付けております。
また一方、
タクシーの近代化センター、
東京タクシー近代化センター、大阪
タクシー近代化センターにおきましても
苦情処理を行っておりますけれども、
関係行政機関と
連携しまして、私どもは、業界
団体の健全な育成を今後も図っていくように指導していきたいと思っております。
以上でございます。(
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