○橋本敦君 ぜひ検討を進めていただきたいんですが、その上で実情として私が
指摘をしておきたいのは、憲法が保障しているこういう重要な
権利なんですけれども、現在、
弁護士会がやっておりますのは大変な苦労をして運営をしている実情があるんですね。
日弁連は一九九五年の定期総会で、当番
弁護士等緊急財政基金を発足させまして、三年間にわたって全会員から、私どもから月額千五百円の特別会費を議決して徴収しました。九八年の臨時総会では、これをさらに三年間延長することを決めまして、九九年の臨時総会では、予測される支出増に対処するために特別会費を二千二百円に増額して
対応しているという、こういう
現状であります。
こういう
現状ですから、公的弁護
制度を国の責任として予算措置も含めて充実をさせていただくということが本当に
人権を守る緊急の我が国の課題になっていると、こう思います。そういう
意味で、今
大臣が御
指摘いただいたように、ぜひこれの実現に向けて御尽力をいただきたいと思うんです。
このことが本当に必要だというのは、私は
人権上重大問題だと思うんですが、岩波書店から出されている「
日本の
裁判」という本があるんですが、この中で
指摘されておりますように、憲法で大事な黙秘権が保障されているんですが、それがしばしば捜査の過程で侵害されることがあるけれども、その
理由は捜査段階における弁護
制度の不十分さにあるということも
指摘しております。捜査段階において被疑者は取り調べを受け、捜査活動でいろいろ検察官からあるいは捜査官から質問されるわけですが、全く
法律の知識もありませんし自己防衛はなかなか難しい。こういう段階で
決定的に大事なのは、弁護人の依頼、弁護人の意見を聞き、みずからの防御権をしっかり守るということでありまして、ここのところがなおざりにされますと、いわゆる代用監獄
制度とも相まって、意に反する自供を強要され、それが冤罪に結びつくという重大な危険も起こってくるわけです。
したがって、我が国刑事
司法制度を、本当に
人権を擁護する、そういう建前からいきましてもこの問題は私は非常に大事な問題であって、
司法制度改革審議会が提起するのは当然でありますし、この問題については、最終意見が出ましたら、ぜひとも
法務大臣はそれをしっかり受けとめていただいて、予算措置も含めて大変な事業ですけれども、ぜひこの公的弁護
制度の一貫した実現に向けて最大限の御尽力をお願いしたいということをお願いして質問を終わりますが、
大臣の御所見を承って終わります。