○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。
過ぐる
池田小学校における痛ましい事件、本当に胸を痛めるわけでございますけれども、しかし考えてみますと、どうしてこういう事件が起こったのか。先ほどお話がございましたように、戦後五十年の
教育というものをここでしっかり考え直さなきゃいけないと私は思うわけであります。
もちろん人権は大事でありますけれども、人権に傾斜した
教育が行われ、人間として生きるべき道は何かということを教えることを怠っておった、その結果ではないかと思うわけでございます。こういうことを言いますと、すぐに日教組が悪かったなんということになるんですけれども、しかしすべてをそういう言い方でやってはならないと私は思います。そうしたことを認めてきたのは文部省であり、
教育委員会であり、またそれを認めてきた
政治家の責任だと私は思うわけであります。そういう意味では、ここでしっかり
日本の
教育の
あり方というものを考えなければならないなという思いをしておるわけでございます。
きょうはこれから、時間も十五分ちょっとでございますので、北海道の
教育の問題についてまず取り上げてみたいと思うわけであります。
特に私の地元の広島県が大変厳しい
状況にあったわけでございますけれども、三年前、文部省の
指導によりまして一応いい方向にようやく向かい出したかなという感じでございますけれども、広島以上に厳しいというか、ひどい荒れた
状況にある北海道の
教育の現場、昨年の十一月二日のこの文教
委員会で
指摘させていただき、そして
大臣がこの問題については一番もとになっている四六協定を破棄するように
指導しますと言われ、また
局長さん方も口をそろえておっしゃったわけでございます。
そういうことから、北海道の
教育委員会は、去る三月二十日に四六協定のうちの一部だけ破棄するということになりましたけれども、しかしそれは法的に問題のあるところだけ破棄したということであって、その他残っておるわけでございますけれども、しかしそれではやっぱりおかしいんじゃないかと。違法なことを認めておったことはやめるけれども、
教育の現場として不適当な、不当なことを続けることについては、依然として認めていいのかという問題もあるわけでございます。
そういうことから、私たち自由民主党の参議院の政策審議会では、去る六月三日、四日の二日間、北海道に参りまして、現地でPTAの代表の方、あるいは校長
先生方の代表の方、それから札幌市の議員代表、そして
教育委員会、さらには道の議
会議員の代表と
教育委員会の皆さんといろいろと話をしてきたわけでございますけれども、しかし大変厳しい
状況で、皆さん方が声をそろえて、この四六協定なるもの、さらにはこれをベースにした多くの確認書を破棄してほしいという声がありました。
そういうことで、文部省の方からの指示もありまして、今、北海道では昨年の暮れから調査を始められまして、何か段ボール箱五十箱だったそうですが、中間的にデータがまとまったということで、先日の十四日ですか、発表がございましたので、ちょっとこの内容を皆さん方に御紹介しながら、今後の問題について
大臣の御意見もちょうだいしたいと思うわけであります。
お手元にきょう配っておりますけれども、まず勤務時間中の組合活動の実態でございますけれども、不適切な
扱い。例えば鉛筆年休、鉛筆で年休届を書いていって戻ったら消してしまう、だから年休を使ったことになりませんね。これが五十五校。口頭年休。校長
先生、行ってきますよ、年休ですよというのが五十五校。裏帳簿をつくって管理している
学校が十三校ということで、合わせて百二十三校が確認されたようでございますが、この百二十三校のうち小中
学校が百十八校ということですから、ほとんどが小中
学校でこういうことが行われているということでございます。ほかに、要調査の
学校が三百一校、確認を必要とする
学校が百九十二校ですから、六百十六校が問題だろうというふうに言われておるわけでありますが、そういう意味では大変なことが現実に行われているのが第一です。
二つ目が、組合役員の勤務の実態でございますけれども、この前も
指摘いたしましたけれども、組合の役員の人は
授業数を減して出かけているケースが多いわけでございますけれども、この調査でわかったのが、
授業時間が十時間以内の者が二百四十一名。ゼロの人が何と六十三名おるということですから、少なくとも六十三名の人が
学校に行って給料をもらいながら組合活動を一生懸命やっているということですね。それ以外に、不適切な勤務があるらしいという
報告されたのが百二十三名で、そういうことから、三百六十四名は組合役員として勤務の実態が、まあ組合役員としては十分な活動をしておられるんでしょうけれども、
教員としての勤務態度は問題があるというのが三百六十四名で、小中
学校がそのうち三百名ですから、これまた小中
学校が中心で、
高等学校の
先生は比較的まじめなんですね。
それから三番目ですが、組合が主催する研修会への参加でございますが、これも三百六十九名が不適切に参加しているということでございまして、そのうち小中
学校は三百六十七名です。これも口頭年休で二百六十名、口で、
先生、年休ですよと言って二百六十名、鉛筆で書いていて戻って消すのが百八名、出張が一名ということです。それ以外に、
職務専念義務免除としての研修だということで参加しているのが何と二千百七十八名いるということでございますから、全部足しますと二千五百四十七名の
方々が組合へ参加するのに給料をもらいながら参加しているということでございまして、これも小中
学校が二千五百十六名ということですから、ほとんどが小中
学校ということでございますけれども、このように給料をもらいながら大勢の
方々が組合運動をしているということでございます。
それから、四番目が確認書でございますけれども、四六協定がその最たるものでございますけれども、北海道の
教育委員会レベルでやられている確認書が三十八件、
教育局のレベルで八十二件、それから市町村の
教育委員会レベルでやっているのが三百八十七件、
学校レベルで校長
先生と分会長がやっているのが何と千六百四十五件あるそうでして、そのうちの小中
学校が千五百三十二ですから、これもほとんど小中
学校ですね。
対象学校の場合、やっている
学校が五百六十五校だそうですが、そのうち五百三十校が小中ということで、合わせますと二千百五十二件の確認書が確認されたわけであります。
これは発表された、調べて出たやつだけですから、それ以外に隠匿されているケースがたくさんあるんじゃないかと思いますけれども、それはそれといたしまして、こういう事態が発表になりまして、今、北海道でも初めて北海道の道民の皆さん方が
教育の現場における
先生方の行動というものを知ったわけであります。広島の場合もこういうことがありましたが、全くこのことは隠されておりました。知りませんでしたが、オープンになりましていろいろと問題になっておるわけであります。
特に、広島の場合と違いますのは、広島の場合には、解放同盟という圧力団体が裏におって糾弾闘争をやるということで、その糾弾が恐いということでみんなが縮こまって、組合もそうですけれども、事実上介入を認めてきたと。しかし、それでも
先生方は、それはいかぬということで随分頑張って、自殺したような
先生もいるわけでございますけれども。それが昭和六十年に知事と議長と
教育長が解放同盟と同時に組合の
委員長と一緒になって協定文書を結んで、解放同盟が差別という問題については
教育の現場に入っていけるというふうにしてから広島県はどんどん悪くなって、
教育県広島が今や
学力最低、非行少年最高という県になってしまったわけでありますが、そういう
状況でございますので、非常に広島等はそういうことがあったんですが、違うのは、北海道の場合は四六協定という協定書で
権利としてこういうことを認めておるというのが大きく違うわけでありますから、そういう意味ではなかなか根が深いなという思いもしたわけでございます。
そういう背景の中で何点か御
質問したいと思うわけでございますけれども、まず第一点は、四六協定並びに関連の確認書の全面破棄の問題でございます。先ほど申し上げましたように、たくさんの、千六百四十五件に対する各種の確認をぜひ破棄してほしいというのが、先日参りました感じでは、校長
先生はもちろんPTAも関連者全部が望んでいるところでございますけれども、そういう意味では、違反した
部分だけではなしに
運営管理上不適当と思われるものを含めて破棄すべきだと思いますけれども、
大臣はどのようにお考えでしょうか。