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2001-03-15 第151回国会 参議院 文教科学委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年三月十五日(木曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
二月十五日
辞任
補欠選任
川橋
幸子
君
小林
元君
三重野栄子
君
谷本
巍君 二月二十日
辞任
補欠選任
谷本
巍君
三重野栄子
君 三月六日
辞任
補欠選任
岩瀬
良三
君
柳川
覺治
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
市川
一朗
君 理 事 亀井 郁夫君 松村 龍二君 佐藤 泰介君 内藤 正光君 山下 栄一君 委 員 阿南 一成君 有馬 朗人君
中曽根弘文
君
水島
裕君
小林
元君 本岡 昭次君 松 あきら君 阿部 幸代君 畑野 君枝君
日下部禧代子
君
高橋紀世子
君
国務大臣
文部科学大臣
町村
信孝
君 副
大臣
文部科学
副
大臣
大野
功統
君
文部科学
副
大臣
河村 建夫君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官
池坊 保子君
文部科学大臣政
務官
水島
裕君
事務局側
常任委員会専門
員
巻端
俊兒君
───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
教育
、
文化
、
スポーツ
、
学術
及び
科学技術
に関 する
調査
(
文教科学行政
の
基本施策
に関する件) (
平成
十三年度
文部科学省関係予算
に関する件 ) ─────────────
市川一朗
1
○
委員長
(
市川一朗
君) ただいまから
文教科学委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る二月十五日、
川橋幸子
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
小林元
君が選任されました。 また、去る六日、
岩瀬良三
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
柳川覺治
君が選任されました。 ─────────────
市川一朗
2
○
委員長
(
市川一朗
君)
教育
、
文化
、
スポーツ
、
学術
及び
科学技術
に関する
調査
を議題といたします。 まず、
文教科学行政
の
基本施策
について
町村文部科学大臣
から
所信
を聴取いたします。
町村文部科学大臣
。
町村信孝
3
○
国務大臣
(
町村信孝
君)
文部科学大臣
の町村でございます。よろしくお願いを申し上げます。 第百五十一回国会におきまして各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。 初めに、去る二月十日、
愛媛県立宇和島水産高等学校実習船えひめ丸
が
米海軍原子力潜水艦
と衝突、沈没した大変痛ましい事故について御報告しなければなりません。 事故によって被害を受けられた皆様、御家族、関係者の方々に心よりお見舞いを申し上げるとともに、今なお行方不明となっておられる方々がおられることに心を痛めております。
文部科学省
としては、
事故発生
後直ちに
対策本部
を設置するとともに、現地に職員を派遣し、
関係機関
との連絡、
情報収集
や生徒、保護者、
学校関係者等
の支援に努めてきたところですが、今後、引き揚げの問題等についても、関係者の思いを十分に受けとめ、可能な限りの対応を行ってまいります。 私は、昨年十二月五日に
文部大臣
並びに
科学技術庁長官
を拝命いたしましたが、本年一月六日、
中央省庁再編
により、初代の
文部科学大臣
に就任をいたしました。 二十一世紀は、
経済社会
が急速に進展し、人類が克服しなければならない数多くの諸課題に直面する激動の時代になることが予想されます。その中で我が国が目指すべき方向は、主体性を持って
国際社会
に貢献し、また世界から尊敬される心の豊かな美しい国家の実現であります。また、
少子高齢社会
においても、
国際競争力
を維持し、
経済社会
の
持続的発展
を達成するための人材の養成、
知的資産
の創出を進めることこそが我が国の
存立基盤
であります。 私は、これまで文部省が担ってきた教育、学術、
スポーツ
、文化の振興と、
科学技術庁
が担ってきた
科学技術
の振興に関する施策を一体的かつ迅速に進め、激動の時代の中、
子供たち
に夢を与え、我が国の明るい未来を切り開いていくことが、新しい
文部科学省
の使命であると考えております。 このような認識のもと、以下に申し述べます事項についての施策を総合的に展開してまいります。 我が国の教育は、第二次大戦後、
機会均等
の理念を実現し、国民の
教育水準
を高め、
経済社会
の発展の原動力になりました。しかし、現在の教育の状況に目を向けると、国民や社会の教育に対する信頼が大きく揺らぎ、我が国の教育は危機に瀕しています。 新世紀を迎えた今、国家百年の計である教育を根本に立ち返って見直し、我が国の進路に誤りなきを期す必要があります。 昨年末、
教育改革国民会議
が
最終報告
を取りまとめられました。
文部科学省
としては、その提言も踏まえ、先ごろ、二十一
世紀教育新生プラン
を策定いたしました。今後、これに基づき、教育の新生を目指し、学校がよくなる、教育が変わるという実感が持てるような
教育改革
を迅速かつ果断に実行してまいります。 今国会では、まず緊急に対応すべき事項として、一連の
教育改革関連法案
や、
関連予算
を盛り込んだ平成十三年度予算案の成立に全力を尽くしてまいります。 また、
中央教育審議会
においては、新しい時代における
教養教育
のあり方について引き続き御審議いただくほか、
社会奉仕体験活動
の充実や今後の
教員免許制度
の
あり方等
について御検討願いたいと考えております。 新しい時代にふさわしい
教育基本法
の見直しについては、
教育改革国民会議最終報告
を踏まえ、
文部科学省内
で検討を行った上で、
中央教育審議会等
で幅広く国民的な議論を深めるなど、しっかりと取り組み、成果を得てまいります。
初等中等教育
については、平成十四年度からの
完全学校週
五日制のもと、各学校で特色ある教育を展開し、
子供たち
の
基礎学力
の向上を図るとともに、みずから学び、みずから考える力などの生きる力がはぐくまれるよう、新しい
学習指導要領
のねらいの徹底とその実現に努めてまいります。 また、人間性豊かな日本人を育成するため、
社会奉仕体験活動
や
自然体験活動等
の一層の充実を図るための所要の法改正をお願いするなど
体験活動
の充実に努めるとともに、心のノートを全
児童生徒
に配付するなど、
道徳教育
の充実を図ってまいります。さらに、
子供たち
の
問題行動等
に対応するため、
スクールカウンセラー
の配置の拡充など
教育相談体制
の充実を図るほか、
出席停止制度
の改善のための所要の
法的整備
を図る所存であります。 また、
実践的コミュニケーション能力
の一層の育成を目指した
外国語教育
の充実や、二〇〇五年度までに全国の学校のすべての教室にコンピューターを整備しインターネットにアクセスできる環境を実現することなどを目指したミレニアム・
プロジェクト
の推進を図ってまいります。 このほか、
中高一貫教育校
や
単位制高等学校
、
総合学科
など特色ある
高等学校
の
設置促進
、
コミュニティスクール等
の新しいタイプの学校についての検討、
高等学校入学者選抜
の改善、
特別支援教育
の振興、
人権教育
、
環境教育
の推進、
読書指導
の充実、
教育内容
・方法の多様化に対応した
学校施設
の整備等を推進してまいります。また、
人間形成
の基礎が培われる幼児期の重要性にかんがみ、
幼児教育
の充実に努めてまいります。
教職員定数
の改善につきましては、平成十三年度から新しい
教職員定数改善計画
をスタートさせ、
基礎学力
の向上ときめ細かな指導のため、
基本的教科
について二十人授業を可能とするなどの改善を行いたいと考えており、そのための所要の
法的整備
を図ってまいります。 教員の
資質向上
につきましては、養成、採用、研修を通じた施策の充実、特に教員の
社会体験研修
の拡充や、社会人の一層の活用を促進してまいります。
児童生徒
への指導に当たることが不適切な教員については、
分限処分
など、迅速かつ適切な人事上の措置が講じられるよう取り組むとともに、教員以外の職に円滑に異動させるための方途についても所要の
法的整備
を図る所存であります。 また、学校の自主性、自律性を確立し、特色ある
学校づくり
を促す観点から、
通学区域
の弾力化を進めるとともに、校長の裁量の拡大を図ります。また、
学校評議員制度
の一層の活用など地域に開かれた
学校づくり
を推進するとともに、法改正を含め、
教育委員会
の一層の活性化を促してまいります。 このほか、三宅島の噴火等により被害を受けた地域の
子供たち
の教育と心のケア等の支援を引き続き進めてまいります。
高等教育
については、社会の多様な期待や要請にこたえつつ、各大学がその役割を適切に果たし、
国際的競争力
のある個性輝く
大学づくり
ができるよう、これまでも
教育研究システム
の
柔構造化
や、責任ある意思決定と実行を可能とする
組織運営体制
の整備、
第三者評価
を含む多元的な
評価システム
の確立等に努めてきたところであります。 今後も、
競争的環境
のもとで、大学の自主性、自律性や
国際通用性
をさらに高めるため、昨年十一月の
大学審議会答申
「
グローバル化時代
に求められる
高等教育
の在り方について」などの提言も踏まえつつ、今国会に、
国立大学
の講座等の
組織編制
の柔軟化や大学への十七歳入学、大学院への学部三年修了時からの入学の促進についての
関係法律
の改正をお願いしたいと考えております。また、
教育研究拠点
としての大学院の
重点的整備
、
大学評価
・
学位授与機構
による
第三者評価
の実施を進めるなど、さらなる
大学改革
に全力で取り組んでまいります。 なお、
大学入学者選抜
の改善については、昨年十一月の
大学審議会答申
「
大学入試
の改善について」における提言を踏まえつつ、
評価尺度
の多元化や受験生の能力、適性等の多面的な判定がさらに進むよう、一層の
工夫改善
に努めてまいります。
私立学校
については、
私立学校振興助成法
の趣旨にのっとり、
教育改革
の推進や
学術研究基盤
の強化に配慮しつつ、
私学助成
の充実に努めてまいります。また、学生が自立して学べるよう、
育英奨学事業
の充実を図るとともに、
学生生徒
の
就職指導
の充実、インターンシップの拡充などに最大限努力してまいります。 人々が生涯にわたり
自己実現
を図っていくためには、生涯のあらゆる時期に
学習機会
を選択して学ぶことができ、その学習の成果が適切に評価される生涯
学習社会
を築いていくことが極めて重要です。このため、
情報社会
に対応した生涯学習の
環境整備
、大学等への社会人の
受け入れ
の促進、放送大学の充実、
専修学校教育
の充実等をさらに進めてまいります。 また、
学校教育
及び
社会教育
を通じた
男女共同参画社会
の形成に向けた施策の推進に努めるとともに、幼稚園における
子育て支援
など、
少子化対策
についても積極的に施策を展開してまいります。 青少年を取り巻く状況が著しく変化する中で、未来への夢や目標を抱き、豊かな社会をつくる営みに積極的に取り組むことのできる青少年を育成するため、
子どもセンター
の
全国展開
など
全国子どもプラン
緊急三ヶ年戦略の推進、今国会で
関係法律
の改正をお願いしております子供の
体験活動等
の振興のための子どもゆめ基金の創設、青少年を取り巻く
有害環境
への対策などに取り組んでまいります。さらに、
運動部活動
や地域における
スポーツ活動
の充実に努めるとともに、
児童生徒
への
健康相談活動
、
薬物乱用防止教育
、性教育、食に関する指導など、
健康教育
の一層の充実に取り組む所存です。 また、すべての教育の出発点である
家庭教育
の充実を図るため、
子育て講座
の開設や親の悩みや不安に対する
相談体制
の整備など、
家庭教育
の支援を推進してまいります。 さらに、家庭や地域の
教育力向上
のための法改正をお願いするとともに、異世代間の交流の推進、PTAや
青少年団体
の支援などの施策も積極的に展開してまいります。
科学技術
と学術は、我々に新しい発見や知識をもたらし、それをさまざまな問題の解決やより豊かな暮らしのために活用することを可能とします。我が国が国際的な
競争環境
の中で持続的に発展し、国民の
生活水準
を向上させていくとともに、その成果を世界に向けて発信し、人類共通の
問題解決
に貢献していくためには、我が国の最も貴重な資源である頭脳によって世界をリードする
科学技術創造立国
を目指して、たゆまぬ努力をしていくことが必要であります。 現在、
総合科学技術会議
において、二十一世紀における我が国の
科学技術振興
の基本となる
総合戦略
が検討されており、三月末には新しい
科学技術基本計画
が策定される予定であります。
文部科学省
といたしましては、本計画に基づき、政府における
研究開発
の主体を担うという立場から、
科学技術
と学術のそれぞれの長所を生かしつつ、両者の調和と融合を図り、創造性に富んだ
世界最高水準
の成果を生み出すための
研究開発
を総合的に推進してまいります。 このため、
科学研究費補助金
を初めとする
競争的資金
の拡充などによる
競争的研究環境
の整備、
若手研究者
の
活躍機会
の増大、
産学官連携
の強化、
研究成果
の
社会還元
の推進、
研究評価
の充実と透明性の確保、大学などの
研究施設
の
重点的整備
など、我が国の
科学技術システム
の改革に努めてまいります。また、
基礎研究
を推進するとともに、地域の資源やポテンシャルを活用した地域における
科学技術
の振興のための施策を展開してまいります。 二十一世紀は
生命科学
の世紀と言われるように、生命についての理解は、医療、食料、環境等の分野に大きな変革をもたらすものです。我が国がこれらの分野でリーダーシップを発揮し、健康で活力ある社会を実現するため、
ゲノム科学
、免疫・アレルギー・
感染症研究
、
脳科学等
の
ライフサイエンス
を重点的に推進してまいります。なお、
生命倫理
の問題について、人の尊厳の保持等に重大な影響を与える
クローン人間
の産生の防止を初めとして、国民の幅広い意見をくみ上げつつ、慎重に取り組む所存であります。 また、あらゆる
科学技術
の基盤となる
ナノテクノロジー
・材料、社会全体の
IT革命
を先導する
情報科学技術
、
地球温暖化
などの環境問題の解決に資する
研究開発
などを重点的に推進してまいります。さらに、国民の安全な生活の確保にとって重要な
地震調査研究
などの
防災科学技術
の研究を積極的に推進してまいります。 宇宙の研究、開発、利用につきましては、昨年十二月に
宇宙開発委員会
が策定した我が国の
宇宙開発
の
中長期戦略
に基づいて、我が国の
次期主力ロケット
であるHⅡ
Aロケット
の開発などを着実に進めてまいります。 原子力につきましては、昨年十一月、
原子力委員会
が策定した原子力の研究、開発及び利用に関する
長期計画
を踏まえ、加速器、レーザー、
核融合等
の先端的な
研究開発
、
放射線利用
、「もんじゅ」による
高速増殖炉サイクル技術
の
研究開発
などを、地元住民を初めとする国民の皆様の理解と協力を得つつ、着実に進めてまいります。 原子力の
研究開発
及び利用に当たっては、安全の確保が大前提であります。一昨年の
臨界事故
による教訓を十分踏まえ、厳正な規制と管理の実施、緊急時
対応体制
の強化、
安全研究
の推進などにより、所管の施設の
安全確保
に万全を期してまいります。 独創的で創造的な
研究成果
を生み出すためには、将来の
科学技術
を担う人材の養成を積極的に推進することが重要です。このため、
日本科学
未来館などの場を積極的に活用し、青少年の
科学技術
に対する関心の喚起や創造性の涵養、国民の
科学技術
に対する理解の増進を図ってまいります。また、ITを活用した
科学技術
、
理科教育
の推進を図るとともに、
若手研究者
の流動化の促進等による優秀な研究者の
養成確保
、一流の技術者を養成するための
教育システム
の構築などに努めてまいります。 以上の施策を実行するためには、
政府研究開発投資
の拡充が必要不可欠であります。昨年十二月に
科学技術会議
が出した
科学技術基本計画
に関する答申では、
政府研究開発投資
の総額について、対GDP比一%を目指し、平成十三年度から五年間で二十四兆円とすることが必要とされています。新しい
科学技術基本計画
に沿って、投資の重点化、効率化、透明化を図り、
研究開発
の質の向上に努めつつ、
政府研究開発投資
の拡充に全力を挙げて取り組んでまいります。 明るく健全で活力に満ちた社会の形成のためには、
スポーツ
の振興が重要であります。このため、昨年九月に策定した
スポーツ振興基本計画
に沿って、国民のだれもが日常的に
スポーツ
に親しむことができる生涯
スポーツ社会
の
早期実現
や、本年十月に開所予定の
国立スポーツ科学センター
の活用などによる競技者の育成、強化など、競技力の向上に取り組んでまいります。また、二〇〇二年
ワールドカップサッカー大会
の開催、二〇〇八年
夏季オリンピック
の大阪招致の成功に向け努力してまいります。 さらに、新たな財源として期待される
スポーツ振興くじ
については、今月から
全国販売
を開始したところでありますが、今後、この制度が健全なものとして社会に定着するよう、十九歳未満の者に対する
販売禁止措置
の徹底を図りつつ、円滑な実施に努めてまいります。 文化は国の
存立基盤
であり、心豊かで活力ある社会を築いていくためには、我が国の特色ある
伝統文化
を大切にするとともに、文化の一層の振興を図り、
文化大国
の実現を目指していくことが重要です。このため、地域における個性的な文化の創出を支援するとともに、
芸術創造活動
の活性化、文化財の保存、活用、国語の改善、普及、文化を支える人材の
養成確保
、美術館、
博物館等
の
整備充実
などに積極的に取り組んでまいります。 また、
著作権制度
については、
情報通信技術
の発達や
国際的動向
を踏まえつつ、今後ともその充実に努めてまいります。
宗教法人制度
については、信教の自由に配慮し、今後とも円滑な
宗務行政
の遂行に努めてまいります。 さきの
施政方針演説
において、総理が「地球の世紀」と述べられたように、二十一世紀はあらゆる活動の
ボーダーレス化
が進み、ますますグローバルな視点が必要となってまいります。このため、ユネスコやOECDなどの
国際機関
を通じた協力など、教育、
科学技術
・学術、
スポーツ
、文化の各分野において、
国際交流
・協力及び
国際貢献
を積極的に進めてまいります。 昨年の九州・
沖縄サミット
においては、今後十年間で学生、教員等の交流を倍増する旨がうたわれたところです。これに対応して、未来からの大使である留学生の
受け入れ
十万人計画の達成に向け、留学生に対する支援や
国際研究交流大学
村の建設など、留学生の交流のための総合的な施策を推進してまいります。 また、海外の優秀な研究者の積極的な
受け入れ
や、そのための宿舎の整備などの
環境整備
を進めるとともに、
国際宇宙ステーション計画
などの
国際協力プロジェクト
に積極的に参加し、
科学技術
・
学術分野
における国際的な活動を積極的に展開してまいります。 さらに、
海外子女教育
、
帰国児童生徒教育
や
外国人児童生徒教育
の充実、
教職員交流
の充実、我が国の文化の
海外発信
、
日本語教育
の普及、海外の貴重な文化財の保存修復への協力などに努めてまいります。 以上、私の所信を述べさせていただきました。 さきにも申し上げたとおり、
教育改革
の推進を初めとして、国の将来にかかわる
重要課題
が山積しております。
文部科学省
といたしましても最大限の努力を払ってまいりますが、
委員各位
におかれましても、特段の御理解と御協力を賜りますよう心よりお願いを申し上げます。 どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
市川一朗
4
○
委員長
(
市川一朗
君) 次に、
平成
十三年度
文部科学省関係予算
について、
大野文部科学
副
大臣
から
説明
を聴取いたします。
大野文部科学
副
大臣
。
大野功統
5
○副
大臣
(
大野功統
君) おはようございます。
文部科学
副
大臣
の
大野功統
でございます。御
指導
、御鞭撻のほど、よろしく
お願い
申し上げます。 それでは、引き続きまして、私の方から、
平成
十三年度
文部科学省関係予算
につきまして、その概要を御
説明
申し上げます。 二十一
世紀
の
幕あけ
を迎えた今日、
地球規模
での
社会変動
が
展開
される中で、
我が国
が今後とも豊かで
活力
に富む
国家
として
発展
していくためには、
我が国
の
発展基盤
となる創造的な
人材
の
育成
や
世界最高水準
の
研究成果
の
確保
を目指した
科学技術
・
学術
の
振興
などを重点的に
推進
していくことが不可欠であります。 このため、
平成
十三年度
予算
の編成に当たりましては、厳しい
財政状況
の
もと
ではありますが、
基礎
、
基本
の確実な習得や生きる力をはぐくむことを目指した
教育改革
の
推進
、二十一
世紀
の
我が国
を担う
人材
の
育成
、
科学技術創造立国
の
実現
を目指した
科学技術
・
学術
の
振興
、ゆとりある
文化
、
スポーツ
の
振興
など、大きな
時代
の変化に柔軟かつ的確に
対応
する
施策
を積極的に
推進
することができる
予算
の
確保
に努めるとともに、
省庁統合
を踏まえた
融合
、
連携施策
の
展開
を図ったところであります。
文部科学省所管
の
一般会計予算額
は六兆五千七百八十三億九千四百万円、
国立学校特別会計予算額
は二兆七千四百二十七億七千二百万円、
電源開発促進対策特別会計予算額
は一千五百十億五千三百万円となっております。 以下、
平成
十三年度
予算
におきます主な
事項
について御
説明
を申し上げます。 第一は、
基礎
、
基本
の
徹底
と生きる力をはぐくむ
教育
の
展開
についてであります。
子供たち
の
基礎学力
の
向上
ときめ細かな
指導
を目指し、少
人数指導等
の
学校
の
具体的取り組み
に対する
支援
を行うこと等を
内容
とした第七次
公立義務教育
諸
学校教職員定数改善計画
をスタートさせることとし、その
初年度分
として五千三百八十人の
改善
を行うことといたしております。 また、
教員
の
社会体験研修等
の
充実
や
学校
と
社会
の
相互交流
に努め、
教員
の
資質向上
を図るとともに、
教員
の
人事管理
など
学校運営等
の
改善充実
を積極的に進めることとして、約百五十四億円を計上いたしております。 さらに、新たに
児童生徒
の
学力
の
評価
について
調査研究等
を
実施
し、
基礎
、
基本
を
徹底
し、みずから学びみずから考えるなどの生きる力をはぐくむことを目指した
教育課程
の
推進
を
支援
しつつ、特色ある
学校づくり
、
中高一貫教育
の
推進
を図るほか、
幼児教育
の
充実等
に積極的に取り組むことといたしております。 また、
IT授業
や少
人数指導
のための新
世代型学習空間
の
整備
、
PCB対策
、
学校トイレ
の
改造等
を行うこととして、
公立学校
の
施設整備
について約一千六百十九億円を計上いたしております。 第二は、心の
教育
の
充実
について、
子供たち
の
問題行動
に適切に対処するための
スクールカウンセラー
の
拡充
や心の
教室相談員
の
配置
、不
登校児童生徒
の
適応指導
のための
調査研究
など
生徒指導
の
充実
として約八十一億円を計上いたしております。また、
体験的活動
を重視するなど
道徳教育
を
推進
するとともに、
子供たち
の
感染症対策
、
薬物乱用防止教育
及び食
生活
に関する
教育等
に積極的に取り組むことといたしております。 第三は、
地域
、
家庭
の
教育力
の
再生等
生涯
学習
の
推進
について、
平成
十四年度の
完全学校週
五日制の
実施
に向けて、
子供
の
地域活動
の
振興
や
子育て
に夢を持てる
家庭教育
の
支援
を図る
全国子どもプラン
の
計画的推進
として約二十五億円を計上するほか、
子育て講座
を
全国
的に
展開
するなど
家庭
の
教育力
の
再生
を図るとともに、
学校
の
余裕教室等
を
活用
して
地域
の大人と
子供
の
触れ合い交流
を
推進
することといたしております。 第四は、特色ある
教育研究
の
推進等私学助成
の
充実
について、
教育研究条件
の維持
向上
と修学上の経済的負担の軽減などを図るため、
学術研究基盤
の
強化
や
教育改革
の
推進
などに配慮しつつ、私立
大学等
経常費に対する補助については三千百四十二億五千万円を、私立
高等学校
等経常費助成費に対する補助については九百二十二億五千万円を計上するなど、経常費補助を中心に、引き続き
充実
を図ることといたしております。 第五は、
大学改革
の
推進
と次代を担う
人材
の
育成
についてであります。
大学改革
の
推進
や
大学
の
教育研究
の高度化等の要請にこたえるため、
大学院
の
教育研究
の高度化、
多様化
等を
推進
するとともに、
国立大学
等の
教育研究
施設
を重点的に
整備
するために約一千十三億円を計上するなど、
教育研究
基盤
の
整備充実
を図ることといたしております。 また、
育英奨学事業
については、次代を担う
学生
が経済的に自立し、安心して学べるようにするため、六万二千人の貸与人員の増員を図るなど、一層の
充実
を図ることといたしております。 第六は、
留学生
交流
などの国際
教育
協力
の
推進
として、諸外国との間で、
留学生
交流
のため約五百五十八億円を計上するとともに、ユネスコを通じた
開発
途上国への
IT
教育
支援
を
推進
することといたしております。 第七は、
未来
を開く
学術
研究
の
振興
として、
科学研究費補助金
に間接経費
制度
を導入する等大幅な
拡充
を図ることとして約一千五百八十億円を計上するとともに、加速器科学や天文学
研究
などの
基礎研究
の
推進
に努めることといたしております。また、
地球
環境
問題の
解決
に向けて、総合
地球
環境
学
研究
所、これは仮称でございますけれども、を創設することといたしております。 第八は、経済、
社会
ニーズに
対応
した先端
科学技術
の
研究開発
の
推進
であります。 特に、重要
戦略
分野
として、超高速インターネット衛星の
開発
等
情報科学技術
の
研究開発
のため約三百六十六億円を、たんぱく質の構造・機能解析等
ライフサイエンス
の
研究開発
のため約九百八億円を、
地球温暖化
防止
等に資する
環境
変動の予測及び
環境
対策
等の
研究開発
のため約八百三十二億円をそれぞれ計上したほか、
ナノテクノロジー
を駆使した先進的材料の
開発
などの
施策
を強力に進めていくことといたしております。 また、
宇宙開発
につきましては、
我が国
の
次期主力ロケット
であるHⅡ
Aロケット
の確実な
開発
を
推進
するとともに、
宇宙
関係三機関による共同
研究
等の
推進
や品質保証
活動
の
強化
を図るなど、信頼性の高い
宇宙開発
の
推進
に努めてまいります。 さらに、
原子力
の
分野
につきましては、
安全確保
と
国民
の
理解
を大前提として、
核融合等
の先端的な
原子力
科学技術
や
高速増殖炉サイクル技術
の
研究開発
等を進めることといたしております。 第九は、新たな
研究開発
システムの構築として、
科学技術振興
調整費や
戦略
的
基礎研究
推進
事業等の
競争的資金
を大幅に
拡充
することとして約八百八十四億円を計上するとともに、
研究評価
の
充実
など
研究開発
活動
の
透明性
の
向上
を図ることといたしております。 第十は、
研究成果
の
社会還元
を目指す
施策
の
推進
として、
研究成果
活用
プラザの
整備
などを通じた
研究成果
の特許化、企業化
開発
やベンチャー創業
支援
などの技術移転
施策
を抜本的に
強化
するため約百八十三億円を計上したほか、
地域
結集型共同
研究
などの
施策
を通じて
地域
における
科学技術
活動
の
振興
を図ることといたしております。 第十一は、
世界
的レベルの
研究者
、
技術者
の
養成確保
として、ポストドクター等
若手研究者
の積極的な登用による独創的な
基礎研究
の
推進
や
若手研究者
の
流動化
の
促進等
のために約二百五十五億円を計上したほか、
産学官連携
のための
人材
の
養成
、
技術者
の
能力
開発
・再
教育システム
の構築にも力を入れてまいります。 第十二は、独創的な
研究開発
活動
の
展開
等のための
基盤
の
整備
であります。
日本科学
未来
館の
整備
、運用、情報技術を
活用
した革新的な
科学技術
、
理科教育
の
展開
、ロボット創造国際競技大会の
実施
等に約百二億円を計上し、次
世代
を担う
青少年
の独創性の涵養、
国民
の
科学技術
に対する
理解
の増進を図ることといたしております。 また、国際的な
科学技術
・
学術
活動
に積極的な
展開
を図ることとし、
研究者
の
海外
派遣や外国人
研究者
の
受け入れ
等の
国際交流
活動
、
国際協力プロジェクト
を
推進
することといたしております。 第十三は、
スポーツ
の
振興
と
青少年
健全
育成
の総合的な
推進
についてであります。
スポーツ振興基本計画
に基づき、生涯
スポーツ社会
の
実現
、国際
競技力
の
向上
、
学校
体育、
スポーツ
の
充実
を図るための各種
施策
を総合的に
推進
していくことといたしております。 また、
青少年
健全
育成
の
推進
を図るため、民間団体が
実施
するさまざまな
体験活動等
への
支援
を行う
子ども
ゆめ基金、これは仮称でございますけれども、の創設等として百二十億円を計上いたしております。 第十四は、
文化
による心豊かな
社会
の
実現
として、アーツプラン21や
地域
文化
の
振興
など
芸術創造活動
の
推進
として約百六十五億円を計上するほか、
文化財
の次
世代
への継承
発展
、新たな
文化
拠点の
整備
など
文化
振興
のための
基盤
整備
や、日中、日韓を初めとする国際
文化
交流
の
推進
を図ることといたしております。 第十五は、情報化への
対応
として、高度情報通信ネットワーク
社会
の
形成
を目指し、情報化の影の部分にも配慮しつつ、
学校
の
授業
において
教員
及び
生徒
がコンピューターやインターネットを
活用
できる
環境
の
整備
を進めるとともに、専門的かつ創造的な
人材
の
育成
や
世界
最速の
研究
ネットワークの構築等による
研究
分野
の情報化、情報通信
分野
の
研究開発
等を積極的に
推進
してまいります。 以上、何とぞよろしく御審議くださいますよう
お願い
申し上げます。 なお、これらの具体的な
内容
につきましては、お手元に資料をお配りいたしておりますので、
説明
を省略させていただきます。 ありがとうございました。
市川一朗
6
○
委員長
(
市川一朗
君) 以上で
所信
及び
予算
説明
の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
市川一朗
7
○
委員長
(
市川一朗
君) この際、河村
文部科学
副
大臣
、
水島
文部科学大臣政
務官
及び池坊
文部科学大臣政
務官
から発言を求められておりますので、順次これを許します。河村
文部科学
副
大臣
。
河村建夫
8
○副
大臣
(河村建夫君) このたび
文部科学
副
大臣
を拝命いたしました河村建夫でございます。 私は、一昨年の十一月から昨年の七月まで文部総括政務次官を務めさせていただきました。その体験を生かしながら、
町村
文部大臣
を補佐し、
教育改革
を初めとする
文部科学
行政の
推進
に
全力
を尽くしてまいりたいと思います。
委員長
を初め
委員
の皆さんの御
指導
、御鞭撻をよろしく
お願い
申し上げます。 ありがとうございました。(拍手)
市川一朗
9
○
委員長
(
市川一朗
君)
水島
文部科学大臣政
務官
。
水島裕
10
○
大臣政務官
(
水島
裕君) 地元の参議院の
水島
でございます。 このたびの
国会
は
教育改革
国会
と言われているだけに、そういう質疑が非常に多くなると思いますし、ぜひ有意義な質疑が行われることを期待しております。 しかし、一方、
文部科学省
には
科学技術
研究
関連の局が三つございますので、ぜひ
科学技術
あるいは、特に
ライフサイエンス
関係の質疑もやっていただきますと私の答弁の場もできるのではないかと思いますので、よろしくどうぞ
お願い
いたします。(拍手)
市川一朗
11
○
委員長
(
市川一朗
君) 池坊
文部科学大臣政
務官
。
池坊保子
12
○
大臣政務官
(池坊保子君)
文部科学大臣政
務官
の任をいただきました池坊保子でございます。 二十一
世紀
の日本の展望は、二十一
世紀
にどのような
教育
制度
の
もと
にどのような
教育
理念の
もと
で
子供たち
をはぐくんでいくかにかかっていると思っております。そういう意味では、先を歩む人間の、特に政治家の任は大きいのではないかと思います。この
委員
会で
皆様
方の英知と御
支援
をいただきながら、本来の
教育改革
国会
にしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしく
お願い
申し上げます。(拍手)
市川一朗
13
○
委員長
(
市川一朗
君) 本日はこれにて散会いたします。 午前十時三十三分散会