○
国務大臣(
武部勤君) ただいま新
制度の基本的な仕組みについて、メリット等を
農業者の方々に御
理解いただけるよう徹底してPRを通じて
制度の普及に努めるように私の立場からも徹底させたい、かようにお答えさせていただきます。
さらにまた、今
先生から、農家が安心して
農業にいそしめるような、あるいは若い方々が魅力を持って
農業に従事することができるような今後の
農政というお尋ねでございますが、例えば新規就農者が離農した後に入るというのは、これは北極探検に近い私は大変なことだと
思います。ですから、そういった問題を解決するためにも、私は、
一つは
農業経営そのものの
法人化と、それからもう
一つは、これは半官半民がいいのかわかりませんが、農協などが
中心に
考えていただいたら結構だと思うんですけれども、農地も保有する、そしていろいろな
指導的なこともやる、さらにはかなり試験研究的なこともやる、そういう公益的な農産公社みたいなものがあっていいんじゃないかと思うんです。
そういったところに若い方々が就職して、そして
地域のさまざまな農家の農場経営を直接経験してみると。そのことによって、その
地域の実情についても習得できるでしょうし、
農業経営についても自信も得られるでしょうし、さらには流通や加工やいろんな分野についても経験したり勉強したりする機会が与えられるということによって、また経営者側からすれば、数年間のそういった
法人での就職といいますか、そこで頑張ってみることによって、この男性なら、あるいは女性でも結構です、やれるんじゃないのかなという
一つの本来的な認定ということが可能なんだろう、こう思うんです。
そういう
意味の
法人化ということも、私の
法人化という
考え方の中にはあるわけです。そして、安心して、自信を持って、さまざまな習得すべき知識も勉強した上で、新しい農場に入って経営者として農家経営に従事していくという、そういう方法なども私どもが
考えている
農業構造改革の一環なんです。
さらには、先ほど来申し上げておりますように、どうも
農村の実態を見ますと、一番大変なところを農家が請け負っている。そして、農家経営そのものも高齢化したり規模の拡大によって十二分にできなくなっている。したがって、酪農家などはヘルパーを求める。なかなかヘルパーを求めるにしても、日当が高いですし、欲しいときに来てもらえないという問題もありますし、またヘルパーの
皆さん方も、ヘルパーだけの
仕事でずっと何年もやるというようなことなどがあって途中からリタイアしていくという問題もございます。あるいはコントラクターというものも
先生御案内のようにあるわけですね。だから、総合的に個人経営をサポートするそういう
法人があれば、少々規模を大きくしようとか、あるいは経営を拡大しようとかということでもサポーターがいればできる、そういう
可能性が担保されると思うんですね。
そういうようなことで、私ども、今後の
農政を通じて、農家というよりも各個人が、
農業をやりたいというような人が安心して、まず小学校程度から、次は中学校、高校、大学というふうに段階を経て確信を持って
農業に従事していくというような体制づくりが大事なんじゃないのかな、こう思っております。
それから、今後もう
一つ問題は、後継者は、単に
農業労働に従事する後継者という問題よりも、
農業経営を引き継ぐ経営者というものの確保が非常に難しくなっていると私は思うんです。
生産、流通、加工、さまざまな難しい市場原理の中で競争していかなきゃならないということになりますと、
農村では、特にある程度高齢化した方々などは、だれかいい経営者はいないかと。私も頼まれたことがありますが、拓銀が破綻した、拓銀に勤めていた若い人でうちの農場を手伝ってくれる人はいないかな、経営能力のある人ならば我々はそれをすべて任せて、我々は我々のできる
仕事に全力を尽くしてもいいんだと、そういうようなことを率直に我々に
相談に来る人もおりました。
少し長くなりましたけれども、そういう
意味では、
農業の
構造改革というものは、従来のラインの上で
考えるんじゃなくて、やはり現場で何が求められているかということを、さまざまな態様があると
思います。そういったものにすべてこたえられるシステムはどうつくっていくのかということを念頭に置いて、施策全体の
見直し、
再編を
考えてまいりたい、こう思っておりますし、さような
意味で新たな
可能性というものを
農山漁村に切り開いてまいりたい、こういう決意を新たにしている次第でございまして、この
委員会におきましてもそういった視点で御議論を今後賜ればありがたい、かように思う次第でございます。